前回までのあらすじ
ジパングに辿り着いたモガマル一行。ジパングでは今いけにえがアツい!!
これは黙って見過ごすわけにはいかないぞ。
前回
第十一話 やまたのおろちを放ってはおけない!
ジパングにはやまたのおろちという怪物がいて、そいつがみんなのことを食べているみたいだな……。けしからんやつだ。
モガマルも怒りをあらわにしているぞ。くそう。
む?ヒミコ?というやつがいるのか。察するに女性だろうか。人にものを教えるとは、なかなかできることじゃないぞ。
で、そいつが何を教えてくれたって?
な、なるほど。そのヒミコが言い出したんだな、いけにえを捧げろと。そのせいでこのジパングは今、空前のいけにえブームになっているわけだ。う~む、いけにえを捧げるとは、さすがに「乗るしかねぇ、このビッグウェーブに!」とはならないなぁ。
よくないと思うぜ、そういういけにえ文化は。
そうだな、まずそこが気になるな。ヒミコさまというからにはかなり偉い人なんだろう。「さま」付けされる人というのは、たいてい偉い人なんだ。少なくとも呼ぶ人がその人のことを偉い人だと思っているんだ。こっちが偉いともなんとも思っていないのに「さま」付けしなきゃいけないのは、クロノ〇リガーのクロゥリーさまくらいだ。コナゴナしてやる~。
やっぱり偉い人なんだな。なるほどなぁ、そのいけにえ文化があるから、やまたのおろちは無作為に人を食べたりしないわけだ。でもそれっていけにえの犠牲の上で成り立っているから、根本的な解決にはなってないわけだな。
うんうん、少年。気持ちはわかるぞ。そのやよい姉ちゃんのことが好きなんだな、お前は。
でもオレとしては、やよい姉ちゃんがいけにえになる前からこの少年は声をあげていたのかというところが気になる。もっと前から多くの人がいけにえになっていただろうに、やよい姉ちゃんが選ばれたからこんなにも泣いているのかい、少年。やよい姉ちゃんじゃなければ、見て見ぬふりを続けたのかい、少年。
泣かれた。
申し訳ない。そうだよな、意地悪だったよな。誰かを犠牲にすることで自分や大切な人の安全を守れるなら、そりゃ見て見ぬふりするよな。そしてとうとう、今回やよい姉ちゃんが選ばれてしまったと。
だが安心しな、少年。
モガマル、オレもオレも。オレも同じこと考えてるよ。
そうだそうだ!こんなに泣いている子供を放っておいて、また別の町に行くのは違うよな!
というか、子供が泣いていなくてもなんとかすべきだと思うしな。
よーし!勇者っぽくなってきたぞ!やまたのおろちを倒して、やよい姉ちゃんを助けてあげよう!!
次回予告
やまたのおろちを倒すことにしたモガマル。
情報を集めるためにヒミコに会いに行くが、なんだか冷たくあしらわれてしまうぞ?
次回、「対面!ジパングの長・ヒミコ!」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
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