前回までのあらすじ
魔王バラモスを倒してこい!と王様に言われ、がぜん気合が入るモガマル。そして王様からもらった餞別のあまりのしょぼさに度肝を抜かれたのだった。
前回
第五話 ルビス様、厳しいぞ。
一国の王のくせに、世界を救う勇者になんて仕打ちをするんだ。これはモガマルが目ん玉飛び出させてびっくりしても無理はないだろうな。 同情するぜ。
目ん玉ひとしきり飛び出させた後は、目ん玉点にしてなげいているモガマル。結構根に持つタイプなんだ、こいつは。しょぼーいぼーい。
そうしていると、王様がなんだか文句を言いたそうにこっちを見てくるではないか。
モガモガうるさい生き物……?なんだ、猿ぐつわか?誰も誘拐していないぞ、こっちは!!ひどい濡れ衣だ!まったく!!
ずいぶん生意気……?
ああ!モガマルのことか!はいはいはい、モガモガうるさいってモガマルのことか。
……たしかにモガマルはうるさいし生意気だが、モガモガは言っていないだろう。さっきはあまりの餞別のしょぼさに「モガー!」となってしまったが、
モガモガうるせぇ!!
と言われるほどモガモガはしていないぞ。濡れ衣だ。それくらいの文句が言いたいなら、濡れ衣だけに水の羽衣でも寄こしたらどうだ。
こういうやつに限って、札束に火をつけて「どうだ明るくなったろう」とか言うんだ。何の話だ。
なんだこの王様、しもべに言っているのか?もしかして、モガマルのしもべのことを勇者だと思っちゃってる?あらら。
やれやれ、これだから素人は困るんだよ。外でそんなこと言って恥かいても知らないよ?
あのねぇ、おじさん。そっちの3人組じゃなくて、このモガマルが勇者でありオルテガのむすk……
わひゃーーー。(振り落とされるスラッピ)
……そうだそうだ!オルテガの息子じゃないぞ!さっきは勢いでそう言ったがなぁ。こいつの本当の父親は、モガパp……
わひゃーーー。(二回目)
突如身体を貫く雷!な、なにが起こったんだ……。
ル、ルビス様!なんなんだ!急に現れて!なんなんですか!これ、すごい痛いんですけど!何が起こっているんですか!もしかしてこれルビス様の技か!めっちゃ強いっすね!こんなに強いのになぜ封印させられていたのか!
なに、オレたちはなんなの!
はっ!そうだ、勇者の記憶を追体験するアトラクションに今乗っているんだった。
座席が揺れるどころではない衝撃を受けるアトラクションとは思わなかった。安全面度外視。オリエンタル〇ンドだったら絶対許されない。
……え?
なに?「それを忘れぬよう……(キリッ)」みたいに言われても。
あ、あれか?お前たちは勇者、それすなわちオルテガの息子ってことだから「違うぞ」とか言うなよってことか?
いや、たかだか記憶追体験アトラクションで、己の出自を偽るなんてことできらいでか!!なぁモガマル!!
あ、モガマル、泣いてる。かあいそう。
そうか、もう喰らいたくないか。そうだよな……。
たかがアトラクションで変なプライドを持つのも違うもんな!痛い思いしなくて済むなら、父親がオルテガでもポカパマズでもパンツマスクでもなんだって言ってやるさな!!
次回予告
ルビス様のきついお仕置きを喰らい、オルテガの息子ということで話を進めることにしたモガマル。
だが王様はいまだに信じてくれないようだ。
次回、「カンダタってやつに会えばいいんだな!」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!!
(文・やなぎアキ)
次回
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