ぜっっっっっったいわかってましたよね。みんな。
※ドラクエモンスターズ3のストーリーのネタバレを含みます。
絶対みんなわかってましたよ。
こっちが正解の選択肢だろうなって。
だってその前に、選択を間違えるなよってマスタードラゴンに言われてるし。
なおさら間違える要素なんてないんですよ。
ロザリーとベネット、どっちが本当のことを言っているかなんて、ベネットに決まってるんですよ!!誰だってわかる!形兆にだってわかる(ジョジョ四部のキャラ)!
はい。
私はアドベンチャーゲームやノベルゲームもそれなりにやるのですが、そうすると珍しくないんですよね、エンディング分岐って。選択を間違えるとバッドエンドに行ってしまうやつ。
なのでマスタードラゴンから選択を間違えるなと言われたときは、「え!?まさかドラクエにエンディング分岐が!?」と思いましたし、実際に選択を迫られたときも「え!?本当にドラクエにエンディング分岐が!?」と思いました。
これは慎重に選択しないといけないぞ~。私事ですが、こういう選択肢、よく外すんだよな~とドキドキしていました。
ええそりゃもちろんベネットを選びましたよ!だってベネットを疑う理由がないですもん!これはベネットを選ばないと、ドラクエ4の時と同じくロザリーが死んでしまうぞ!私は歴史を塗り替えるぞ!と。間違いなく正解を選んでやったぞ私は!と。
どうですか、ええ?モンスターズ3をプレイした人ならみんな分かっていると思いますが、ここの選択肢、どっち選んでも結果同じですから!いかにも重要そうな選択に見せかけていますけど、同じですから!ベネットを信じたところで、なぜか結局ロザリーを信じる流れになりますから!
あると思うじゃないですか、エンディング分岐!どっちを信じるかの問いなんて正直簡単なんですよ(嘘、正直めちゃくちゃ迷った、怖かった)。だから、ちゃんとわかりやすい選択肢にして、極力間違えないようにしてくれているんだな、だから分岐はあるんだ!って思ったんですよ。
でもそんなわけないんですよね……。
だってこのゲーム、セーブデータが一個しかない上に頻繁にオートセーブ入るので。取り返しのつかない選択なんてさせるわけがないんですよ。いいですか、セーブデータの数が多いゲームはエンディング分岐があるゲームなんです(偏見)。つまりセーブデータが少ないゲームはエンディング分岐のないゲームです(偏見)。
当然「意味ね~~~じゃん!」となりました。私の中のリトル寺田心君が、「選択肢なのにどっちにしろ同じ結果になるって、意味ね~じゃん!」と言っていました。気づけば心君ももう立派な青年になっているわけですが。
でもこの記事を書きながら改めてあのイベントのことを思うと、これこそが絶対に抗えない運命なのではないか?とふと気づきました。
ドラクエ4の物語はこれまでに多くのプレイヤーが体験し、私自身も何周もしました。そのときはいつもいつもロザリーが死んでしまい、ピサロが進化の秘法で暴走していました。そういう運命なのです。大きな力でもってそうさせられている、運命なのです。
それを今回あの理不尽な選択肢で体験させられたのでは!?と。ドラクエ4の、何周しようとロザリーが死にピサロが進化の秘法を使ってしまうその決められたシナリオをなぞるあの切なさを、モンスターズ3で実際に体感させられたのではないか、我々は!
堀井雄二氏の書く絶対的なシナリオには逆らえないという、これぞ運命力!プレイヤーが気づいていようがいまいが関係ない運命力!どうあがいても、引き寄せられる!
そう考えると、あの理不尽な選択も許せるような気がちょっとだけします。
そしてこの運命力を破れるのが、ベネットというそれまでドラクエ4にはいなかったキャラクターなんですね。ドラクエ4既存のキャラクターにはどうあってもあの運命を破れませんから。ベネットってなんのために存在しているんだ?と正直思ったこともありましたが、今こうして考えると、ピサロとロザリーの袋小路の悲恋に新たな道を示すためのキーパーソンだったんだなと納得できます。
ありがとうベネット。
最初の印象最悪だったけど、ピサロたちの運命を変えてくれた君のこと、今では結構好きだぜ。
(文・やなぎアキ)
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