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【キャラクター】主人公の父たち。偉大な父たち。

ドラクエの主人公たちには当然親が存在する(ただし人間に限る)。

親が謎な場合もあるし、作中で登場しないこともあるが、主人公の困っている人を放っておけない性格を考えると親もきっと立派な人だったのだろうと予想できる。

 

実際作中で登場する主人公たちの親は皆人格者だ。

今回は、主人公の父親に焦点を当てて何人か紹介したいと思う。

 

オルテガ’(ドラクエ3)


勇者の父といえばまさにこの人。

バラモスを倒すために旅に出て、その後火山での死闘の末死んでしまったと言われるオルテガ。勇者はその父の意思を継いで、16歳の朝、運命の旅に出る。

ドラクエ3は打倒魔王の旅であり、父の足跡を追う旅でもあった。世界をめぐっていく中で、各地で聞く父の話。父との思い出などないであろう勇者にとって、人づてに初めて見る父の姿。

そうして浮かび上がる、父の強さ。

それは下の世界、アレフガルドに行っても変わらなかった。死んだと思っていた父は生きていて、記憶を失ってもなお勇者として世界を救おうとしていたのだ。

記憶がなくても世界を救おうとするその姿勢。これこそが勇者である。勇者像である。

旅の先々でその足跡を知ることが出来る。それはまさに16歳という年若い勇者にとっての道しるべでもある。自身が通ってきた道は、すでに父が通った道であると。いつまでも追いつけない父の背中であると。

そして、旅の終わりも近い頃、悲劇の再会をもってその背中を超えることになるのだ。

 

パパス(ドラクエ5)


ドラクエで父親といえば彼じゃないだろうか。まず名前が直球。パパだからパパス。

彼はグランバニアの国王であり、魔物にさらわれた妻を探すため幼い息子を連れて旅をしている。息子の目に映る父の姿は、まさに敵なし。どんな魔物も一撃で倒し、どんな攻撃も跳ね返し、どんな傷も魔法で癒す、そんな父親に尊敬の念を抱く。自分も父のような強い男になりたい。そんな願望を抱くのはごく自然なことだ。

しかしそんな絶対的な父は、魔物の卑劣な作戦により命を落としてしまう。彼の手にかかればなんてことない魔物だったが、愛する息子を人質に取られてはなすすべもない。

自分がもっと強ければ、あの結末は回避できたのかもしれない。しかしそれを嘆いても遅いこと。

母を探せという彼の最後の言葉を胸に青年は旅立つ。誰よりも強かった父に追いつくため。今度こそ大切な家族を守るため、青年は強さを身に着けていく。

 

ボルカノ(ドラクエ7)


ここまで紹介した父親は、自らも戦う父だったが彼は違う。小さな村でごく普通に暮らす漁師だ。

過去に飛び、世界の形すら変えてしまう重要な使命を帯びた旅をする息子を持ちながら、ひたすらに自らの生活をこなしていくボルカノ。

どれだけ息子の旅が重要で、たくさんのものを背負っていても、彼のスタンスは変わらない。バーンズ王が、アミットさんが子供のことを心配する中、ボルカノだけは主人公の思うままに行動しろと言う。ただし、周りに心配をかけてまでやるからには中途半端に投げ出さずやり切ってこいと。

主人公が世界を救ったあと、結局は元通りの生活に戻って漁師をしているのはこの父の姿を見ていたからではなかろうか。どれだけ世界のありようが変わっても、半端なことはせず自分のしなければいけないことを一貫してやり通す、父の偉大な姿を。

 

エルトリオ(ドラクエ8)


本編では名前しか登場せず、裏ダンジョンに行ってからようやくその生きざまを知ることが出来るエルトリオ。しかしそれも、祖父の紙芝居の中でだけだ。

しかし、それだけでもこの父のすごさはわかる。

竜神族との身分違いの恋。当然許されるはずもなく引き裂かれる二人。それでもあきらめきれなかったエルトリオは、王子という身分を捨て単身竜神族の里を目指す。

実際にプレイしているとわかるが、里までの道のりは険しい。ラプソーンを倒した主人公たち4人にとっても過酷で長い道のりを、エルトリオはたった一人で進んでいったのだ。巨大なアルゴンリザードを単身倒しただけはあり、もしかしたら主人公よりも強かったのかもしれない。

残念ながら、里まであと少しというところで息を引き取ってしまったが、あそこまでたった一人で行けたことが奇跡だ。その頑張りは、いくら人間を嫌っている竜神族も無視はできない。彼の強さを認めざるを得ない。

愛する人のため、何もかも捨てて危険な道を行くその強い意志。だからウィニアは彼のことを好きになったのだ。そしてその性格は主人公にも受け継がれたのだろう。何もかも捨てる覚悟で、姫をさらった主人公にも。

主人公の人間離れした強さは当然竜神族の血によるところが大きいだろう。しかし、父がエルトリオの血もまた忘れてはいけない。

 

アーウィン(ドラクエ11)


勇者の父であり、ユグノアの王アーウィン。元はエレノアの護衛隊長であり、ユグノア最強の騎士とまで言われた。王族の出ではないが、その人柄で国民の支持を得ている。

愛する妻と息子、そしてユグノアの民。幸せな人生を送れるはずだったが、息子が勇者だったためその一生は突如幕を下ろす。

魔物たちの奇襲を受けるユグノアで、アーウィンは妻と息子を逃がすため戦う。ユグノア最強の騎士と言われただけはあり、強敵相手に華麗に戦っていく。だが、奮闘の末彼は、ウルノーガに乗っ取られたデルカダール王に殺されてしまう。失意の中、絶望の中死んでいくアーウィンは、死してなお悪夢にさいなまれることとなってしまった。滅びゆくあの日のユグノアを延々と見せられ、その都度絶望を味わい、成仏を許されないアーウィン。

そんな父を救ったのは、勇者として成長した息子だった。

息子の手によって救われたアーウィンは、ようやく愛する妻の元へ行く。

息子の成長を喜び、その行く末を案じながら。そして勇者もまた、それまで会ったことがなかった父の強さを胸に、過酷な運命に再び身を投じていく。

 

(文・やなぎアキ)

 

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