ドラクエシリーズで思わず涙するシーンといえば、どこだろうか?
主人公の住む村が銃撃されるシーン、仲間を失ってしまうシーン、町の人から理不尽な扱いを受けるシーン…。長い歴史と多くの作品数を誇るドラクエだからこそ、印象的なシーンは多い。
その中でも有名なのが「ぬわーーっっ!!」で知られる、パパスの最期だろう。「ぬわーーっっ!!」という響きの面白さからは想像できないほど悲惨な場面に、目を覆いたくなるファンも多いはずだ。
そんなパパスが、ドラクエタクト3周年を記念するWeb CMで主役に抜擢されたと知り、すぐにアクセスした。
あの涙を…あの涙を、もう一度──。
早速、あのシーンの映像が流れる。
ううっ、これだけで涙腺が…。
(この頃のヘンリー王子は本当にアホだったな…)
うっ…!
ぐっ…!
あのトラウマのシーンが…!
そして、CM本編へ。
パパス!?!?
じ、実写パパス!?!?
皆さん長らくお待たせしました。
パパスの「ぬわーーっっ!!」に続く台詞が公式で決まりました。
それは「はあはあ…」です(笑)
急に緑の中に場面が切り替わったことで戸惑うパパス。すでに異世界転生モノに慣れている我々とは異なる、新鮮な反応です。
意外と状況の理解が早いですね!?
さすが、様々な困難を乗り越えてきただけあります。
ゲマ、冤罪。
というより、息子の安否を何より先に心配して欲しかった…
それにしても、もし犯人がゲマだったとして、何が楽しくてこんなところに転送したんでしょうか。すでに勝ちが確定していた状況だったというのに…。天国と思った方が早いのでは…。マス目天国…。
よかった"みんな"の安否を気にしてくれました。
ヘンリー王子と息子のことを"みんな"と呼んでいるんでしょうか? それともマーサも含めて…?
そして、横にいる人影は、もしや…!!!
DQ5主人公だーーー!!!
これはアツい!
親子の邂逅!
そして、大人バージョンですね!?!?
ごもっとも。大人ですもんね。
「息子です!」という言い方、ゲームの性質上、仕方ないのはわかります。ただ、めちゃくちゃオレオレ詐欺っぽい…。
ただ、パパスは血の繋がりの絆から「あっ! たしかに!」ってなるのでしょうか。
ダメでした。
記憶と違うらしいです。
サイズ感とかですかね?
思いの外、感動的な雰囲気にはなりません。
しばらくぶりに会った父親に馴れ馴れしい言葉遣いのDQ5主人公。
「いや まあまあ 話すと長いんだけどさ〜」は、ちょっと失礼まである馴れ馴れしさです。
あと、顔がかわいい。
無事なの!?!?
死んだ人が送り込まれる場所じゃないんですね…。
無事の概念、とは…。
奴隷生活とか石化とかに言及しないのは偉いです。いきなりそんな悲惨な話は聞かせたくないですもんね。配慮があります。
あと、なんか敬語になってますね。「話すと長いんだけどさァ〜」は、子供時代からの奴隷生活が長かったせいで教養がついていなかった描写なのでしょうか(考えすぎです)。きっと、慌てすぎたんですね。
いや、展開よりもアンタの理解の方が早いよ。
死を覚悟してリンチされていた直後(に異世界転生された)の反応とは思えませんね。
あ…わかった、わかりました。
このCM、感動路線じゃないんですね…?
パパスという号泣イベントのキャラを使って、あえてウケ狙いのCMにしたんですね…?
「まじで感動しました」というチャラ発言。
まじやべーっす、かっけーっす! というノリです。というか、あの時の主人公が感じていたの、悲しみや悔しさ、恐れや不安とかではなく"感動"だったんですね…。
リンチされるパパスを見て「ほう、父親として子を守るか…素晴らしい漢(おとこ)だ…!」とか思っていたんでしょうか。
パパス、これ聞いて違和感なく受け入れられるんでしょうか…?
「ぬわー」のくだり。
いやせめて「ぬわーーっっ!!」のくだりだよ、ばかたれ。
「ぬわー」のくだりぃ。
く、く、く…くだりぃ!?
くだり"ぃ"!?!?
表情も含めて、チャラい…。
満更でもないパパス。
もうなんだか、笑っちゃいました。
あ、でもこの角度は親子の再会っぽい良いカットですね。
おい、子供と嫁はどうした!?!?
どういう世界観…。
なんでDQ5主人公だけここがドラクエタクトだと理解しているのかはさておき、2人が新しい世界でともに冒険するのは胸熱です。
パパスさんは「ドラクエタクトってなに?」とか「結婚ってだれと?」とかはもう全部飲み込んでくれたのでしょうか。
急な"人生100年時代"発言。
ノリが軽くて唐突なんですよね…。
パパスだから着いて来られているけど…。
「なに! そんなに経ってんの!?」
着いて来られてなかったパパス!
いや…そうですよ。そりゃそうですよ!
なんだよ"人生100年時代"って!!!
パパスとDQ5主人公の再会が見られて嬉しいような、笑っちゃうような…。
なんだか重いテーマに軽いノリをぶつけてくるという、奇妙な化学反応狙いのCMでした。
(文・OGTキシン)
実際のCM
関連記事