ドラクエは世界に平和を取り戻すための物語だが、冒険を楽しむという側面ももちろんある。
冒険をする上で大切なのは好奇心だ。この洞窟には何があるんだろう、向こうに見える大陸には何が待っているんだろう。そういう好奇心が、冒険を楽しいものにする。
プレイヤーに好奇心があればそれでいいのだが、時には仲間キャラクターの中に並々ならぬ好奇心を抱くものもいる。
好奇心が高いドラクエキャラを3人ほどパッと挙げてみよう。
アリーナ(ドラクエ4)
彼女は好奇心の塊だ。
自分の力を試したい、外の世界がどうなっているのかを知りたい。その気持ちが爆発して、城の壁を蹴破って無断で旅に出てしまうほどである。
何か面白そうなことがあれば首を突っ込まずにはいられない性格で、従者の二人が逸れに手を焼くのも頷ける。
旅の目的はその後、故郷の人々を助けるためデスピサロを倒す、というものになるが、それでもなお彼女の好奇心は止まらない。何か面白そうなもの、強そうなもの、それを目にするとワクワクが止まらないのは仲間会話を聞いていてもよくわかる。自分よりも強いものと戦いたい、そして自分の強さを証明したい、と探求する彼女の原動力の一つが好奇心と言えるだろう。
バーバラ(ドラクエ6)
彼女もまた好奇心が強い。
ドラクエ6はそれぞれに旅の目的、思惑があり主人公パーティーの仲間になっていくわけだが、彼女だけは「主人公についていったら面白そうだから」という理由で仲間になる。
他に行くあてがないからというのもあるだろうが、仮に主人公たちがもっと武骨なおっさん兵士しかいないパーティーだったら、面白くなさそうなのでついてきてはいないと思う。面白そうだからとりあえず行っとく、それが彼女の行動指針なのかもしれない。
マリベル(ドラクエ7)
ドラクエ7は、初期メンバーである3名の冒険をしたい!という好奇心から始まった物語だと思う。
その3名の中で、主人公はプレイヤー自身だから除外するとして、キーファよりもマリベルの方が好奇心が強そうだと私は思う。キーファも当然強いだろうが、彼の場合はそれだけではなく、城に縛り付けられたくない、王になる以外の自身の道を見つけたいというもっと重たい感情もあったと思う。
だがマリベルにはそれがない。乗ってはいけないと言われてるのにこっそり船に乗り込んだり、仲間外れにされてもなお諦めず2人のあとをつけたり、それは強い好奇心がなせる業だろう。
ウッドパルナにてひどい目にあったはずなのに、それでも2人についていくのは、仲間外れにされたくないという気持ちももちろんあるだろうが、自分だって色々見てみたい!と思う気持ちが強かったんだと思う。
アイラもけっこう好奇心が強めだが、それは先祖譲りだろうか。
なるほどなるほど。
3人とも赤毛の女性キャラだな!!!
わざとではない。3人とりあえず思い浮かべて羅列してみたら、全員赤毛だったのだ。
キャラクターデザインが全て鳥山明氏だから仕方がないのか、イメージを伝えている堀井雄二氏の趣味なのか。
もちろん他にも好奇心が強そうなキャラはいるのだが、こうなってしまったのだ。
元気いっぱい好奇心旺盛キャラといえば赤毛!というイメージになってしまいそうだ。別にいいけど。
ちなみに赤毛の女性キャラは他にゼシカもいるわけだが、彼女は特段好奇心が強いというイメージはない。一人で兄の敵討ちに出たり、強引にパーティーに加わる当たり気の強さはあるが、それと好奇心が強いかは別だろう。
赤毛というだけではなく、女性というのもポイントだ。
男性キャラは比較的落ち着いている人が多いのかもしれない。そうでなくとも、ハッサンやヤンガスなど、好奇心が強いとはちょっと違うタイプのキャラクターだ。5の男の子もいい線言っているとは思うが、上記女性キャラに比べると物足りない。なんとなく元気いっぱいさが物足りない。
他にはガボがそれっぽいような気がする。ガボは結構ドラクエの中ではめずらしいキャラクターなのかもしれない。
そうかそうか、こんな共通点があったのだな。
しかしこういうのは主観によるところが多いので、全員が全員こういう結論になるわけではないだろう。ぜひちょっと考えてみて、そこに共通点がないか探してみて欲しい。こういうのは、端的に言って楽しい。
(文・やなぎアキ)
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