前回までのあらすじ
やまたのおろちをなんとかしようとヒミコさまに会いに行ったが、なんだかものすごく嫌われてしまったようだ……。
なんだかものすごくきな臭いな。
前回
第十三話 やまたのおろち、倒しましょうか?
初対面からの印象がすっかり最悪になってしまったようだ。ヒミコさまは随分と気難しい性格みたいだ。
このままじゃまともに会話なんてできないんじゃないか?
なんだかずいぶんとジロジロ見てくるな……。珍しいか?モガマルの立派なピンクの毛皮が羨ましいか?ピンクの毛皮にピンクのフードを重ねるそのファッションセンスに恐れ入ったか?
オレはヒミコ様のその眉毛の丸さと勾玉の大きさに恐れ入っているぞ。いい勝負だお前ら。
ぬ。まぁ間違いではないな。この国のものではないし。前回、なんだお前たちは!と聞いてきておいて、こっちの発言さえぎって勝手に推理をし始めるんだな。
なんだと!人外だと!たしかにそうだけど!
違った、外人だった。最近はもう「外人」という言い方はしなくなったというのに、ヒミコさまもあの子供も外人外人言ってくるなぁ。きっとジパングというのは閉鎖的な国なんだな。あくまでも「外の人」なんだなぁ。モガマルは「人」じゃなくて「モモンガ」だけど。こういう言葉の端々もしっかりと再現してくるこの「勇者追憶アトラクション」はなかなかの出来だ。オレたちは今勇者追憶のアトラクションに乗っているんだぞ、ということをたまには思い出さないとすっかり忘れそうだな。
にしても、外からやってきただけの人に「愚か」と言い切るその気概はすごいな。
うーむ、随分と嫌われてしまったみたいだ。せっかくここまで来たというのに。ちょっとはこっちに喋らせてくれてもいいんじゃないのか?
ふむ、「いらぬこと」ねぇ……。やまたのおろちという怪物に脅かされている国の主が言うことかなぁこれは。
お、ここでモガマル、冷静さを取り戻し交渉を始める。いいぞいいぞ。モガマルの手にかかればやまたのおろちなんてイチコロだからな。ジパングのためを思うなら、この話には一もにもなく飛び掛かってくるはずだぞ。
でも、そうはいかないかもなぁ。このヒミコってやつぁ。
そしてだんまり。普通ならここで頼み込んできてもいいと思うんだが。
これはいよいよ濃厚かな?そろそろモガマルに真実を伝えるべきだろう。このためにオレはいるのさ。
次回予告
明らかに様子がおかしいヒミコ!とうとうモガマルの相棒、スラッピが口を開いた!
果たしてヒミコの秘密とは一体!そしてやまたのおろちとの戦いは!?
次回、「おかしい、そいつにおうぞ!」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
次回
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