前回までのあらすじ
ローラ姫と愛を育みたいとガイアスのじじいがうるさいところに、なんとローラ姫からもらったペンダントからローラ姫本人が!
これに浮かれるじじいだったが、モガマル的には勘弁してほしい展開なのであった。
前回
第五十八話 じじい、さっさと引っ込むといいぞ!
本から飛び出すガイアスのじじいと、ペンダントから飛び出すローラ姫。似ているなぁとは思うが、運命の相手というのはさすがに言いすぎだぞじじい!
身の程をわきまえろ!
物から飛び出す仲間であることは否定しないが、愛は深めるな!せいぜい友達でいろ!いいか、こういう世界でお姫様と結ばれるのは、お姫様を助け出して世界に平和を取り戻す勇者なんだよ!それすなわちモガマル!
ローラ姫、こんなやつの言っていることは無視でけっこうですぞ!
え?あ、なに?無視?あ、いや、無視しろとは言ったけど、本当に無視するとは思わなかった。けっこうドライなんですね、ローラ姫って。
で、モガマルのレベルを上げるのは?なんのレベルだろう。バトル的な意味でのレベルだったら、天下のモガマル、とっくにカンストしているぜ!
え?そうなの?レベルアップにそれなりの経験が必要って、どんなレベルだ本当に。恋かな?恋のレベルかな?そうかもしれない。ローラ姫に愛と称したペンダントをもらった時もモガマルはけっこう淡白な反応だったもんな。淡白でわんぱくなんだ、モガマルってやつは。
でもなんでいきなりそんなことを言いだしたのローラ姫。虹のしずくはどこかなって話をしているときにタイミングよく現れたから、そういう情報をくれるんだとてっきり思ったんだけど。なんらかのレベルが上がるにはそれなりの経験が必要、しか教えてくれないのか?もしや。
あ、はい。てか、愛とかいうものだからてっきりモガマルのこと好きなんだと思っていたんだけど、「皆様を」って言ってるなこの姫。あれ、愛ってもしかして博愛的なあれですか?もしそうだとしたらモガマル本人でもないのに一匹で盛り上がっちゃったオレハズカシー!
て、本当にそれだけを言いに出てきたの?
わ!消えたし!虹のしずくについて教えてくれるわけではなかったのか!なんだよ!
そしてじじい、うるさいぞ!「それだけ?」については同意だ!というか、レベルを上げるのは云々からはもはやシステムチックな語り口だったな!
ああ、モガマルが怒っている……。たしかに、ローラ姫も消えたことだし、早く本に戻ってもらいたい。
おお、モガマルがいつになく真面目で本気だ。モガマルにとってはローラ姫よりもまず世界に平和を取り戻すことが最優先なんだな。さすが勇者。かっこいい。世界を救う勇者っていうのはこうじゃなくちゃな。さすがレベルカンスト男。
はいはいはい、じじいのことは放っておいて、もう遅い時間だしさっさと寝ましょうね~。
虹のしずくが手に入ればりゅうおう討伐までもう少しだぜ!
次回予告
ガイアスがあまりにもうるさいせいで昨夜は大騒ぎだったモガマルたち。
それを宿屋の主人がわけのわからない解釈をしたようだ。まったく。
そんなことより、虹のしずくはどこで手に入るんだ?
次回、「ゆうべはお楽しみしてないぞ!」!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
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