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【ダイの大冒険】ダイ大第九十六話感想!いつだって「今」なんだ。「今」を輝くんだ。

ダイ大が終わってしまう、とすでに寂しさがあふれている筆者です。

ダイ大で得ていた充足感は何にも代えがたい。

それを気づかせてくれたのが奇しくも、東映への不正アクセスにより一か月以上放送が中止されたあの事件でしたね。

 

 

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各話感想

アニメ『ダイの大冒険』各話感想 1話~50話 - DQフリ ドラクエファンサイト

 

さて、絶望の淵に落とされた彼らはどうなるのか!?「閃光のように」行きましょう!

 

神の座をめぐる賭け

黒の核を六つ、地上に落としたバーンは勝利を確信します。

ダイは地に伏し動けず、ポップも絶望の涙を流すばかり。

するとそこに声が……。

 

こ、この声は……フリーザ!?!?!?!?じゃなくて、中尾隆聖さん!?!?いや、「じゃなくて」ではないんですけど、別に。

しかしその声の主はフリーザではありません(当然だ)。バーンはすぐに誰だかわかります。

 

それは、冥竜王ヴェルザー。かつてバーンと魔界を二分していた伝説の竜です!こ、こんなところで出番があるなんて!?

たしかアバン先生がハドラーと戦っていた裏で、竜の騎士バランが命からがら倒したというとんでもない力を持った竜ですよね!?でも生きていたんですね!?

そしてバーンと普通に知り合いなんですね!?

空中から顔だけ見せてきたヴェルザー。バランとの戦いで傷を負い、その命を天界の精霊たちが封じ込めたせいで、どうやら魔界から動けないようなのです。情報量が多いな……。そういえばこの世界って、人間界と魔界と天界があるんでしたっけ……。そう考えると、天界ってけっこう我関せずなんですかね。魔界と人間界でこんな戦いが起きているというのに。

 

ヴェルザーが派手に戦って散っていっていた裏で、バーンは静かに地上消滅計画を進めていたのでした。ヴェルザーも当然それを把握しており、彼自身も地上を手に入れたいと思っていたのでした。

そしてここで(個人的に)衝撃の事実が明かされます!

キルバーンをバーンの元に送り込んでいたのは、なんとヴェルザーだったのです!!ええ~~~~!!!!キルバーンの本当の主ってヴェルザーだったのかーーー!!!

だからキルバーンはバーンを殺す者だったのですね。地上が欲しいヴェルザーが、その目的の邪魔となるバーンを消したがるのは至極当然!それならば自分の部下をバーンの元へ置き逐一状況を把握して、あわよくば寝首をかこうと!

しかしヴェルザー自身はバランに敗れ、キルバーンもアバン先生の手によって死にました。

 

バーンはヴェルザーに勝ち誇ります。

この賭け、余の勝ちだな、と。

 

は?賭け?

と私が思っていると、ポップもどうやら同じ気持ちだったようです。

賭けって何?こいつら、こっちが命張って地上を守ろうとしているっているのに、この戦いのことを賭けって言っているの?

ポップが「賭けだって?」と聞くと、バーンは悪びれもなく「そうだ」と答えます。

 

バーンとヴェルザーは、魔界を冷遇し地上の人間に平穏を与えた神々を憎んでいました。それならばと、どちらかが神になることを決めたのです。

こうして魔界最強の二人は対立するのをやめ、自身の作戦を進め成功した方に付き従うという賭けをすることになったのです。それが決まったのはもう何百年も前の話。

ヴェルザーは身動きが取れず、キルバーンも敗れ、さらに今まさに太陽まで手に入れようとしているバーン。さすがにヴェルザーも敗北を認めたようです。

ううううむ。太陽の光も届かず、劣悪な環境にある魔界。そんな境遇を憎み、地上を滅ぼして太陽をその手中におさめんとするバーンの気持ちはまったくわからないでもありません。もちろん、力にものを言わせ、罪なき人々を蹂躙するその姿は絶対に許せたものではありませんが、それをする目的は一応筋が通っているんですよね。仮に私が魔界の住人で、地上は太陽の光にあふれ平穏であるとするならば、やっぱりそれを享受している人間たちを少なからず憎むと思うんですよ。そしてバーンのようにそれを掌握する力があるのであれば、行動を起こすかもしれません。結局は、私たちが人間だからバーンのやっていることが許せないわけで、そうでなければどちらに肩入れするかなんてわからないものなんですよね。

