前回までのあらすじ
突然現れた精霊ルビスに、勇者の人生を追体験しろと言われた。
どうしてもテーマパークのアトラクション感はぬぐえないが、そんなことを気にしないモガマルは喜んで了承する。
前回
第三話 おいらの父親はモガパパだぞ!
ルビス様に言われるがままに、 勇者の人生を追体験しはじめたモガマル。
それでは行きましょう!の掛け声とともに目の前が真っ暗になった。シートベルトのチェックはしなくていいのか、という皮肉は頑張って飲み込んだ。
え?スターウォーズ?耳の奥底からお馴染みの音楽が聞こえてくるようだ。
やっぱりこれアトラクションじゃないのか?モガマルだまされたんじゃないのか?
心配していると、急に視界が開けた。
いかにも王様っぽい王様が、快く出迎えてくれたようだ。
オレも今度からは、友人が家に来たときは「よくぞ来た!勇敢なる○○の子供よ!」と言ってみようかな。すかさず明確に上下関係を提示できるもんな。
それにしても勇敢なるオルテガの子供……?もしかして、モガマルに言っているのだろうか。たしかにモガマルの父親は勇敢だからな。しかし、オルテガ?
火山に落ちて!なんということだ、戦いの末に火山に落ちて亡くなるとは……モガマルに負けず劣らず勇敢だ。
ものすごい力強く言い切ってくれた。
「しかと聞き届けた!」なんて、王様っぽいせりふランキング毎年上位に入る言葉ではないだろうか。
オレも、家に来た友人に「その麦茶を持参の水筒につぎ、家に帰りたいというそなたの願い、しかと聞き届けた!」とか言いたいもんだ。貧乏か。
王様の話が一旦区切れたことをいいことに、モガマルがようやく口を開く。
そうだ、モガマルの父親はあのモガパパだ。ブルリア星にそのモモンガあり、と言われたモガパパだ。モモンガ族始まって以来の逸材で、モモンガのマドンナ、モガママのハートを唯一射止めた、漢の中の漢だ。
なるほど、勇者の人生を追体験しているということは、その勇者の父親がオルテガなのか。
よくできたアトラクションだ。
そして唐突に魔王の名前を言い出す王様。
そうか、この勇者はバラモスを倒す旅に出るんだな。それは一体、どんなやつなんだろうか……。
次回予告
まさか旅立ち前の王様の話で、2話分つかうことになるとはな……。偉い人の話って言うのは、こっちの想像をはるかに上回る長さだから困る。
人生を追体験しているうちに、こっちが老衰で寿命を全うしなければいいけどな。
次回、「アリアハンは財政難なのか?」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!!
(文・やなぎアキ)
次回
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