ダイの大冒険には数々の魅力的な技が存在します。
しかし、戦いの中で大事なのは技だけではありません。
戦うためには、武器が必要なのです。
そしてダイ大の武器と言えば、忘れてはならない人がいます。
それが魔界の名工ロン・ベルク。
その圧倒的な腕で多くの強力な武器を生み出してきたロン・ベルク。
ダイたちのことを気に入った彼は、アバンの使徒のために武器を作ります。それを持ってダイたちは最終決戦に臨むのです。
今回はそんな作中屈指の功労者、ロン・ベルクの作品たちを紹介したいと思います。
数が多くて長くなりそうだったので、前後編に分けて紹介します。
鎧の魔剣
作中で一番最初に出てきたロン・ベルクの作品で、登場時のヒュンケルが使っていた武器です。序盤からすでに登場するロン・ベルクの存在感!
鎧化(アムド)の掛け声とともに、全身を鎧で覆うことが出来、その防御力は序盤のくせにもうチートだろ!と言いたくなるほど。なんとあらゆる呪文やブレス攻撃を防ぐのです!ギガントアーマーもびっくり。ただしどれだけ強力でも金属でできた鎧なので、ライデインのような電撃呪文はさすがに防ぐことが出来ないようです。そこをポップたちに突かれてしまいましたね。
鎧化していない状態の剣はごつくてでかくていかにも悪い奴が持ちそうな見た目をしています。それもかっこいい。
鎧化したあとはかぶとの部分に剣が収納されており、それを取り外して使います。斬新。剣と言っていますが、蛇腹状になったりして結構変形自在です。あとで出てくる武器もそうですが、ロン・ベルクってけっこう伸縮自在!とかそういうの好きですよね。
最終的にはバラン戦の際に、武器を持たないダイのためにヒュンケルが剣を託し、見事バランの真魔剛竜剣を打ち折ることに成功します。このときに魔剣も崩れ去ってしまいました。地上最強の剣と言われた真魔剛竜剣を折ったということで、その話を聞いたロン・ベルクはご満悦でしたね。あくまでも魔剣はオリハルコンではないので、確かに大したものです。
ちなみに私はヒュンケルの顔が好きなので、鎧化するとその大部分が隠れる魔剣はそんなに好きではありませんでした。ここに告白します。
まぁ顔を隠さないで戦うことがほとんどだったのでいいんですが。
鎧の魔槍
こちらは名前からもわかる通り、鎧の魔剣の槍バージョンです。
陸戦騎ラーハルトの武器であり、剣同様鎧化の掛け声によって鎧をまとうことが出来ます。多分性能は剣と一緒です。ただし剣ほどがちがちに鎧をまとうわけではなく、動きを阻害しない程度になります。防御力と機動性を兼ね備えていると言ってもよく、要はサイヤ人の戦闘服みたいな感じです。違うか。
先に書いたように、機動性が高いため素早い攻撃を得意とするラーハルトとの相性は抜群でした。それはヒュンケルをも圧倒するほど。
その後戦いに敗れたラーハルトは死闘を繰り広げたヒュンケルに魔槍を託します。
剣から槍への武器変更でしたが、さすがヒュンケル、すぐに使いこなし物語終盤まで大活躍します。でもヒュンケルって上裸で戦っている印象があるんだよなぁ……。
そして最終的には、バーンパレスでの戦いの際に復活参戦したラーハルトの元に魔槍は戻ります。
ラーハルトからヒュンケルへ、ヒュンケルからラーハルトへ。友から友へ受け継がれる戦いの意思、熱いですね。魔槍は戦いの中で紡がれた彼らの友情の証でもあるのです。
頭部がよく見えるので、ヒュンケルの顔が好きな私も大満足ですね。
グレイトアックス
こちらは物語終盤にて、ロン・ベルクの大盤振る舞いで作成された武器のうちの一つでクロコダインのものです。よく考えたら、あの短期間であんなにたくさん武器を作るロン・ベルクすごいな。
クロコダインは元々真空の斧を使っており、かかげるとバギ系呪文の効果がありました。バギなのかバギマなのかバギクロスなのかわかりませんが、威力からしてバギマからバギクロスと言ったところでしょうか。序盤からノーコストでバギクロスを打ってくる敵、今思うとやばすぎるな。
と、真空の斧自体かなりの強さなのですが、このグレイトアックスはさらにすごいです。轟火の掛け声でメラ系を、爆音の掛け声でイオ系の呪文を放つことが出来るのです。3つて!3つて!恐らくそれぞれの威力も申し分ないはずです。
魔法を使えないクロコダインにとって、相当強力な武器になるでしょう。属性の違う3つの呪文を使えるとなれば、並の魔法使いより強いのでは?
とはいえ、肝心のクロコダインの見せ場が終盤はそれほど多くないため、必然的にグレイトアックスの見せ場も少ないです。
クロコダイン自身の怪力とこの斧の能力を考えると、もし魔界編があれば魔界の有象無象の雑魚を散らすのに絶対役に立ってましたよねぇ。
ところで、グレイトアックスという名前、ロン・ベルク作の武器にしてはわりと平凡だなと思っています。
星皇剣
ロン・ベルクさんは武器職人ですが、彼自身も戦士です。その強さはミストバーンと互角に渡り合うほど!作中の強さランキングでも上位に食い込むんじゃないですか?
そしてそんな彼が、自身のために作った究極の武器こそが星皇剣!
厳重に封印されていたそれは一見何の変哲もない双剣です。しかし、この武器はロン・ベルクが100年以上をかけて作り、それでもなお未完成であるという超大作なのです。
ロン・ベルクの最強の技である星皇十字剣。それはあまりの強力さによって、大抵の武器は耐えられず大破し、さらには使用者にすらダメージを与えてしまう諸刃の技です。
その一度使えば自身にもダメージが及ぶ技、それに耐えるために作られた武器が星皇剣です。しかし未完成ゆえに、ロン・ベルクはこれを封印していたのでした。
この剣を使うときは、つまり諸刃の技である星皇十字剣を使うとき!
そしてこの封印を解いたのが、北の勇者ノヴァだったわけです。自らの命を捨てて超魔ゾンビザボエラに立ち向かう彼の勇気を目の当たりにし、ロン・ベルクはこの剣を解放したのです。勇者の勇気が、彼に決意を抱かせた名シーンでしたね。
自身の強すぎる力に耐える剣を作りたい。この気持ちを持ちながら武器職人を続けている彼だからこそ、竜闘気にも耐えられる剣が欲しいと望んたダイの気持ちもよく分かったのかもしれません。
ところで、この星皇剣が出てきた回の感想を読み直してみたんですが、「勇者」についてめちゃくちゃいいことを書いていたので是非読んでください(隙あらば宣伝)。
以上、ロン・ベルクの作った武器、前編4作品でした。
魔界の名工が作った武器、とかいうどう考えても強いに決まっている反則級のアイテムですが、物語の最初の方からすでに登場しているのが面白いですよね。
ダイ大はキャラの強さにしろ技の強さにしろ、序盤からけっこう強力なものが多いのですが、武器にしてもそうなんだなと思いました。
後編は来週!
(文・やなぎアキ)
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