前回までのあらすじ
クレイモランを凍らせた犯人である魔女は、なんとシャール王女に化けている!?
魔女の策略にはまり聖獣を倒してしまったモガマルたち。
とにかくクレイモランに戻るのだ!
前回
第三十話 魔女が正体を現すぞ!
くそ~、あの魔女め!
オレたちをまんまと騙しやがって!
ええい、聖獣なんてもう知らん!急ぎあいつの正体を暴くぞ!
こ、この野郎~~~!!こいつが本当は魔女だなんて!
でもやっぱり改めて見ても、この極寒の地に袖なしの服なんておかしいんだよ。最初から分かっても良かったはずなのに!
しかし芝居がうまいな!いかにも心配しているか弱い女性です、みたいな顔をしやがって……。これは騙されても仕方ない。それに、オレの嗅覚は魔物には反応するが、魔女は魔物とはまた別の存在だからな、多分。だから気づかなかったんだ。
ほらベロニカ!さっさと正体を暴いちゃえよ!この町に着いてからやたら威勢がよかったから、その役目をお前に譲ってやるんだぞ!そうじゃなきゃモガマルに言ってもらうところだったんだが、ここは鼻を持たせてやらぁ!
いやほら、こっちが何も言わないから変な間が生まれちゃってるじゃん。いいって、この沈黙。なんかわからないけどこの町に来てから沈黙が多いって。ほら、さっさとなんか言ってやってくれ。このままだと喋っているのがオレだけになっちゃって、すごく調子乗ってるやつみたいになってるから。
ようやく言ったーーー!!思いのほか静かに言ったーー!!
モガマルだったらもっと大々的に言うのにーー!
ほら、あまりにも静かに言うもんだからまた変な間が生まれちゃってるよ!
こういうときは、お前が魔女なんだろー!って一気に追い込んじゃえばいいんだよ。やっぱりモガマルに任せておけばよかったな。
そうそう!そういう風にバシッというんだよ。物事には尺ってものがあるんだからさ、ほぼ確定なものについて探りを入れるようなことなんてするだけ無駄無駄。
ほら、シャール!観念しろい!
いやあっさり~!!
すごいあっさり認める!わざわざこの国のトップに化けて、聖獣を倒すように仕向けたりまでしたのに、認める時はあっさりと認めるものだなぁ。
いいぞモガマル。この勢いだよ。わかるかベロニカ。これくらいの勢いを出していくことが大事だ。
どうもみんな大人しいからなぁ。というか、シルビアとかカミュとかマルティナとかどうしてるの?最近全然姿を見ないけど。ちゃんと後ろついてきてる?
うわ!!誰!?
魔女!?いきなり正体表すじゃん!
うわぁ~~~。シャール王女よりもちゃんと着込んでない?袖あるし。発熱する素材でできてそう。
な、なるほど……。オレたちが聖獣を倒してしまったことにより、魔女の力が解放されてしまったのか。ということは、全盛期の力がない状態でこの国をすべて凍らせたってことか!?こ、こいつぁとんでもない力の持ち主のようだな。
気を引き締めていくぞ、モガマル!
なにおう!
そんな風なセリフを言っていいのは大魔王ゾーマだけだ!ゾーマみたいなセリフを言ったところで、お前がゾーマ並の力を持てるわけじゃないだろう!
その台詞そっくり返すぜ!モガマルの腕の中で息絶えろ!
うわめちゃくちゃ綺麗だな!!
今までの敵と段違いで綺麗だぞ!?
優遇されすぎじゃないか???え?
だ、だが惑わされないぞ!行くんだモガマル!倒せ!
次回予告
無事魔女リーズレットを倒したモガマルたち。
町は救われたが、肝心の勇者は一体どこに?
次回、「町の氷が溶けていくぞ!」!
モガいてばかりじゃ、真の勇者になれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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