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【ダイの大冒険】親衛騎団に受け継がれたハドラーの心を彼に当てはめてみた

先週までハドラー親衛騎団について紹介していました。

ハドラー親衛騎団の性格はそれぞれハドラーから受け継いだ性格です。

つまりそれぞれの行動や言動などは、あああのときのハドラーと似てるわ~となるわけですね。

 

ハドラー及び親衛騎団が大好きな私としては、そこを改めてしっかりと考えてみたいと思います。

 

闘志 ーヒム

ハドラー親衛騎団の切り込み隊長、熱い拳で宿敵ヒュンケルを倒すことに心を燃やすヒム。彼がハドラーから受け継いだのは熱い闘志です。ちなみにヒュンケルの心の力でもあります。

ハドラーもまた熱い闘志を心に秘めた男でした。自身が好敵手と定めた相手には必ず勝ちたいと、自身の力で正々堂々と戦って勝ちたいと、そういう強い気持ちを持った男がハドラーです。魔軍司令のときはそのような部分はなりを潜めてしまいましたが、『勇者アバンと獄炎の魔王』のときのハドラーを見ると、やはり元々はそういう熱い男だったのではないかと思います。自らに一矢報いた勇者アバンはこの手で倒したい。そしてダイにもその感情を抱きます。世界や自身の未来のためではなく、ただひたすらにダイを倒すのだと、その一心でハドラーは強くなるのです。

ハドラーはヒムに、今の自分に一番似ていると言っていましたが、それはヒムが自分と同じ目標を持って生きているからだったんでしょうね。

 

 

騎士道 ーシグマ

ナイト・シグマは騎士道精神を色濃く受け継いだ戦士です。そしてそれはすなわち、誇り高いということになるでしょう。ポップとの一対一の対決では、まさに正々堂々正面から向き合って戦っていました。

主君であるハドラーも騎士道精神にあふれた男です。魔軍司令の時には、強欲な虚栄心により汚い手を取ることもありましたが、そんな自分を心苦しくも思っていました。誇り高い彼にとって、それはやはり恥ずべき行動なのです。超魔生物になった後の彼は、小細工など仕掛けず自身の力のみで戦うことを望みます。ダイとバランとの戦いでも、人数的に不利だというのにそれでも臆しません。だからこそバーンが仕込んだ黒の核は心底悔しかったでしょう。

そしてダイとの決着がついたあの戦い。ダイの渾身のギガブレイクを真っ向から受けようと黙って待つハドラーのその姿に、騎士道を見ないものはいません。そうして初めて、ハドラーにとって納得のいく戦いができるのです。

そんなかつては卑劣な罠まで仕組んだけれどもまた騎士道に戻ったハドラーが、キルバーンの卑劣な罠によって倒れるというのはなんと言う皮肉でしょうか。

超魔生物となったハドラーの一番の変化はこの誇り高き騎士道だと思います。それを受け継いだシグマもまた、自身のことを誇り高く思っていたのではないでしょうか。散り際すら潔い彼は、誰よりも騎士でした。

 

 

残酷性 ーフェンブレン

親衛騎団の中でも異色の戦士フェンブレン。他の皆は正々堂々と戦うことを好むのに対して、彼は弱いものであっても躊躇なくいじめる残虐さを持っています。自身でも「残酷なのだ」と言っているほど。またハドラーは虚栄心も受け継いでいると考えたようです。フレイザードとやや似ていますね。

残酷で且つ虚栄心を持っている。これは魔軍司令の頃のハドラーです。

地位のためにザボエラのしょうもない策略を採用したり、バーンにびくびくしてへこへこしたり、ポップとマァムを必要以上に痛めつけたり……。超魔生物になってこう言った部分はほとんどなくなったように見えます。しかし人の心は180度もマルっと変わったりはしません。多少は残ったその気持ちが、フェンブレンに受け継がれました。

ハドラーにとって負の過去である部分を受け継いでいるというのは、本人からしてみるとどうなのでしょうか。他の皆はハドラーの崇高な心を受け継いでいるというのに。しかし特に気にしている様子もありません。どんな心であっても、それが今のハドラーを形作ったということを考えれば悪いことではないのかもしれません。ハドラーも、そういった自分がいたことを忘れるわけにはいかないでしょうし、フェンブレンのような存在こそ必要だったのかもしれません。

一応、残酷なだけではなく戦士に対してはちゃんと敬意を払っているということは付け加えておきます。フレイザードとは格が違うんだよ、格が。

 

 

献身 ーブロック

口数は少ないけれど、仲間を想う気持ちは誰よりも強く、躊躇なく皆を守る盾になるブロック。彼の受け継いだ心は献身です。

ハドラーの献身の心を感じるシーンといえば、そう、あれですね。

ダイとの戦いを終えた直後にキルバーンが放ったキルトラップ。業火に包まれるダイとポップ。彼らが逃げるための一瞬の隙を作るために、とうに限界を迎えていた体を奮い立たせてキルトラップを食い止めたのは他でもないハドラーでした。敵だったダイたち。しかし戦いも終わり、お互い全力でぶつかり合って来た好敵手を助けるためならばこの尽きていく命を最後まで使おう、というハドラーの献身の心が見えます。

身を挺して大切なものを守ったブロック、そしてハドラー。魔軍司令だったころのハドラーからも獄炎のハドラーからもあまり献身の心は感じられません。もしかしたら、ダイたちとの戦いを通して、自らの命を使って弟子を助けたアバンのその心の偉大さに尊敬の念を抱いていて、そこから献身の心が生まれたのかもしれません。

 

 

愛 ーアルビナス

親衛騎団の紅一点(駒なので厳密には性別はないですが)、女王アルビナス。他の皆よりもハドラーへの思いは強く、ハドラーの命を助けるために単独行動も辞さない考えを持っています。

彼女が受け継いだのは愛の心。

愛?なんですかね?アルビナスが愛の戦士であることは間違いないと思いますが、ハドラーに愛の心があるとはあまり……。しかし色々調べてみたのですが、一応オフィシャルファンブックでは愛を受け継いだということになっているらしいので、愛としておきます。

慈愛の心なども彼からは特には感じられませんが、あえて言うなら親衛騎団に接するその態度は親のようなものではあったなと思います。親子愛みたいなものでしょうか。そのような場面を他で描写するタイミングがなかっただけで、彼もそういった情愛の心は持っていたのかもしれません。もしあのままハドラーが生きていれば、ヒムと同じように獣王遊撃隊の小さな面々と共に仲良くやれたかもしれませんね。ハドラーと親衛騎団みんなの意思を受け継いだヒムが仲良くやっているのですから。

アルビナスといえば、他にはギラ系を得意としているというのが特徴ですが、こっちの方がハドラーから色濃く受け継いだなぁ感があります。魔軍司令だったころのハドラーといえばベギラゴンですからね。

 

 

こうやって書き出してみると、やっぱりみんなそれぞれハドラーに似ていたんだなぁと思います。本当に親子みたいです。

ハドラーというキャラは一言では表せられず、多角的な面で見ても魅力的だからこそ5人の戦士たちも個性的な面々になったのだと思います。

ハドラーにはこんな面もこんな面もあるんだよ、と語るときに欠かせないのが親衛騎団です。逆に、親衛騎団を見ればハドラーのこともわかります。

切っても切り離せぬ強い絆で結ばれた、アバンの使徒たちの最高の好敵手たちでした。

 

大好きだー!

 

(文・やなぎアキ)

 

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