バーンが以前、神々が力によって人間に太陽を与えたのが正義であるならば、それをまた力によって奪うこともまた正義であると言っていましたが、ぐうの音も出ませんね。

でも私はやっぱり人間なので、バーンのしていることを反対せねばなりません。

 

ヴェルザーは自身の負けを認めます。

バーンは地上をなくしたあと、天界にいってヴェルザーの封印を解いても良いと言います。するとヴェルザー、ぐにゃ~となります。さすがにそれはプライドが許さなかった様子。

 

そんな会話を聞き、ポップは完全に自身が蚊帳の外であることを感じてしまいます。

神になるとか、不死身だとか、天界がどうとか。大魔道士としてどれだけ強くなったとしても、自身が結局ちっぽけな人間であるという事実は変わりません。自分たちが身を置いてきた世界、対峙してきた敵がこんなにも強大であると知り、改めて震えてしまったのです。神を前に、人間ができることなんてないのです。クトゥルフ神話TRPGをたまにやるので、その気持ちよくわかります。

 

地上の人々の戦い

ヴェルザーは、ダイよりバランの方がすごかったけどね~!と負け惜しみを言って消えていきます。ダサい。そりゃバーンが勝ちますわ。

ヴェルザーの負け宣言により、バーンご満悦です。完全勝利宣言までします。顔が良すぎる。

 

さすがにこれで人間の負けだとは思いませんし、ここから巻き返しがあるんだろうとは思うのですが、一旦言わせてください。

 

すっげぇ~~~~~!!!

完全勝利じゃん!!!

ここまでの完璧なおぜん立て!勇者ダイの戦意を喪失させ、地上に黒の核をぶち込み、その他の戦士はもう動けない状態!こんなにも「勝ち」を体現したラスボスがいたのか!個人的にはプッチ神父以来の衝撃ですよ!すごすぎる大魔王バーン!いやバーン様!この圧倒的強者感!己の信念を貫く姿勢!魔界、絶対バーン様ファンクラブあるでしょ!いやないか!バーン様の真の姿を知っている者はそう多くないだろうからないか!ならば作るか!すごすぎますよ、バーン様!

 

さて、完全に人間の敗北かと思われたその時、ポップに地上から声が届きます。

その声の主は、さきほど目覚めたばかりのメルル!

そう、黒の核が打ち込まれ、その場にいたフローラやノヴァは死んでしまったかのように見えましたが、間一髪メルルが目を覚まし危機を察知したことで難を逃れていたのでした!さすがメルル!高性能レーダーを搭載した女!

諦めてはダメだと呼びかけるメルル。

彼女は意識を失っている間、ポップの意識を感じ取っていました。ポップが見たこと全てを彼女も見ていました。そして、ポップが最大限に恐怖したとき、彼女はそれに共鳴し目覚めたのです。ポップへの愛のなせるわざですね……。マァムのことが好きだと本人から言われてもなお、その愛は薄れることはありませんでした。愛する人のため、その能力を開花させたメルル。絶望的な状況にあることはメルルにもわかっています、それでも諦めないでと呼びかけます。

 

けれど、実際にバーンを目の前にしているポップはやはり立ち上がれません。だって、もう黒の核を止める手はないのですから……。どうにかする、その方法がもうないのですから。

 

しかし!メルルは言う!方法はある!と!

すでに近くにあるコアにロン・ベルクとノヴァが向かっている、と!

 

バーンは急ぎコアの様子を映し出します。そこには、ノヴァがヒャドでコアを氷漬けにしている姿が!コアは機械仕掛けの爆弾、作動しなければ爆発しない。そこに気づいたロン・ベルクがノヴァにヒャドを使わせたのです!他の呪文と違い、ヒャドであればコアを刺激せず、作動を止めることができる!

