前回までのあらすじ
やまたのおろちに生贄を差し出せばOK!と言い出したのはジパングの偉い人、ヒミコだった。
ジパングの悲しき連鎖を止めるために、勇者モガマルは人肌脱ぐことに決めたのだった。
前回
第十二話 対面!ジパングの長ヒミコ!
やまたのおろちの残虐非道な行いを許すことは出来ない!今はヒミコさまという人のおかげなのか、一人いけにえを差し出せば済んでいるみたいだが、そもそも一人の犠牲も出しちゃいけないんだ!
よし、モガマル!さっそくやまたのおろちを倒しに行くぞ!
ううむ、たしかに。そもそもやまたのおろちがどこにいるのか全く見当もつかないな。
でもジパングでこのままぼーっと待っていたら、いつか来るんじゃないか?大きそうだし、すぐ気づくよ。
おおさすがモガマル。ちょっとサボっちゃおうかなと思っていたオレとは大違いだ。たしかに、ヒミコさまという人に聞けばすぐにわかるわけだ。ヒミコ様はやまたのおろちとなんらかの形で接触しているわけだしな。
人を食べちゃうくらいだからやまたのおろちってすごい強いと思うんだけど、それと接触を図れるヒミコ様ってすごいな。きっとものすごく強いんだ。ごつくてでかくて、たくましい人なんだろうな。
なるほど、全然そんなことはなかったようだ。ごつくてでかくてたくましいのは首にかけている勾玉の方だったようだ。肩凝りそうだな。
急に現れたオレたちのことを不審がっているみたいだな。
ここは一つ、しっかりと自己紹介をしよう。人の印象というのは最初で全てが決まる。そしてその印象というのは変えるのがなかなか難しいことだ。だから最初はすごく大事だ。
第一印象の話で有名な「メラビアンの法則」では第一印象というのは最初の3~5秒くらいで決まるという。
3~5秒ってもうとっくに経っているな……まぁいい、自己紹介での第一声というのも大事だからな!
ええ~。3~5秒で相当悪い印象を与えたようだ。メラビアンの法則によると第一印象というのは「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」から決まるようで、割合としては「視覚情報」が全体の半分以上を担っているらしい。
つまりオレたちはまだ何も言えていないので、モガマルの見た目だけで印象最悪という結果になってしまったわけだ!
というところまで頭をめぐらせて憤るモガマル。さすがモガマル、賢い。考えのスピードが速い。
それにしても、ヒミコ様はなんでこんな洞窟の奥にいるんだ?それになんだか、あやしい雰囲気があるぞ。これはもしかして……。
次回予告
印象最悪からスタートしたヒミコ様との謁見。
印象はともかくとして、やまたのおろちをなんとかしたいという思いはジパングの長であるヒミコ様も同じはずだ!
次回、「やまたのおろち、倒しましょうか?」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
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