ドラクエの主人公というのはあなた自身でもあるが、主人公自身にもまた彼らの人生がある。
ドラクエはThe王道を行く物語。その主人公の血筋もまた、何の変哲もないなんてことはなく、The王道を行く。そう、王道だけに王族が多い。
王族な主人公たち
ドラクエの主人公は勇者としてよりかはむしろ王族として生まれた者の方が多い。主人公が王族の血を引くナンバリング作品は以下。
ドラクエ2
ドラクエ5
ドラクエ6
ドラクエ7
ドラクエ8
ドラクエ11
ドラクエ1の主人公はエンディング後に自分の国を作り、王となるのでドラクエ1も入れてもいいかもしれない。ドラクエ1の勇者が王様になったことにより、ドラクエ2の主人公も必然的に勇者であり王族になった。ロトシリーズは太古の勇者ロトであるドラクエ3の主人公こそ王族ではないが、1主人公からはずっと王族としての血が続いていったことになる。
ドラクエ5では主人公は実はグランバニアの王子であったことが旅の途中に明らかになる。平凡な男の子だと思っていたけど、実は自分もヘンリーと同じ王子だったのだー!ということである。故郷に着いてからはあれよあれよと王様になってしまい王子感はゼロだが。
ちなみに、主人公自身は勇者の子孫ではないため、ドラクエ4の主人公は特に国は建国しなかったのだろう。グランバニアという国がそもそもあり、その王パパスがマーサと結ばれたことによって主人公は特殊な血を受け継ぐことになったので、グランバニア自体は勇者の血筋には関係ないことがわかる。彼はあくまでもただの王族だ。まもの使いをただの、というのはおかしいが。
ドラクエ6もまた、旅の途中で主人公が実はレイドックの王子だったことがわかる。なんでもない平凡な少年だと思っていたのに、実は王子だったのかよ!とドラクエ5同様驚くことになる。ライフコッドという故郷があるため、どうしても騙されてしまう。巧妙に隠している。
こうしてみると、ロトも天空も1作品は王族ではない主人公がいることになる。王族率が高い。
ドラクエ7の主人公は漁師の息子だが、実の親は伝説の海賊であることは有名だ。なので彼のことは単純に海賊の息子であると認識してしまう。
しかしなんと、母親のアニエスはどこかの国の王女だったらしい。その国がどこなのかはわからずじまいだが、もしそれが本当であれば7主人公も王族であることになる。影は薄いが、5から続くまたしても隠れ王族。アニエスの国がわからなさすぎるので、微妙っちゃ微妙だが。
ドラクエ8の主人公はトロデーンの傭兵であり、エンディングによってはトロデーンの王女ミーティアと身分違いの恋をしていることになる。うっかりここで、ようやく隠れ王族から解放されたかと思うとそれは罠。エンディング後に主人公は実はかつてのサザンビークの王子の息子であることが判明する。はい、4連続隠れ王族。本編では明かさずエンディング後にわかるなんて憎い演出だ。サザンビークでのイベントでちょろっとにおわすようなことはあるが、ミーティアとの逃避行エンドがあまりにも美しい身分違いの恋なのでそんなことどうでもよくなるのだ。まさかチャゴスと同じ王子だったとはね。
これでミーティアとの身分違いも、身分平坦になったね!
最後はドラクエ11。彼は物語の冒頭、早々に自分が勇者の生まれ変わりであることを明かされる。これに関しては、そもそも発売前からさんざん今度の主人公は勇者!と宣伝されていたのでわかっている。
しかしそれよりも前に、「こいつ、王子じゃね?」と思わせてくる。そうオープニングだ。意味深に会議をする王たち、そして身分の高そうな女性の腕には赤ん坊。襲われる城、逃げ出す女の子、川を流れる赤ん坊……。これは、主人公、勇者かつ王子じゃん……。
ということで、ドラクエ11の主人公は隠れ王族は隠れ王族でも、プレイヤーがすでに察しているタイプの隠れ王族であった。勇者という存在自体も久しぶりだったが、隠れ王族というのもドラクエ8以来だったため、ちょっと嬉しい隠れ王族だ。
主人公が王子様だなんて、今となってはべたもべたでいいところだが、でもそれがいい。それがドラクエ。これからも選ばれし主人公でいてほしい。
ちなみにドラクエ6の主人公が実は王子だったという展開が一番好き。
(文・やなぎアキ)
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