前回までのあらすじ
魔女が飼っているという魔獣を倒したモガマルたちは、魔女の研修をしているエッケハルトと出会う。
魔女の力を封じるには聖獣の力が必要なのだが……。
もしかして先に倒したあの魔獣って……?
前回
第二十九話 シャールの正体だぞ!
なんだ?急にエッケハルトのおっさんが怒鳴ってきたけど。もしかしてさっきのあの目つきの悪い魔獣、あれが……?
え!?あ、あれが聖獣!?
あんなやばい目つきの獣が!?完全にキマった顔してたけど、あれが魔女を封印するために必要な聖獣だったのか!?
い、いやいやいや、聖獣っていうからには、もっと美しくて神々しい何かだと思うだろ!なんだあの見た目!デザイン設計間違っているだろうが!完全に罠だろ!
そ、そうだそうだ!シャール王女が魔獣だって言ってたんだぞ!だからオレたちは何の疑いもせず倒したんだ!いや、何の疑いもって言われたら、ちょっとあれかもしれないけど。でもあの見た目なら魔獣だと思うだろ!聖なるものだとは思わないだろ!
王族を疑えってのか!
そうだよ!だからオレたちゃ悪くない!
シャール王女が悪い!王族に伝わっているそれが間違っていたか、おっさんの研究が間違っているかのどっちかだ!そういうわけでオレたちは一切の責任を負わないぞ!
……え?シャール王女、氷漬け……?他の人たちと同じように、凍っているってことか?
ま、待てよ。オレたちたしかに会ったぜ、この極寒の雪国に似つかわしくない袖なしの服を着ていたシャール王女に。
おいおいおい。待ってくれよ。もしかしてホラーか?ホラーな展開なのか?
オレホラーは苦手なんだよ。
でもついこの間公開されたAI人形のホラー映画「MEGAN」はそこまで怖くなかったから見れたんだよ。何の話をしているんだオレは。
な、なんだベロニカ!な、何かに気づいたのか!?一体なんだ!?教えてくれ!このままだと怖くてどうにかなってしまいそうだ!
だからなんなんだよ!もったいぶらずに教えてくれよ!
オレたちが見たあのシャール王女は一体何だったんだ!?
ま、魔女が!?シャール王女に!?オレたちがあったのは魔女だったのか!真の敵は、目の前にいたのか!
そ、そうか、だから皆が凍っているのになぜか一人だけ無事で、しかも袖なしの服を着ていたんだな……。くそ!ちゃんと違和感はあったのに!
そういうわけか!人のいい、いやモモンガのいいモガマルなら、魔獣を倒せと言われれば倒すだろうと思われたわけだ。だがその魔獣こそ、魔女にとってのウィークポイントである聖獣だったと!
くそー!モガマルは天下無敵の強さを誇るけど、唯一の弱点がこのモモンガの良さなんだ!人を疑うってことを知らねぇ!オレがもっと自慢の嗅覚を働かせていれば見破れたかもしれないのに。この極寒の地だとどうも鼻がにぶって……。
よし!急いで戻ろう!
聖獣はいなくなったけど、きっとまだ魔女を倒す方法があるはずだ!
次回予告
シャール王女の正体は魔女リーズレット!?
真相を確かめるべく急いでクレイモランに戻るモガマルたち。
そこにはシャール王女が待ち構えていた!
次回、「魔女が正体を現すぞ!」!
モガいてばかりじゃ、真の勇者にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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