前回までのあらすじ
禁断の地の水牢に女性が囚われているのを目の当たりにしたモガマルたち。
するとオーディスまでも囚われてしまった!
そこにちょうどよく現れる女王。刹那の歌を歌ってくれ!
前回
第七十話 刹那の歌だぞ!
オーディスがこのままだと永遠にとらわれてしまう!
助けるには女王だけが歌える刹那の歌が必要だってのに、なにがしきたりだ!
そうだそうだ!もっと言ってやれモガマル!
息子を守れないやつが、国を守れるとは思えないね!
おお!モガマルの説得が効いたみたいなな。
歌を歌うことで何が起きてしまうのかはわからないが、とにかく今は王子を助けることが大事だ。
よし、オレたちは何をすればいい?手拍子か!?あ、オレスライムだから手拍子とかできないんだったわ。
お、歌い始めたぞ。これが王家に伝わる刹那の歌ってやつか。
時を溶かすか、なるほどそういうことか。
この時の止まった永遠の水に、いや水なんだから流れろよと、時が流れるのは誰にも止められないんだからお前も流れろよと、そういう感じの歌なんだな。
これ、今聞いたのをオレたちが覚えれば王家に伝わってきたという前提が崩れちゃうな。
よし、いっちょ歌ってみるか。
えーと、凍ったときが、解けて、移ろいで、えーと……いやさすがに覚えられないな……。安心しな女王、やっぱり歌えるのは女王だけだぜ。
おお、歌い終わったみたいだな!案外短い歌だったぜ。
って、うおおおおお!!
すごい、水牢が!どういう仕掛けなんだ!!
びくともしなさそうだった水が、ただの水になっちまったみたいだ。
二人ともーー!大丈夫かーーー!!
水の中にいたみたいだし、息止まったりしていないだろうなおい!
さすがモガマル、迅速な意識確認!オレじゃなきゃ見逃しちゃうぜ。
大丈夫かオーディス!しっかり息をするんだ!
お前なー!これに懲りたら不用意に得体のしれないものに近づくんじゃないぞ?わかったか?オレたちめちゃくちゃ焦ったし、女王が来てくれたからよかったものの、あのままだったら危なかったぞきっと。
うおー!知らない人!って、ああ、元々囚われていた女性か。この人もしっかり意識があるみたいだな。どれだけ長い時間囚われていたかわからないが、すぐ意識が戻るものなんだな。
どうもスラッピです。こっちは冒険王のモガマル。
おうそうだぞ。話をするだけで怒っていた女王が、お前を助けるために禁忌を破って歌を歌ってくれたんだ。やっぱり親子なんだなぁ。
ほら女王も、せっかく息子が助かったんだからかけよって抱きしめるなりすればいいのに。素直になれないんだからなぁもう。
いかん!さすがに長いこと囚われていたからか、こっちのお嬢さんは体調が悪そうだ!
いやオーディス待てい!お前は女性に駆け寄る前に一回お母さんにお礼を言いなさい!この女性のことはオレたちにまかせて、お前はちゃんと「お母さん、僕のために掟を破って歌を歌ってくれてありがとう」って言え!そういうのちゃんと言わないとダメだぞ。
おい聞いてんのかお前!
ええええええええ!?!?
まてまてまて、お礼とか一旦いいわ!何?滅びる?どういうことなんだお嬢さん!
次回予告
オーディス王子と謎の女性を水牢から助け出したモガマルたち。
しかしそれは、封印していたやつが目覚めるということだった!
次回、「封印の真相だぞ!」!
モガいてばかりじゃ、大陸制覇できないぜ!
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