ドラクエ7のグリンフレーク。
ただひたすらに男女4人のドロドロした恋愛模様を見せられる町。
そこに主人公たちはほとんど一切介入しない。本当にただひたすらに行く末を見させられるだけのなかなかめずらしいイベント。
このイベントの主要な登場人物は4人。男2人、女2人の4人。
この4人、全員が全員腹立たしい。大なり小なりはあれど、全員腹立たしい。アウトレイジかよ。
最初に言っておくが、4人とも好きじゃないので、記事中ずっと4人をぼろくそに言っている。そこは注意してほしい。
イワン
器の小さいところが一々目について、普通に嫌なやつ。
グリンフレークのハーブ園の持ち主ボルックの息子で、要はこの町の実力者である。
カヤが言うには、困っている人を見ると放っておけない、自分でなんとかしなければと突っ走ってしまうらしい。これだけ聞くといい奴な気もする。
が、本当にそうなのであれば借金のかたに結婚しようとするリンダを止め、「父親が勝手に決めたことだから結婚なんてしなくていい、借金についてはオレが口をきいてみる」くらい言ってくれればよかったのに。ヘラヘラと結婚を受け入れ、リンダがペペのことを好きなのをわかっていながら、ただただ嫉妬するだけで、挙句ハーブ園の経営が上手くいかなくなってからはリンダにモラハラDVする始末。カヤはこいつの何が好きなん?
でもまぁ、結婚して子供まで生まれたのにいつまでもペペに未練たらたらのリンダと、もう別れたのにいつまでも執着してくるカヤに振り回されてしまった哀れな男ともいえる。
最後には自らの罪も認め、カヤと町を出て行ったことで多少許された感を出してくる。
いや許されねーよ。
困っている人を放っておけないんじゃなくて、困っている人なら懐柔できると思っていたんじゃないの~?
カヤ
イワンの元カノで、別れた後もずっとイワンのことが大好きな一途なメイド。「私ってさばさばしてるから~」などと自分を称するタイプのじめじめ女。
イワンも嫉妬深いがカヤも相当。昔は自分に向いていたイワンの関心が今はリンダに向いているのが許せないらしい。イワンに強引にキスを迫るシーンは当時ビビった。何を見せられてるんだ……?とならざるを得ない。
大体イワンの愛し方がそもそも同情から来るものなのであれば、カヤみたいな強かな女はタイプではなかったんじゃないだろうか。お金持ちのおぼっちゃまに振り回されちゃったと考えると、この女も哀れといえば哀れ。
というかこの人、なんでイワンが好きなの?せっかくお金持ちと結婚したのに、それらを手放してでもイワンといたいとか、イワンからしたらちょっともう恐怖だろ。旦那に毒盛ってるんだぞこいつ。
毒を盛るといえば6のサンマリーノのアマンダが思い浮かぶが、彼女は犬のエサに毒を混ぜたのに対し、こいつの場合は自分の旦那である。いや犬でもダメだろ。犬でもダメなのは当然だが、自分の旦那に殺意マンマンなのが本当に怖い。旦那デスノートかよ。
町を追い出されはしたが、最後には愛するイワンと添い遂げたことだろう。なんで勝ってんだよ。
ただ、ペペに「リンダが好きなら家族もなにもかも放って一緒に町を出なさいよ」と言い放ったのはナイスアクションだった。そうなればイワンは自分のものになるという思惑があったのは当然だが、そーだそーだやったれやったれという気持ちは正直ある。煮え切らねぇ態度や行動がグリンフレークのやつらのダメなところなので、カヤのこの発言はまだまし。ねちねちじめじめしてる女だけど。
リンダ
悲劇のヒロインにして一番の被害者っぽい雰囲気があるけど、全然こいつも嫌なやつ。
親が残した借金があるせいで自由に生きられなかったため、それは本当にかわいそう。借金のせいで、他に好きな人がいるのにイワンと結婚させられるのもかわいそう。体が弱いからろくに働けないのも、別にリンダのせいではない。
でも結婚を断ろうと思えば断れたはず。ボルック氏は良かれと思って、イワンとの結婚を機に借金を帳消しにしようと考えていたはず。ここでリンダが「いや好きな人がいるのでごめんなさい。その人と一緒に借金を返していきます」と宣言しちまえばよかったのだ。それをせず、でもペペには「駆け落ちしてよ!」と迫る。いや、お前頑張りどころが違うだろ。リンダがちゃんとイワンの求婚を断っていれば、ペペだって苦悩せずに済んだんだよ。リンダがイワンを受け入れちゃったから、ペペは家族とリンダの間で板挟みになって結局逃げたんだよ。ペペには強く出れるのなんなんだよ。
ペペがいなくなったあとはイワンと結婚するわけだが、それでもまだペペに未練たらたら。さすがにイワンとの子に「エペ」と名付けたのにはドン引き。申し訳ないけど、4人がした様々な行動の中でも一番ドン引きかもしれない。別に心の中で未練たらたらなのはかまわないが、息子の名前でそれを表すな。さすがにイワンに同情するわ。怖いよこの女。
結局イワンとエペを捨ててペペのいるメモリアリーフにやってくるのだが、最後まで自分のことは明かさずに息を引き取る。いやなんなんだよ。言えよ。家族捨ててまで来たんだからそこは言えよ。最後まで奥ゆかしいなぁ、おい!!
母親の元カレにちなんだ名前を付けられ、それゆえに父親と母親の不和は過熱し、それでも献身的に母に尽くしてきたというのに、結局捨てられたエペの気持ちを考えろや!
ペペ
逃げるは恥だが役に立つとはよく言ったものだが、こいつの場合特に役にも立っていない。こいつが逃げたことによりこいつ以外全員不幸になったと言っても過言ではない。
うじうじしてリンダも選べず家族も選べず、ただ一人逃げ出してこいつの中では完結したのかもしれないが、残された者たちはたまったものではない。
結果リンダは体を壊し、イワンは落ちぶれ、カヤは毒殺未遂を起こし……。
大体、好きな女が取られるのを見ていられないくせして、家族が~とか言ってなんもしないで、で結局好きな女も家族~も捨てているわけで。もうちょっとこうなんかなかったんか?いやなことがあったらいつも逃げてきたタイプ?
こいつがもっと男らしければ違った未来があっただろうに。リンダはペペのどこが好きなん?
その後にリンダという養女を育てているのもちょっともう気持ち悪いっす。リンダは息子にエペって名付けるしよぉ。お似合いだよお前ら!やっぱり駆け落ちしておけばよかったんだよ!そんでペンダとリぺって名前の子供育てりゃよかったんだよ!
要は望まぬ結婚ゆえに起きた茶番なので、ボルック氏がもう少しうまく動けばよかったのではないかとも思う。しかしリンダだけ優遇するわけにもいかないのもわかる。
登場人物全員最悪ではあるが、それならばどうするのがベストだったのか。明確な答えが出ない。だからこそモヤモヤドロドロなイベントなのである。
ぼろくそに言ってはいるが、なんだかんだお気に入りのイベントではある。これだからドラクエ7って好きよ。
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