魔物の中でもボスともなると、やっていることもなかなかあくどいです。
だからこそ主人公たちは彼らを退治するのです。
彼らの中には、あまりにも非道でえぐい行いをする者もいるのですから、当然です。
今回は、ナンバリング作品の中でも「これはえぐい」ということをしていたボスを勧化てみたいと思います。
ボストロール(ドラクエ3)
変化の杖を使いサマンオサの王様に成り代わっていたボストロールです。トロル系はだらしなく舌を垂らしていて知性がないように見えますが、このボストロールは一応は王に化けられていたのでそこそこ知能があるのでしょう。
彼は自身が気に食わないことがあれば、善良な市民であっても牢屋にいれたり死刑にしたりします。ただ悪口を言った、という程度のことでも死刑にしてしまいます。魔物によって苦しめられる人々はめずらしくはないですが、死刑という直接的な被害があるのが恐ろしいです。この国に住んでいればいつ殺されるか分からない、その恐怖は想像することすらできません。走れメロスのメロスがいたら問答無用でその場で死刑でしょうね。
ドラクエ3に登場する似たような非道な魔物と言えばやまたのおろちもいます。生贄として命を奪われる少女たち。勇者たちの戦いの裏には命を落としたものたちが確実にいるのです。
ズイカク・ショウカク(ドラクエ6)
トロル系とうごくせきぞう系のボスです。どっちがどっちなのかはわかりません。
なげきの牢獄に賢者マサールを幽閉し、大魔王に従わせるために彼の弟クリムトが処刑されるシーンを永遠に見せ続けるという悪趣味な精神攻撃を仕掛けてくるコンビです。
どう見てもパワータイプのくせに、精神攻撃を仕掛けてくるのがたちが悪いです。賢者ともなれば肉体的な拷問は効かないだろうということでしょうけど、それならば肉親を痛めつけてやる、というのがまさに非道。しかもクリムト本人は処刑されていないので、嘘のイメージをずっと刷り込み続けているのです。マサールの心が壊れるまで、何度でも何度でも。こいつらの精神力も大したものです。私だったら速攻で服従します。大事な人の死ぬシーンを何度も見せられるのは想像するだけできつい。もしこの作戦をこいつら自身が考え付いたというのであれば、賢者を服従させる重要任務につかされたのもわかります。
が、強さは微妙です。ここまで幾度となく強敵を倒してきた主人公たちの敵ではありません。
バリクナジャ(ドラクエ7)
ドラクエ7にはえぐいことをするボスがたくさんいます(レブレサックとかレブレサックとか)。その中からあえてバリクナジャを選んでみました。コスタールのボスです。
この世に生を受けた子供、その最初の満月の夜にその子は怪物と化し、一人でどこかに去って行ってしまう……。ドラクエ7の中でも屈指の鬱ストーリーです。子供が生まれるという喜ばしいことが、悲劇に変わってしまうのです。これだけでもえぐいのに、一度怪物に変わってしまった子供はまだ記憶があるのか再度コスタールに戻ります。当然元の姿に戻ることはなく、再びどこかに行ってしまうのです。ちょっと期待を持たせるそのやり方、最悪です。
さらにさらに、主人公たちがバリクナジャの元に行くと彼はこう言うのです。
「やっとここまできおったか!まったく待ちくたびれたわい。そろそろ赤ん坊の相手をするのもあきたしな」
何?赤ん坊の相手って、何をしていたの?怪物と化してしまった赤ん坊を相手に……?そして手に持ったムチ。あまり考えたくありませんね……。これは5年も前から行われている行為というのもえぐいです。
ちなみに実力はと言うと微妙です。
なんか、ドラクエ7で人間に対してえぐいことをしているボスって実力は大したことないんですよね。それがさらにむかつき度に拍車をかけている気がします。人間が勇気を出して挑んでいれば勝てたかも、でもそれをしなかった、みたいなジレンマを表現しているのでしょうか(多分考えすぎ)。
フールフール(ドラクエ11)
崩壊後のプチャラオ村に現れたボスです。
コミカルなキャラクター且つコミカルなBGMの中戦うことになるので忘れがちですが、こいつもなかなかにえぐいです。
一番大切なものを差し出せば、それだけは助けてやろう、という取引を村人に持ち掛け、まんまとその大切なもの「だけ」を奪っていきました。それは大切な人だったり、大切なものだったり。命の大樹が落ちてしまい世界が恐怖に包まれている中で、大切な存在というのは我々プレイヤーが思うよりももっと重要な意味を持つと思います。これからのことは何もわからないけど、それがいてくれれば頑張れる、と。それを奪うという行為。とんでもねぇです。
プレイしているときは、「こんなのどう考えても大切なものを奪うための罠じゃん」と思うのですが、実際この場にいたらどうなのでしょうか。丁寧な物腰と口調でこのように迫られて、不安定な情勢の中大切なものだけは守りたいと思ってしまったが最後、まんまと引っかかってしまうかもしれません。だからこそこいつの行いはえぐいのです。
とっさにこいつの真意を見抜き息子を守ったバハトラはすごすぎます。自分の考えが間違っていたら、何よりも大切な息子の命が危うくなるのですから。その賭けに出る勇気は私にはありません。
ドラクエ11はストーリー性がかなり高いので、こいつ以外にもえぐいことをするやつはいっぱいいますね。
他にもまだまだえぐいことをしてくるボスはいます。
また、えぐいことへの許容量の違いも人それぞれなので、私とは別のボスをあげる人もいるでしょう。
こういう話題はいくらでも続けられるので好きです。
(文・やなぎアキ)
関連記事