ダイ大はドラクエを基にした作品です。
そのため、ドラクエに登場するアイテムや魔法も当然同作に出てきます。
ダイ大には様々なオリジナルの技があります。アバンストラッシュやメドローア、サウザンドニードルなど。しかし、ドラクエから出張して来た技についても忘れたくないところです。
今回は、作中に登場したドラクエの呪文について一部ではありますが紹介します。
多くの呪文が登場するので、今回は回復・補助系の呪文のみに焦点を当てます。
攻撃編
ベホイミ
ホイミ系の回復呪文で、中程度の回復力がある魔法です。ゲームではかなりお世話になる呪文ですが、それはダイ大でも同じです。マァムが良く使っている印象です。
一行にベホマの使い手であるレオナが加わったことにより出番が亡くなったかに思えましたが、外交で忙しい彼女が戦線にいることは多くなく、ベホイミは最後まで活躍していました。
ホイミは作中ではあまり出てきませんでしたね。最初からメラゾーマや獣王痛恨撃などが出てくるので、ホイミ程度が使えたところで確かに出番はないでしょうが。
ベホマはレオナや、覚醒したポップくらいしか使い手がいなかったため相当高度な呪文なのでしょう。ただしバラン戦でレオナが「私のベホマでは治療と体力回復は同時にはできない」と言っていたので万能ではないようです。この辺は物語とのバランスを取るためにも大事な設定ですね。
クロコダインが仁王立ちしてベホマで回復させる戦法、ドラクエでもやるわ~と感心します。
キアリー・キアリク
毒を治療するポピュラーな呪文キアリー、そして麻痺を治療する呪文キアリク。
キアリーについては大抵の作品で序盤に覚えられるだけあって、使い手もそれなりにいます。初登場は『ダイ爆発!!!』にて毒をくらったレオナをブラスじいちゃんがキアリーで治療しています。レオナもキアリーを使えるらしいのですが、この時点では覚えていなかったのかな?
他にはザボエラの毒をくらったポップをマトリフが治療していたり、アルビナスの毒をくらったヒュンケルをマァムが治療していました。基本自分で自分を治療ではなく、誰かを治療の方式ですね。毒くらってしんどい人が自分で治療するのも大変か。
キアリクは一度だけ登場。クロコダインのヒートブレスによって麻痺ったダイを、キアリクを装填した魔弾銃でマァムが治療していました。魔弾銃って回復にもつかえるんだ~!という印象的なシーンですね。
ザオラル
成功率五割の蘇生呪文です。ダイ大でも同じ設定のようです。
蘇生呪文なので当然相当なレベルの僧侶でなければ使えません。作中ではレオナがポップに対して使っていますが、本人も成功するかどうかについて不安がっていました。
結果はというと、失敗に終わってしまいました。その際再度かけ直すということもしていないため、チャンスは一回なんだと思います。そりゃ何回でもかけ直しが出来たらいつかは生き返って、ストーリーが破綻してしまいますもんね。
蘇生呪文が存在するとストーリー作りがすごい難しくなりそうですが、ザオラルは成功率が五割というのがいい塩梅ですね。あと個人的には時間的制約もあったりするのかな~と思います。早く使わないと魂が離れ切って二度と生き返らないとか。
もちろん竜の騎士の血のように、生き返るだけの強靭な精神力が必要という設定も良いですね。
アストロン
一定期間鉄の塊となって動けなくなる代わりに、一切の攻撃を受け付けない呪文です。ボス戦でとりあえず様子をうかがうのに使ったり、次のターン絶対これをしてくると分かっているときに使うと効果的ですね。
作中ではアバン先生がハドラーにメガンテを使う際に、ダイたちを巻き込まないようにアストロンを使います。他には登場しませんでした。
なので他の術者はもしかしたらいないのかもしれません。獄炎でもやはりアバン先生が使用していましたが、アストロン自体がレアな呪文のようでなかなかお目にかかれない模様。さすが魔法に造詣が深いアバン先生ですね。
ラリホーマ
敵を眠らせる呪文です。敵を眠らせるだなんて卑怯な呪文、使ったのはザボエラか!?と思いきやバランです。バラン・ダイと超魔生物ハドラーの戦闘で、竜魔人形態になる前のバランがダイに使用しています。息子を戦闘から離脱させるため、そして竜魔人の姿をもう息子に見せたくないために使用しました。そのときソアラとの思い出がよみがえり、「相変わらず寝かしつけるのが下手だな…」と言います。泣ける~。ラリホーマ史上一番泣ける~。
ちなみに作中の設定としては、ある程度レベルの高いものには効果がないそうです。ザラキと同じで簡単に効いちゃうと戦闘難度がめちゃくちゃになっちゃいますしね。
モシャス
相手そっくりに変身できる呪文です。ドラクエだと4のシンシアが有名ですが、他作品では戦闘中に使用する呪文でストーリーにはほとんど関わってきません。
が、ダイ大では数回登場します。
使用者はまずザボエラ。バルジの島での戦闘で、クロコダインがザボエラが仕留めたと思ったら実はモシャスで姿を変えられていたきとうしだったのが一つ。部下をそのような方法で平気で見捨てるとは卑劣です、さすが。
次に自身にモシャスをかけマァムに変身し、ポップを誘惑したのが二回目です。卑劣ですね~。卑劣ですけど、自分で誘惑までしてるんですからザボエラ唯一の体張りポイントかもしれません。
と、他人に化けるだけあってザボエラのような卑怯なキャラクターが使う印象のあるモシャス。
もう一人の使い手はなんとアバン先生。終盤、バーンパレスにてキルバーンに化けミストバーンから色々情報を聞き出していました。頭脳プレー!ザボエラと違って卑劣さを感じない!同じ呪文なのにザボエラときたら爽やかさが足りませんね!
モシャスはゲームでは相手の能力をコピーすることに意味がありますが、ダイ大では騙し討ちが主体でしたね。
ルーラ
現実世界でも使えるようになりたいドラクエの呪文No1(私調べ)ルーラです。一度行ったことのある場所にひとっ飛びです。
ポピュラーな呪文のため術者も多いですが、レオナやエイミは使えなかったりとかなり相性が大事そうです。これはルーラが使えると簡単に逃げられたり、それこそ終盤のピラァ・オブ・バーンの処理が簡単になるため必要な設定だったと思われます。
ポップはルーラ習得のためにマトリフにしごかれますが、この際に「ルーラなんか使えても戦いの役に立たない」とぼやきます。しかしマトリフは「ルーラが使えたら炎上する気球からたやすく仲間を救えた」とポップに気づかせます。
実際、キルバーンのダイヤ9からの脱出も、バーンパレスの心臓部からの脱出もルーラがなければ無理でした。ルーラは物語の随所随所で重要な局面を担ってきましたね。
また派生したオリジナル技としてトベルーラとリリルーラがあります。バトルものとなれば空を飛んで戦う構図も欲しいわけですが、トベルーラはそれを実現するための上手い呪文だなと思います。
他にも使用された呪文はありますが、ここまでとさせていただきます。
一つ一つの呪文に注目することで、このシーンではこの呪文が効果的に使われている!とわかって面白いですね。特に回復や補助呪文は攻撃呪文と違って活躍シーンが限定されているため、ダイたちの旅を違った角度で振り返ることが出来ました。
オリジナルの技もいいですが、ドラクエの呪文もやっぱりかっこいい!
(文・やなぎアキ)
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