史上最凶最悪の爆弾が、まさかヒャドで止められるなんて?!??そ、そんな盲点があったのですね!?うわー、じゃあハドラーの中のコアもなんとかできたんですかね。でもバランもダイもヒャド系は使えないのかな……。それとも、経験豊富なロン・ベルクだからこそ思いつけたってことなのでしょうか。

でも何はともあれ、黒の核を止める方法はわかりました!こうして全てのコアを凍らせれば爆発は防げます!

 

が、バーンはロン・ベルクに対し、悪あがきだとあざ笑います。すでに全てのコアは作動し始めています。一つを止めたところで他のコアが爆発すれば、残ったコアが誘爆してしまいます。そもそも一つだけでも十分地上は壊滅するでしょうからね。

そう、六つ全てを凍らせなければ結局爆発は止められないのです!

バーンはロン・ベルクを爆発の影響のないバーンパレスに招待しようとします。なんだかんだ一時は召し抱えていた優秀な鍛冶屋。失うのは惜しいと考えたのでしょう。

 

しかぁし!ロン・ベルクは断る!

バーンの元にいたときは確かに最も恵まれていた。けれどそれは、一番退屈で一番腐っていった日々でもあったと。

それに比べてダイたちと出会ってからの日々は、本当に充実した輝きを放っていたと。何百年も生きているロン・ベルクにとって、ダイたちとのこの数週間など、あとになってみれば本当に一瞬のことでしょう。それでも、その一瞬がそれまでの何百年に匹敵するほどの、それ以上の価値があるというのです。この一瞬の輝きは、何にも代えがたいのです。

そんなロン・ベルクだからこそ、人間たちと、ノヴァと運命を共にすると、そう決めました。

 

それを聞き、あの男がとうとう立ち上がります。

そうだ、ポップだ!

立ち上がるのは、いつだってポップだ!!

 

そして自分もコアを止めるため、ルーラを使う!

そうだ!やれることがまだあるなら、絶対に諦めない!それがポップだ!

たとえダイが放心状態で倒れたままだとしても、ポップだけは絶対に諦めちゃいけない!そうやってあがくのもまた、人間だからだ!

 

が!!

 

結界に阻まれる!!

 

うそだろ~~~!!!??

ピラァ・オブ・バーンを落としたことにより、ミナカトールが破られてしまっていたのです。そのため、バーンパレスには再びバーンによって結界が張られてしまいました。

頭から血を流すポップ。ど、どうにもならないのか!?

 

まぶしい命

ヒャドでコアが止まることがわかったフローラたちは、他のコアも止めようと急ぎます。

ノヴァはルーラでリンガイヤへ向かいました。ロモスの武術大会に参加していた魔法使い(名前わからない……※追記:フォブスターと教えていただきました!)は、他の戦士も連れて、ロモスへルーラで向かいます。魔法使いはヒャドでコアを止めるために、戦士たちは他の場所へ向かえるルーラの使い手がいないか探しに行くために。

そう、ルーラは一度行ったことがある場所にしか行けない呪文。パプニカとバルジの島、オーザムへ行ったことがあるルーラの使い手が今この場にいません。なんとか行ける者を探そうとしているのです。しかもヒャドも使えなければいけません。てか、エイミさん、ルーラ使えないんですね……。ルーラってかなりの高等呪文なのでしょうか。

 

ここにきて地上の人々が世界を救うために奔走する姿を見ることになるとは思いませんでした。つくづくダイ大は、ダイたち主人公格だけが戦っているわけではないのだということがわかります。色んな人たちがいて、みんながそれぞれ世界に平和を取り戻そうと全力を尽くしている。やっぱりこういう姿を見ると、なんとしてもバーンを倒さなくてはならないという気持ちになります。

なぁダイ!みんなは頑張ってるよ!ダイに比べたら弱っちいみんなが、その一瞬の命を散らして、走り回っているよ!だから立ち上がってくれよ!

 

まだまだ余裕のバーン。あと数分でコアは爆発します。

それでもポップは立ち上がる。

バーンはとうとう、ポップの名を呼びます。ポップは、ポップはなぁ!まさしく人間代表って感じで、感情的に騒ぐし臆したりもするしマァムにいっつも怒られてばかりだけどなぁ!ひょっとしたらダイよりも敵に一目置かれていたかもしれないんだぞ!ハドラーだってポップの底力にすぐ気づいた!キルバーンだってポップを危険視していた!バランがその血を分けてまで生き返らせたいと思った!そのポップの潜在能力をなぁ!なめるんじゃあないよ大魔王バーン!

