ドラクエのキャラクターについて、いくつかの観点から読み解いていく!
筆者の超個人的主観によるキャラクター辞典!
第五十三回目はキーファ!
※全て筆者の主観であり、筆者のプレイスタイルによるものであることをご了承ください。
見た目
ブロンドヘアを無造作に伸ばしたライオンのような髪型に、赤い衣服が特徴的な王子様。服の袖が膨らんでいたり、スカートっぽい形状をしていたりと、確かに王子様の着る服っぽい。背中に立派な剣を背負っているが、初期装備はなし(リメイク版はひのきのぼう)。何なんだその背中の剣は。
かっこよさのステータスは男性陣の中ではトップらしいが、別にイケメンという設定ではないらしい。まぁアゴでかいしな。
ドラクエ7はキャラクターデザインが他作品に比べるとかなり異質。特にオリジナル版はパッケージのイラストでも説明書のイラストでも、およそ善人の面ではない。だからといってリメイク版では善人の面かと言われるとそんなこともない。むしろパッケージの顔はワルだくみをしているように見える。
どういう意図があってこういうキャラデザなのだろうか。
ところでこいつは割と早い段階で永久離脱するため、グラフィックを見られる時間が他のキャラより少ない。周回プレイのたびに、「キーファだ~、なんか新鮮~」と思っている。
性格
自信家で好奇心旺盛、興味のあることにはとことん突っ走っていく、まさに熱血漢であり、太陽のようにまぶしい。が、王子ゆえの身勝手な部分もあり、わがままと思われることも。ただし幼馴染で親友でもある主人公や、妹のリーサに対しては優しく思いやりのある部分も見せている。自分にも他人にも真っすぐな人柄だ。
また、王子としての教育を受けているからか、それとも幼馴染3人の中では年長者だからか、見知らぬ他人や年長者に対しての礼儀はきちんとしている。3人+ガボの中では、恐らく主人公が一番の常識人だと思うが、いかんせん喋らないためキーファが常識人枠を担っている。
エンゴウの踊り子や、ギュイオンヌ修道院のシスターたちにはドギマギしたりと、女性は好きだけど免疫はあまりない様子。
王子として敷かれたレールに従うことには反発しており、何か運命に導かれているような主人公に対して羨ましいという感情を持っている。また、自分にしかできない何か、自分がやりたい何かを常に求めているようにも見える。
と、こう書くとけっこういいやつに見えるし、実際悪いやつではない。エスタード島の住民にもなんだかんだ好かれている。でもなぁ……。
ストーリー
グランエスタードの王子キーファは、ことあるごとに城を抜け出し、父バーンズのことを困らせていた。世界にはエスタード島しかない。そんなつまらないことを信じたくない彼は、親友と一緒に島のあちこちを調査しては、この溢れ出る好奇心を満たしてくれる何かが出てこないかと期待を膨らませ続けていた。
父が頭を抱えるほどに自由奔放に島を走り回る日々。
そんなある日、島にある謎の遺跡の扉が開かれる。
ようやく自身の好奇心を満たしてくれる何かが見つかる予感がした。きっとそれはとてつもないものだ。王子なんていうつまらない肩書なんかとは比べものにならないほど。
彼は、親友たちと共にその未知の渦に飛び込む。
この先できっと何かを見つけられる。
今の生活をひっくり返してくれるような何かが。それをきっと手にしてみせる。
しかしそれをするということは、今ある大事なものを手放すことになる。だが彼はまだそのことを知らない。今はただ、目の前の初めての冒険に胸を膨らませるばかりである。
性能
典型的なパワーファイター。HPと力の伸びが良く、序盤はかなり頼りになるだろう。さらにレベル5というかなり早い段階でかえん斬りを覚えてくれるため、とにかくこれを使わせてガンガン敵を倒してもらうのが良い。
一応レベル20まで覚える特技があり、最終的にはしんくう斬りを覚えてくれるが、覚えさせたことがない。というかレベル15で覚えるゾンビ斬りですら覚えたことがあるかどうかというライン。
とにかく前衛キャラとして申し分ない実力を持っているのだが、いかんせん永久離脱をしてしまうのだから困ったものである。しかもけっこう早い段階で、いや遅くても困るが。彼が抜けた後が、あのダーマ神殿イベントなので、精神的ダメージはでかい。相当でかい。
力の伸びが良く、物理攻撃くらいしかやることがないため力の種を注ぎ込みたくなるが、それはやめておこう。与えた種は帰ってこない。
ちなみに、ダーマ神殿システムがあるため本作は誰でもMPを使う機会があるのだが、彼は早期に離脱するためMPは全く成長しない。ガボですらMPがあるので、ここで違和感を覚える人はいるかもしれない。だとしても永久離脱するとは思わないじゃん。
その他の活躍
キャラバンハートの主人公として抜擢されている。外伝作品の主人公への抜擢はなかなかの快挙だと思うのだが、いかんせんシステムが独特なことと対応ハードがアドバンスなこともあってか、あまり話題にあがることはない(主観)。テリーのようにはいかなかったか……。
漫画版では主人公よりも主人公主人公しており、けっこうキーファへの印象が変わる。未読の方はぜひどうぞ。
小説版でもわりといい扱いになっている。
そのため、実は私自身はキーファへの心証はそこまで悪くない。キーファに種使ったことないし。
総評
永久離脱するキャラといえば、過去には5のヘンリーがいたが、キーファの場合はパッケージに堂々と描かれているいかにもメインキャラである。それがけっこう罪深いなと感じる。
彼のことは嫌いではないのだが、離脱後のエスタード城での諸々の後処理イベントがいつ見ても辛く、その点は「お前が自分で全部説明しろ!」とは思っている。ネタとしての嫌われも当然あると思うが、種の使い損と、それ以上にこの後処理の辛さが彼の嫌われの原因だと思う。
でもああいう理不尽な別れがあるからこそ、グランエスタードの人たちの時間経過に深みが増すんだよねぇ。王様がちょっとずつ立ち直っていくところとか。
(文・やなぎアキ)
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