イシの村では16歳で成人とされており、16歳を迎える若者は村に隣接する神の岩に登ることになる。
神の岩には大地の精霊が宿っており、頂上で祈りをささげることで成人の儀式が完了する。
そしてドラクエ11の物語は、この神の岩を登るところから始まる。
勇者は元々イシの村も生まれではなく、ユグノアから流れ着いた赤ん坊だった。そのため正確な誕生日はわからず、同じく赤ん坊だった村長の娘、エマと同じ誕生日ということになった。
そのため勇者とエマは同じ日に神の岩に登ることになる。
神の岩にはモンスターが出現する。以前は出現しなかったらしいが、なぜか出現する。モンスターを倒すのは勇者と道案内役の犬・ルキだ。エマは勇者にアイテムを使うか応援をするだけで、自分で戦うことはない。
こうして二人は頂上を目指す。道中はモンスターが出るだけではなく、村の少年マノロがスモークにつかまっていたり、ヘルコンドルの攻撃を受けたりと色々波乱万丈だが、無事儀式を済ませる。
これ!
勇者がもしイシの村に流れ着かなかったら!
エマ一人で行っていたってコト!?
ちょ、ちょっと無理があるんじゃない!?
イシの村スパルタすぎない!?さすがデルカダールも認知していない辺境of辺境の村。
いくらこれまではモンスターが出なかったからってさ、それにしたってさ。というか今回からモンスター出現しちゃってるしさ。
そりゃ勇者はまだいいよ。なんかしょっぱなから剣の心得があったっぽいから。
でもエマは無理でしょ。アイテム使うか応援するかしかできないもん。エマが一人でモンスターが闊歩する神の岩に登るのはあまりにも無謀すぎると思う。
勇者がいなかったらどうするつもりだったのだろうか。エマ(とルキ)だけで神の岩に登って、しかもマノロがスモークに捕まっちゃたりなんかしたらどうしようもできない。さらにヘルコンドルまで現れたら……。勇者がいなければこれらのイベントが起きない、という保障もない。もしもエマがこれらのイベントに1人で遭遇していたらと思うと、ダン村長、本当にこの儀式必要ですか?
もしかしたら最初にスライムが出てきた時点で儀式を中断したのかもしれないが。
いやでもそれならたとえ勇者がいたとしても儀式を中断しろよ!てかなんでモンスターが出てこないなら勇者はイシの剣とイシの大剣を用意周到に持っているんだよ!
さては村長、知っていたな?最近神の岩にモンスター出てくるけど、エマは勇者と一緒に登るからなんとかなるだろ~とか思っていたな?
そうだよな、明日はエマと勇者が成人の儀式を受ける日だから、神の岩の状態を一旦下見しておくかとかやっていそうだもんな。道がふさがったりしていたら大変だからな。
村長貴様、謀ったな!
大体モンスターが出てこなかったとしてもあの儀式ちょっときつい。普通に崖とか登るし。エマは何をスカートで登ろうとしているんだ。筋力結構必要じゃん。
この儀式、あの村にいる人は全員やっているんだよな。ぺルラもダン村長も、家で飯食ってるおじさんも。みんなあの岩を登っている。モンスターこそ出ないものの、岩を登るのだけでも結構大変。筋力結構必要じゃん。みんな見る影もないけど、結構鍛えていたんだなぁ。ってことはエマも!?意外とインナーマッソーが!?だからダン村長はモンスターが出ても止めなかったのか!?
すごい村だな、イシの村。私は絶対ここに生まれたくない。岩登りたくないもん。失敗したら普通に死にそうだし。儀式さえなければ穏やかで過ごしやすそうないい村なのに。
実は村人全員岩登りができる筋肉を持ったすごい集落だったとはな。でもそれだけ強くてもデルカダールに攻めいれられたらなすすべがない。大国の力にはかなわない。
なにはともあれ、エマは勇者と一緒に儀式を受けられて良かった。
ところで崩壊後の世界ではイシの村に移り住むデルカダールの民もいそうだが、その子供たちもやっぱり儀式を受けるのだろうか。
それならデルカダールに戻りたいなぁ。
(文・やなぎアキ)
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