ドラクエあるある、主人公故郷滅ぼされがち。
しかし、中には冒険中いつでも故郷に帰れる作品も当然あります。故郷ではただで休めたりもします。
そして中には、滅ぼされてはいないけど何らかの理由で帰れない作品もあります。
今回は各ナンバリング作品の故郷を見ていきましょう。
故郷に帰れる
ドラクエ2
ドラクエ3
ドラクエ5(※)
ドラクエ6
ドラクエ7
故郷に帰れない
ドラクエ1
ドラクエ4
ドラクエ8
ドラクエ9
ドラクエ10
ドラクエ11(※)
大体半々の割合になりました。
そしてドラクエ5と11には(※)をつけていますが、この2作品は故郷に帰る帰らないがちょっと特殊かなという感じがします。
どちらかといえば5は帰れる、11は帰れないという感じはします。
では帰れる帰れない作品たちをそれぞれ見ましょう。
故郷に帰ることができる作品
ドラクエ2はローレシアを故郷としたとき、別に滅ぼされたりもしていないので帰れないわけではないですが、FC版とSFC版ではルーラの仕様が最後にふっかつのじゅもんを聞いた場所・セーブした場所なので冒険を進めるにつれおいそれとローレシアに帰りづらくなります。こういった仕様はよくできていますね。自身が育った故郷を旅立つことで、なかなか帰れない。ただし冒険を進めるとどこかのタイミングで帰ったりもする。成長した姿を故郷の人々に見せる。これぞ旅って感じがします。
ドラクエ3は「さらば母なるアリアハン」というキャッチコピーのわりにはルーラの「一度訪れた場所に飛べる」仕様によって割と簡単にアリアハンに帰ってこれます。アリアハンに帰れば母親が待ってくれていますし。これはそれまでのドラクエにはないですね。旅に出たとしても、家に帰れば母が温かく迎えてくれる。安心する反面、いつまでたっても親離れできない気もして、どこかでその母の愛を振り切る必要があります。
ドラクエ5は、故郷であるサンタローズが滅ぼされてしまいます。訪れることはできても、幼少のころから変わり果ててしまったその様子では、帰れると言っていいものか……。しかしそもそも彼の場合は故郷が実はサンタローズではありませんので、途中からは帰り放題です。グランバニア万歳!
ドラクエ6も難しいところはありますが、ライフコッドにしろレイドックにしろいつでも帰れますね。しかもライフコッドの人たちはずしおうまる級のモンスターが出てきても村人だけで応戦できるほどの強さを持っています。安心安全の故郷!とはいえ、主人公の心の故郷はもはやない……とも言えるかもしれません……。
ドラクエ7はいつでも帰ってこれるどころか、現代に帰ってきたらとりあえず寄っておくかと思うくらいには歴代作品でも故郷に帰りがちだと思います。どこかのタイミングで帰れなくなるわけでも、ある期間だけ帰れなくなるわけでもない、本当にいつでも帰ることができる安息の地です。また、両親がずっと健在というのもその安息に一役買っていますね。自分たちの住む世界の狭さに嫌気がさして冒険に出た少年少女たちに、常に帰る場所があるというのが、なんというか子供たちの冒険らしさがあります。
故郷に帰ることができない作品
ドラクエ1はそもそも勇者に故郷という概念がありません。彼は一体どこから来たのか、それは謎なのです。彼はむしろ、クリア後に自身の国、故郷となる場所を求めて旅立っていったということでしょう。
ドラクエ4、これこそドラクエの勇者故郷滅ぼされがちの先駆者でしょう。帰る場所をなくしてしまった主人公と言えば彼です。帰る場所をなくしてしまったところから彼の冒険は始まり、また冒険が終わってもやはり彼には迎えてくれる故郷はすでにないわけです。ドラクエあるある、故郷燃やされがちもこの作品があるからでしょう。
ドラクエ8は何を故郷とするか難しいですが、一旦はトロデーン城でしょう。8は旅の出発地点が既に道中という特殊な作品のため、旅の出発点は旅の途中まで訪れることが出来ません。そして帰ってきたとしても、呪われてしまっているため、呪いを解くまでは本当の意味で帰ることができないというのが正しいでしょう。しかし彼の場合は本当の故郷は別にあるので、そこが判明してしまえばいつでも帰れます。ただ本人が故郷だと思っているかは微妙ですね。
ドラクエ9は、天使の国が故郷です。しかし黄金の果実を集めきったときに地上に落ちてしまい。天使の輪も失ってしまったわけです。滅ぼされたわけではありませんが、故郷に帰るすべを失ってしまった主人公は、なんとか帰るために冒険を続けるわけですね。そして最終的には故郷を失ってしまいます。物語の始まりで失うのではなく、最後に失ってしまう、ろくに帰れないまま失ってしまうというのはなんともほろ苦いエンドですね。ある意味ドラクエ4より可哀そうかもしれません。いやそんなこともないか。
ドラクエ10もまた、ドラクエあるあるである故郷滅ぼされがち燃やされがちの道を突っ走ってくれています。挙句自分も死んでしまうというから驚きです。映像が3Dグラフィックになったことにより、ドラクエ4よりもさらに鮮明に故郷が魔物たちに滅ぼされる場面を目の当たりにさせられて絶望感がたまったものではありません。
ドラクエ11はまずオープニングで勇者の生まれ故郷が滅ぼされます。さすが原点回帰です。そして、勇者の第二の故郷であるイシの村は勇者のせいで城の兵士たちに燃やし尽くされます。さすが原点回帰。ということで、帰る場所も待ち人もいなくなってしまいます。
が、冒険を進めるとイシの村に再び訪れることはできるし、しっかりと復興したりします。ので帰れないというのも違うような。しかも冒険を終えれば、勇者はイシの村でのんびり暮らすことになりますし。とはいえ、自分の生まれ故郷は滅ぼされたままです。また、イシの村が兵によって燃やし尽くされた衝撃は計り知れなかったので、こちらに入れています。
こうして故郷に絞ってみて見ると、帰れない組の境遇の悲惨さは相当なものですね。やはり自分の生まれ育った場所がなくなってしまうというのはキャラクターのバックボーンとして重いです。
しかし、帰れる組もそれぞれに事情があったりするので侮れません。
それぞれの作品で故郷をどう扱っているかに焦点を当てて見ると、また面白そうです。
(文・やなぎアキ)
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