ドラクエ3の世界は二つあります。
勇者の故郷がある上の世界、始まりの地であるアレフガルド。
そして旅の終着地はアレフガルドのラダトームです。
世界に真の平和が訪れ、人々は勇者を称え、アレフガルドに古くから伝わるロトの称号を勇者に与えます。
平和を祝う宴が長く長く催されたことでしょう。
しかし、いつの間にか勇者一行の姿は消え、その後誰も彼らの行方を知る者はいなくなったのです。
勇者は一体どうなったのか?
ゾーマを倒したことにより上の世界への穴は閉じてしまった、それゆえに勇者はずっと故郷に帰れなくなったのではないかという説があります。
ただし堀井雄二さんは、エンディング後に勇者がどうなったかはわからない、あのまま自分の家に帰ったことにしてもいいと発言しています。
しかし、帰ったんだぁ!と大手を振って思えもしないです。実際、どのように考えてもいいとのことなので、私的には上の世界には帰っていないのではないか、そしてそのままアレフガルドに勇者の血筋は生き続けたのではないかと思います。
勇者とは、ヒーローとは孤独なものなのです……。
が、ここで一つ思います。
連れてこられた仲間たちも下の世界に残されちゃったんだぁ!!
勇者は別にいいんですよ。ヒーローは孤独なので。そもそもドラクエの主人公ってどっかこっか不幸なので、故郷に二度と帰れなくなりましたっていうのはむしろ大歓迎なんですよ(個人的感想)。大魔王を倒し世界を闇から救ったとんでもない勇者が、その後おうちに帰って家族と仲良く暮らしましたなんて結末より、人知れずどこかで寂しく暮らしている方がたぎるじゃないですか(個人的感想)。
こんな記事書いておいてなんですけど。
しかしその孤独な生活を送っていてほしいのは、あくまでも勇者に対してのみであって、別に仲間たちまでそうであってほしいとは私は思わんのですよ!
勇者はあのオルテガの息子であり、生まれながらの勇者であり、選ばれし人間なのです。
しかし仲間たちはあくまでもルイーダの酒場で雇われた一般人!別にダーマ神殿で別の職業になろうが咎められることもないただただ一般人!
そんな彼らが!
上に帰れなくなるのは!
かわいそう!
悟りを開いた賢者であればまだ現実を受け入れられたかもしれないが、そうではない仲間たちが、急に「はいもう帰れないですよ~」となるのはあまりにも辛いです!
「世界平和にしてくれてありがとう、もう帰れないですよ~」ですよ!?
「は?」って感じしません?
なんで世界平和にした代償が、故郷に帰れないことになるんですか!?
そんなことを思ってしまうので、堀井雄二さんの言う通り「故郷に帰ったことにする」というのは勇者に対してではなく仲間たちに対してのみ適用させたいと思ってしまいます。
ほら、勇者がいれば血筋は途絶えないですし、ヒーローは孤独なものですから。
(文・やなぎアキ)
関連記事