前回までのあらすじ
勇者の人生を追体験するということで、アリアハンに辿り着いたモガマル。
勇敢なるオルテガの息子としてモガマルは、どうやらバラモスという魔王を倒さなければいけないらしい。
前回
第四話 アリアハンは財政難なのか?
勇敢なオルテガを父に持つ(という体の)モガマルは、バラモスを倒さなければいけないようだ。
「敵は魔王バラモス!!」と力強く言い放つ王様は、さらにこう続けた。
なんてこった、魔王というだけあるのに名前を知らないのか。これは、魔王がいることは知っているけれど名前を知らないのか、そもそも魔王がいることも知らないのか、どちらなんだ。
前者だったりすると、「あの魔王」→「例の魔王」→「例のあの人」と変遷していって、いつの間にか「恐怖のあまり誰も魔王の名前を呼ばない」とか尾ひれがついて、「名前を言ってはいけないあの人」になったりするのだろうか。
どこかで聞いたことあるな。
アリアハン王ってダンブルドア?
恐ろしい……。
こんな話をニッコニコ顔で聞くモガマルが心底恐ろしい。だが、そこがモガマルのよさでもある。こいつはどんな逆境でもこのニッコニコ顔で乗り越えてきたからな。
王様にばっちりと気合を入れてもらった。
一国の主に直々に魔王討伐を命令されるのは悪い気分ではない。国が認めた正式な勇者というわけだから、そんじゃそこらのアマチュア勇者とはわけが違うんだ。さすが追体験させてもらえるだけある。
公務員勇者とフリーランス勇者。……なんだかフリーランス勇者の方がよさそうだな。
王様はさらに情報をくれた。なるほど、町の酒場で仲間を見つければいいのか。
だがモガマルにはすでにしもべが3人ばかりいる。どいつもそこそこ腕が立つから、そんなことをする必要はないだろう。
だが装備を整えるための何かをくれるようだからそれはもらっておこう。そろそろしもべの装備も古くなってきたからな。
さて何をくれるんだろうか。
これには本当に同意せざるを得ない。旅人の服もこんぼうも今更過ぎるぞ。
いくらしもべだからと言って、主人はモガマルだ。そんな貧相な装備をさせているものか。
あと50Gはひどい。50Gはひどい。お小遣いでももうちょっとくれると思う。
たしかに世界救わせてくれ~って頼んだのはこちらだが、国も容認してくれているのだからもうちょっと餞別くれてもいいんじゃないか?しかしこのお金が国民の血税で払われているのであれば文句は言えないな。
勇者の人生を追体験と言われて、アトラクション気分だったが、これは思ったよりも辛い旅になりそうだな……。
次回予告
しょぼすぎる餞別に肩を落としている暇は、モガマルたちにはなかった!なぜなら次の瞬間、ゼウスの怒りかと思うほどの衝撃がモガマルの身を貫いたからだ!
次回、「ルビス様、厳しいぞ。」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!!
(文・やなぎアキ)
次回
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