文章をシャッフルして遊んでいると、時がたつのを忘れてしまう。
そこから生み出される奇跡の物語には思わずうなってしまう。
さて、今日も元気にシャッフルしよう。
文章に出てくる単語を無作為にシャッフルしよう企画、第三弾だ。
記念すべき第一弾はこちら。
ではまず、この企画の肝となる元の文章から。
──
[A1:ヘンリー]が手に持っている[C1:ブロンズナイフ]をいじりながら、なにやら深刻な顔で考え事をしている。そこに[A2:フローラ]が近づいてきた。
「[A1:ヘンリー]さま、変身前の[A3:ミルドラース]くらい眉間にしわが寄っていますよ?」
[A1:ヘンリー]が顔をあげると、[A2:フローラ]が可憐な笑顔でこちらを見ていた。そばには彼女の[A4:娘]がいる。しっかりと手をつないでいるその様子はとても可愛らしい。たしか(4)歳になったところだ。
「ああ、考え事をしていたんだ。ほら、[B1:りゅうおう]っているだろ」
「ええ、ドラクエ(1)のラスボスですわね」
「その[B1:りゅうおう]が[A5:1勇者]にわしの味方になれば世界の半分をやろうって言うだろ?」
[A2:フローラ]は頷く。[A4:娘]は二人の会話に飽きたのか、持っている[C2:ストロスの杖]で(1)匹の[B2:スライム]をつっついていた。
「半分は多すぎると思うんだよ、仮にも敵なわけだし。(4)分の1くらいが妥当じゃないかなー」
「それもそうかもしれませんね。しかし、それだけ[C3:ロトの剣]を奪うことに必死だったのでしょう」
なるほどなぁと[A1:ヘンリー]が納得していると、[A2:フローラ]が慌てたような声をあげた。
見ると、[A4:娘]が[B3:バブルスライム]に襲われていた。ケガもしてしまっている。
[A1:ヘンリー]は急いで[D1:イオ]を唱えた。勢いあまって(3)連発もしてしまった。たかが[B3:バブルスライム]相手に。
たまらず[B3:バブルスライム]は黒焦げになってしまった。
ケガをして泣いている[A4:娘]に[A2:フローラ]は[D2:ベホイミ]をかけた。毒状態にもなっていたため、[C4:どくけし草]も飲ませておく。
「うちの[A6:コリンズ]もこれくらい可愛げがあるといいんだけどなぁ」
[A1:ヘンリー]は自分の子供のことを思い出しながら苦笑した。
──
(文提供:深々シン)
主人公とフローラが石像にならなかった世界線だろうか。二人の娘が4歳とはなかなか新鮮だ。こういう平和な世界も見たかった……。
簡単にシャッフルの概要を説明すると、
An → キャラクター名
Bn → モンスター名
Cn → アイテム名
Dn → 呪文・特技名
(n) → 0~999
となる。キャラクター名はナンバリングタイトルから、モンスター名とアイテム名は主にドラクエ11を参照。なおモンスターには歴代ボスも含む。
では早速シャッフルしちゃおう!!
