管理めっちゃ大変そうじゃん……。
野心に満ち溢れた上昇志向のある人でもないと、むしろ迷惑では?
なんの話なのか大体の人はわかっていると思うけど一応解説。
ドラクエ1のラスボス竜王のもとへ行くと、彼はそこまでたどり着いた勇者をほめたたえ、さらにはなんと取引を持ち掛けてくる。
もしわしの味方になれば世界の半分をやろう、と。
まさかこんな誘いに乗る勇者いないと思うが、はいって答えたらどうなるのかな~と好奇心にかられる勇者はいてもおかしくない。そしてここではいと答えてしまうと、では世界の半分、闇の世界をやろうと言われ、実質的なゲームオーバーとなる(FC版)。
解説終わり。
これは要は、竜王の甘言には乗らないぞ!なんたって勇者なのだから!というわけで、世界の半分をやろうという誘い文句は非常に魅力的なわけである。
いや、欲しいやつ、おる?
いらね~~。
闇の世界だからとかそういう意味じゃなくて、普通にいや。誠実に世界の半分くれてもいや。
急に世界の半分も背負えないって。そんな責任負えないって。
そういう人多いと思う、特に現代社会は。上に立ちたい、みたいな人そんなにいないでしょ。しかもこんなとんでもない規模で。もうちょっと小規模ならまだしも、世界の半分はでかすぎるって。
アレフガルドには町や村はそんなにないが、魔物たちはそこかしこにいるわけで。それらを全て管理しないといけないわけだ。半分どころか、四分の一でもいらない。土地をもらうことを軽々しく考えるな竜王よ。普通に現金をくれ。あと家。世界の半分より持ち家が欲しい。ガライとかに。
大体元々あった国を半分とはいえいきなり自分が統治するの、無理がありすぎる。
それもあってエンディングで勇者は、いやどうせなら自分で新しい国作りますよ、という起業ルートに入ったんだろ(?)。
ほら、昇進して管理するものが増えるのと、起業して自分で色々作り上げていくのは別モノだから。多分起業したいっていう人はいまだに多いから。竜王はそこんところわかっていない。起業だってすごい大変だと思うけどな!
もうさ~、納税がどうとか、公共事業がどうとか、絶対考えたくないって。すごい大変なのわかり切ってるもん。ちょっと考えただけでわかるもん。なんで竜王は、これなら勇者も乗ってくるかもしれないぞとか思えたんだよ。
そんな難しく考えないで、好き勝手すればいいって?竜王はそれでいいとか考えているかもしれないけどはっきり言って浅はか。多分竜王も実際世界征服してみたら、「あれ?思っていたのと違うな?」ってなるよ。
好き勝手して、統治している地の民たちに不満がたまったらどうなるかって、革命だよ革命。一揆だよ一揆。そんなことになってみろ、もう終わり。胃潰瘍まっしぐら。いつ自身が倒されるのかと日夜怯え、それを回避するためにはどうしたらいいかを考えなければならない。好き勝手やった結果、さらにめんどくさいことになってしまう。いくら竜王や勇者が強くても、それは一対一だから。ほら、ドラクエ1って一対一だから、自分のこと強いって思っちゃうかもしれないけど、普通に軍で来られたらきついでしょ。だからそういうことが起きないように細心の注意を払って統治しないといけない。世界の半分も。でかいよ!人間をあなどるな!ゴーレムは人間が作ったんだぞ!
世界征服なんてろくなものではない。それがたとえ半分であっても。
竜王が誘っても、最近は大体の勇者が「え……(引)」みたいな反応で断っている。「そんな誘いには乗らないぞ、竜王!」みたいなのない。それで竜王が「最近の若い勇者は野心とかあんまりないのかのう」とか言うんだよ。
ついでに言うと、ラダトーム王が国を譲ろうとする際も「え……(引)」みたいな反応している。
時代っていうのは変わっていくんだなぁ。
(文・やなぎアキ)
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