前回までのあらすじ
ローラ姫をお城まで届けたことが、なぜかガイアスのじじいには気に食わなかった様子。
なぜなのか聞いてみると、もっと話して愛を深めたかったとのこと。なーにを言っているんだかこのじじいは!
前回
第五十七話 こ、こんなところからローラ姫が!
これから虹のしずくを探さなきゃいけないっていうときに、ガイアスのじじいのわがままには困ったもんだな!
姫は城に送り届けるのが当たり前だろうが!
な、泣き出すし。
洞窟でも話したから十分じゃねーか!さっさと虹のしずくを見つけて竜魚を倒さないといけないんだよ!まったく。
ほら見たことか。モガマルが切れ散らかしているぞ。
メソメソしてないで、そのうちラダトーム城に戻った時にまた本から飛び出して姫を話せばいいじゃないか!
もう姫は城にいてここにはいないんだからさっさと引っ込め!
どええええええ!?
なに?ローラ姫の声!?ローラ姫のお姿!?なにこれ!急に現れた!まぼろし!?
ど、どうやらオレだけに見えているまぼろしではなさそうだ……。これは一体!!
え!それって、心はいつもあなたと共にありますわ、的な、こう、比喩表現なのでは?王女の愛って、そういう?ま、まじでいつも一緒にいるってこと?え、でも今姫はラダトームの玉座にいるんだよね?え、ここにいるローラ姫は何!?
そうか!さっきもらったペンダントから飛び出しているのか!なるほどなるほど、納得。
え!?すごいな!?どのような技術!?魔法!魔法だ!ローラ姫にそんな力があったとは!もしかして、この力のためにさらわれていたのでは!?遠く離れた地にいる人と自由におしゃべりをできるだなんて、いくらでも利用価値はある!
ちなみにオレが持っているこのスマートフォンというのはTV電話ができるぞ。技術の進歩だな。ということをこのアトラクション内で言うのは無粋なのでもうやめておこう。
た、たしかに!じじいとそっくりだ!ペンダントから出てくるじじいと冒険の書から出てくる姫!……あ、逆だ。
も、もしかしてこの二人、お似合い……?
やかましいわ。
なんだかガイアスのじじいが言うとむかつくな。
ぜっっっっっったいじじいとローラ姫は運命の相手ではないぞ。ラダトームに帰ればそこには生身の姫がいるんだからな!
姫と運命なのはモガマルに決まってらい!
次回予告
ペンダントから出てきたローラ姫に浮かれるガイアスのじじい。
もっともっと話をしたいと意気込むじじいだが、ローラ姫、なんだかちょーっと事務的じゃない?
次回、「じじい、さっさと引っ込むといいぞ!」!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
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