諦めが悪いポップにいら立ちを隠せないバーン!ポップの恐ろしさを知れ!

 

地上でも皆、諦めずに奔走しています。

しかしロモスにも他の地へ飛べるものはいません……!ノヴァはもう一つコアを封印しましたが、これ以上ルーラで飛んでいける場所がありません。でも北の勇者は諦めない!たとえ飛べなくても、歩いて、這って、次の場所に向かう。諦めないことで、皆を鼓舞し、戦いを勝利に導く。それが勇者だから。ノヴァも勇者だから。

だからダイ、お前が、お前がその姿を見せてくれよ、なぁ!

 

バーンは諦めないポップに、少しはダイを見習えと言い放ちます。

ポップは静かに考えます。

 

ダイは何年生きられるのだろう。竜の騎士と人間の子である彼は、人間と同じ寿命なのかもっと長生きするのか。

バーンは何年生きるのか、それとも死なないのか。

それに比べたら、自分たち人間の一生は一瞬の花火のようなもの。

 

そしてポップは幼少の頃の出来事を思い出します。

ある夜、死について考えたポップ。死んだらどうなるのか、どこに行くのか。子どもの頃、多くの人が考えることでしょう。死んだらどうなってしまうのか、それを考えて恐ろしくなり、死ぬのが怖くなる、そんな経験がある人は多いでしょう。ポップも例外ではありません。両親に、どうして人は死ぬのか、どうしてずっと生きていられないのかと泣きつくポップ。

すると、ポップの母はこう言ったのです。

人間は誰でもいつかは死ぬ。だから、だから、みんな一生懸命生きるのよ。

その言葉は、ようやくダイの耳に届いたようです。

 

ポップは続けます。

バーンみたいな雲の上の人たちに比べたら、自分たち人間の一生など一瞬だろう。だからこそ、結果が見えていてももがきぬく、一生懸命生き抜く、残りの人生が50年でも5分でも同じだ、と。

 

 

一瞬、だけど閃光のように、まぶしく燃えて生き抜いてやる。

それが俺たち、人間の生き方だ!

 

 

クロコダインも、バランも、ハドラーも。

人間ではない彼らは、力も、与えられた時間も、圧倒的に勝っています。だからこそ最初は人間を侮り、自らの方が上であると信じていました。

だけどみんなポップの、いえ人間の、命そのものを燃やしてまでもがき最善を尽くそうとする姿に心を打たれ改心していきました。

自分たちにはできないその、ある意味生きることに執着した、執着しているのに時には命すらも投げ打つ、その眩しい光に感情が揺れ動き、己の生き方を改めたのです。

バーンは人間を弱いと思っている。たしかにそれは事実。でも弱いからこそ、何よりも輝ける。輝かなければいけない!それが生だからだ!

 

地上の人々は今まさしく、命を輝かせ走っている!何もできずとも走っている!それしかできなくても、それならできるから!そうやってずっとずっと、生きてきたんだよ!じたばたするしかできないならやることは一つ、じたばたすればいいんだよ!

 

ポップの、人間の、魂の叫び。

それがとうとう呼び覚ます!

勇者の心を!勇者を再び立ち上がらせる!

 

勇者の、いや、ダイの背を押せるのは、やっぱりポップだけだから!ダイの一番の親友は、ポップだから!ダイが放つ最後の一撃を作るのは、ポップしかいない。

口に出さずとも、二人の心は通じ合う

 

さぁ!!ファイナルラウンドだ!!!!!

 

 

 

超、泣いた…………。

号泣しながら書いた…………。

もう無理…………。

やっぱり、命って輝くんすよ…………。

ありがとうダイ大。もうここで終わってもいい(ダメ)。

 

 

しかしここから一体どうするんだ!?

と思っていたら、次回予告!!

そうだった!そうだった!すっかり忘れていた!まだいるじゃないですか、未知なる力を秘めたものが!

 

(文・やなぎアキ)

 

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