ドラクエ3はパーティーのカスタマイズができる。
勇者は必ず入れなければいけないが、他のメンバーの職業は何にしてもいいし、なんなら人数を変えてもいい。
遊び人ばっかりにしてもいいし、勇者一人旅をすることもできる。
プレイするたびに新しい冒険を楽しめるのがドラクエ3だ。
それなのに。
それなのにそれなのに。
私はいつも同じパーティーで旅をしている。
ちなみにSFC版ドラクエ3。
保守的。保守的である。
思えばドラクエ5もいつも同じようなメンツで旅をしている。
そんな私がドラクエ3で多種多様なパーティーを楽しんでいるわけがない。
いつもと同じ、いつもと同じである。
そう、
勇者
武闘家
僧侶
魔法使い
だ。
なんなら性別も固定している。
勇者（男）
武闘家（男）
僧侶（女）
魔法使い（女）
である。
SFC版は盗賊が優秀である。なので盗賊を入れてみたこともあった。だが結局ここに戻ってくる。せっかく一歩踏み出した変化である盗賊。それを切り捨ててまで結局変わり映えのしないメンツで旅をしてしまう。
SFC版なので性格という要素もある。これに関してはさすがに毎回同じというわけでにもいかないが、それも問題ない。なぜなら装備している間は性格が変わるアクセサリー、さらには使うとその性格で固定されるアイテム、本があるからだ。これにより、なんなら性格すら毎回同じようなものにして旅をしている。遊びの要素がまったくない。毎回前に一緒に旅をしたパーティーのコピー。
ドラクエ3には職業システムがあり、レベル20以上であれば勇者以外は違う職業にすることもできる。これにより、キャラクターそのもののカスタマイズ性も生まれる。
が、当然これも毎回同じ転職をさせている。
上であげたパーティーは最終的に、
勇者
賢者（元武闘家）
武闘家（元僧侶）
僧侶（元魔法使い）
になる。
どうやら私は全員が回復呪文を使えないと気が済まないらしい。たしかにドラクエ6でも、控えのメンバーはとりあえず全員僧侶にしてしまう。ドラクエ7だって、全員がベホマを使えないと気が気じゃない。ゼシカの祝福の杖なんて大好物である。
あまりにも安牌なパーティーだ。よほどのことがなければ順当に旅を進められるパーティー。もちろんそれは悪いことではない。
だが、周回プレイするともなれば、多少の遊びがあってもいいとは思う。この安牌なパーティーで何周もするのは、以前の旅をなぞっているだけのようなものだ。
そう考えると、ほとんどのドラクエで周回プレイをしているが、どれもこれもほぼ毎回同じようなパーティー編成、育成をしている。初プレイ時からはさすがに洗練されているが、多くは変わらない。
そしてその変わらなさは、自由度が高いドラクエ3だからこそ顕著だ。
どうしてせっかくパーティーをカスタマイズできるのに毎回同じにしてしまうのか。
要は愛着だ。
私にとってドラクエ3の物語はこの4人なのだ。
パーティー編成を変えて違う旅を楽しむこともできるドラクエ3だが、私の楽しみ方はそこにはない。
気に入ったメンバーで、また最初からあの旅をしたい。そういう思いから毎回同じメンツで旅をしているのだろう。
いわば追憶である。私はかつてこのようにしてドラクエ3をやっていたのだという追憶の旅だ。
だからこれでいい。
ちょっとは遊び人を入れたパーティーにも興味があるが、次にドラクエ3を遊ぶときもきっと同じパーティーにする。同じ仲間と旅をする。
（文・やなぎアキ）
関連記事