──
オルゴ・デミーラが手に持っているグラコスのやりをいじりながら、なにやら深刻な顔で考え事をしている。そこにキーファが近づいてきた。
「オルゴ・デミーラさま、変身前のマーニャくらい眉間にしわが寄っていますよ?」
オルゴ・デミーラが顔をあげると、キーファが可憐な笑顔でこちらを見ていた。そばには彼女のピピンがいる。しっかりと手をつないでいるその様子はとても可愛らしい。たしか157歳になったところだ。
「ああ、考え事をしていたんだ。ほら、キングヒドラっているだろ」
「ええ、ドラクエ965のラスボスですわね」
「そのキングヒドラがダークドレアムにわしの味方になれば世界の半分をやろうって言うだろ?」
キーファは頷く。ピピンは二人の会話に飽きたのか、持っているギガントアーマーで94匹のじごくのハサミをつっついていた。
「半分は多すぎると思うんだよ、仮にも敵なわけだし。816分の1くらいが妥当じゃないかなー」
「それもそうかもしれませんね。しかし、それだけたたかいのドラムを奪うことに必死だったのでしょう」
なるほどなぁとオルゴ・デミーラが納得していると、キーファが慌てたような声をあげた。
見ると、ピピンがゲルニック将軍に襲われていた。ケガもしてしまっている。
オルゴ・デミーラは急いでシールドアタックを唱えた。勢いあまって783連発もしてしまった。たかがゲルニック将軍相手に。
たまらずゲルニック将軍は黒焦げになってしまった。
ケガをして泣いているピピンにキーファはザキをかけた。毒状態にもなっていたため、カミュの短剣も飲ませておく。
「うちのトロデもこれくらい可愛げがあるといいんだけどなぁ」
オルゴ・デミーラは自分の子供のことを思い出しながら苦笑した。
──
ケガをして泣いているピピン(157歳)にザキをかけるなよ、キーファ!!!
しかも短剣まで飲ませるし。鬼畜。長く苦しまないようにすぐ楽にしてやろうってことか?
文章からしてピピンがキーファの彼女のようだが、彼女にこの仕打ち、鬼畜。
ドラクエ965って、いったいどんなゲームなのだろうか。ただ、戦いのドラムは奪いたくなるほどのアイテムであることは本当に理解を示せる。
ついでにもう一回シャッフルをする。今度はドラクエはいくつになっているだろう。
──
息子が手に持っているひのきのぼうをいじりながら、なにやら深刻な顔で考え事をしている。そこにモリーが近づいてきた。
「息子さま、変身前のオルテガくらい眉間にしわが寄っていますよ?」
息子が顔をあげると、モリーが可憐な笑顔でこちらを見ていた。そばには彼女のシドーがいる。しっかりと手をつないでいるその様子はとても可愛らしい。たしか576歳になったところだ。
「ああ、考え事をしていたんだ。ほら、どくやずきんっているだろ」
「ええ、ドラクエ7のラスボスですわね」
「そのどくやずきんがアモスにわしの味方になれば世界の半分をやろうって言うだろ?」
モリーは頷く。シドーは二人の会話に飽きたのか、持っている布の服で403匹のダックスビルをつっついていた。
「半分は多すぎると思うんだよ、仮にも敵なわけだし。322分の1くらいが妥当じゃないかなー」
「それもそうかもしれませんね。しかし、それだけやくそうを奪うことに必死だったのでしょう」
なるほどなぁと息子が納得していると、モリーが慌てたような声をあげた。
見ると、シドーがポイズントードに襲われていた。ケガもしてしまっている。
息子は急いでまじん斬りを唱えた。勢いあまって639連発もしてしまった。たかがポイズントード相手に。
たまらずポイズントードは黒焦げになってしまった。
ケガをして泣いているシドーにモリーはべホマをかけた。毒状態にもなっていたため、インテリめがねも飲ませておく。
「うちのマーニャもこれくらい可愛げがあるといいんだけどなぁ」
息子は自分の子供のことを思い出しながら苦笑した。
──
ドラクエ7のラスボスがどくやずきんだったという驚愕の事実。
しかもたかがやくそうを手に入れるために世界の一部(322分の1だけど)をあげるて。しょせんどくやずきんよのう。
しかし、モリーがシドーにベホマをかけているのはナイスアシスト。さすがモンスターバトルロードの責任者。ただ、シドーはベホマ使えるんだから自分でかけろよと思いはするが。
しかしそのあとでインテリめがねを飲ませているのが狂気。ベホマをちゃんとかけてる分、狂気が引き立つ。
自分的には、冒頭の息子がひのきのぼうをいじっているくだりがじわじわ来るが、言及しないこととする。
文章を一つ用意すれば延々と遊べるのがシャッフルのいいところだ。
今後も積極的にシャッフルしていこう。
それにしても、世界の322分の1ってどれくらいだろう……。
(文・やなぎアキ)
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