ドラクエのキャラクターについて、いくつかの観点から読み解いていく!
筆者の超個人的主観によるキャラクター辞典!
第四十八回目はイリアとジーナ!
※全て筆者の主観であり、筆者のプレイスタイルによるものであることをご了承ください。
見た目
二人ともそれぞれの性別の戦士の汎用グラフィックなのでこれといった特徴はない。戦士グラフィックだが盗賊のため、実際はもっと軽装備なのかもしれない。
多分美男美女。ジーナは話し方的にどちらかというとボーイッシュなのではなかろうか。
SFC版公式ガイドブックには年老いたジーナのイラストがある。完全に「たたりじゃあ!」と言っていそうな見た目とポージング。若い頃はブイブイ言わせていただろうに、最愛の人を失ったためかなかなかの心労が見て取れる。
漫画版の若い頃のジーナは結構可愛い系。好き。
性格
イリアは竹を割ったような清々しい性格。ジーナも恐らくはそうなのではないかと思うが、自身の手でイリアを殺してしまって(と勘違いして)からはその罪の意識から暗い性格になってしまったのではないかと思われる。それが年を取っていくにつれて偏屈になってしまったのだろう。
ただし住み込みで働かせてくれている神父には恩義を感じている様子。盗賊とはいえ、その辺の恩義には報いる模様。それはイリアも同じ。
イリアも年を取ってからはそれ相応のふるまいをするが、ジーナと再会してからは以前のような若々しさを取り戻していた。それまではやっぱりジーナと同じ偏屈じいさんだったのだろうか。だが、ふさがったアモール北の洞窟で出会ったときには常識的な対応をしていたので、あながちそうとも言い切れない。年を取って丸くなったところに、ジーナとの再会によってまた尖って行ったのだろうか。
ストーリー
しっぷうのイリア、はやてのジーナといえばちょっとは名の知れた盗賊。どっちも疾風じゃねーか、というのは置いておいて、世界各地のお宝を求め旅をする二人は恋人同士でもある。
ある日鏡の塔の扉を開けられる鍵があるという噂を聞きつけ、洞窟に潜った二人。最深部でいかにもお宝が入っていそうな宝箱を見つけ、イリアは意気揚々と宝箱を開けた。
しかしそれは罠だった!箱の中にいた魔物がイリアにとりつき、あろうことかジーナに襲い掛かったのだ。なんとか攻撃を凌ぐジーナだったが、その剣は最愛の人に深々とした傷を負わせてしまった。そのまま目覚めないイリア。ジーナは鍵を手にし、絶望の中愛する人の血の付いた剣を川で洗い流す。
それから数十年。
ジーナは悪夢にうなされていた。いくら洗っても落ちない、いくら洗っても血が落ちない、あの人の血が……。
この悪夢から解放される時は来るのか。愛する人をこの手で殺してしまったその罪を償うことができるのか。彼女の運命は夢の世界からやってきた不思議な旅人たちに託された。
性能
盗賊として世界をまたにかけていただけあって、実力は相当なものだろう。
アモール北の洞窟に二人で乗り込んで最深部までたどり着くのはなかなか。あの洞窟は結構広い上に敵も攻撃呪文を使ったりとなかなかきつい。本当にドラクエ6は強いNPCがそろっている。
しかし残念ながらイリアには混乱耐性がなかった模様。混乱耐性さえあればホラービーストだって倒せただろうに。
混乱していたとはいえ、イリアを倒したジーナ。もしかしたらジーナの方が強いのかもしれない。
盗賊な上しっぷう、はやてという異名を持っているのだから、きっと素早さも突出しているに違いない。それなのにホラービーストのメダパニダンスを食らってしまうとは。宝箱を開けたときは相当油断しきっていたのだろう。お宝を手に入れる前にボス戦なんてダンジョンの定石である。実力はたしかなのだろうが、そのような油断っぷりでは遅かれ早かれやられていたの可能性はある。早いうちに二人とも引退しておいてよかった。
その他の活躍
さすがに他作品への露出はほとんどない。
本編での話だが、旅を進めると二人は仲良く天国へ旅立ってしまう。しかし夢の世界では幼い頃の二人が仲良く遊んでいる様子が見られる。一体誰の夢なのだろう。亡くなった二人の想いがそのまま具現化したのか、それとも町の人たちが天国でも二人で仲良く過ごしていてくれたらいいなと願ったからか。もし後者なのであれば、偏屈ジーナばあさんはそれでも町の人に愛されてたのだろうし、イリアもその後町の人と仲良くしていたのだろう。色んな解釈ができるが、なんにせよ夢の世界の二人を見ると幸せな気持ちになる。
総評
ドラクエシリーズの中でも屈指のトラウマイベント「落ちない、落ちないよ……」の二人である。
イベントのインパクトもさることながら、上の世界と下の世界の関係性を明確に示した重要イベントでもある。それだけに、多くのプレイヤーの印象に残っているだろう。
余談だが、夢の世界で若い二人を助けた後に貰えるお礼の品がはやてのリングで、「いやそこは鏡のカギじゃないのかよ!」と思ったプレイヤーは多くいるはず。あとでもらえるからいいのだが、初めての時は面食らった。
(文・やなぎアキ)
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