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【ダイの大冒険】ダイ大第七十七話感想!最高の回のはずが、予告に持って行かれた感。

現在アニメ放送中のスパイファイミリーを漫画で全部読みました。

流行っているだけあって面白いですね~。アーニャの学校生活が癒されます。

 

しかし相変わらずアニメで見ているのはダイ大だけです。

 

各話感想

アニメ『ダイの大冒険』各話感想 1話~50話 - DQフリ ドラクエファンサイト

 

では「もう一人の勇者」行ってみましょう!

 

ノヴァの生命の剣

前回、追い詰められたザボエラが大量のモンスターの死骸を使って究極の進化を遂げてしまいました!

超魔生物の弱点を補った生物、その名も超魔ゾンビ!

ちなみにTwitterで教えていただいたのですが、これは読者応募で採用されたモンスターだそうです。読者のセンスがすさまじすぎる。天才か……?

 

さぁ、ロン・ベルクの刃さえ通さなかったこの超魔ゾンビ。中に入ったザボエラも当然無傷です。己は決して傷つかず、相手を蹂躙するだけ、本当にザボエラ汚い。

モンスターの死体を使ったゾンビという点から、ブロキーナ老師の閃華裂光拳も効きません。もちろん魔法も効かない!ポップほどの魔道士がいれば別かもしれませんが、地上にいるのは並の魔法使いのみ!

次々と倒れる戦士たち!クロコダインのグレートアックスもボロボロになってしまうほどの超魔ゾンビの肉体!

 

ロン・ベルクの剣と力が通じなかったのです。それ以上の力と武器がなければ太刀打ちができません。ノヴァは考えます。打開策はないかと。

 

このままではザボエラにミナカトールの結界が破られてしまう!

 

怪力を誇るクロコダインすらも赤子のように持ち上げるザボエラ。今こそ自分たちだけでダイのような力を発揮しなければならない、と言うノヴァに、そんなことは不可能だと言い切るロン・ベルク。この二人、本当に仲が悪い。

しかしロン・ベルクの言うこともわかります。彼は人間たちよりもはるかに長く生きてきた魔族。それだけに幾多の修羅場を潜り抜けてきたことでしょう。その経験が物語るのです。無理であると。

ザボエラを倒すための武器、それがないかと考えたノヴァは思いつきます。自分の命がある、と。自身の命を、武器にする、と。

 

ノヴァは折れた剣の先を握りしめ生命力を注ぎ込みます。当然手がめっちゃ切れます。血も出ます。これ、土曜の朝から子供が見ていい絵じゃないでしょ。こういう描写、苦手なんですよね~。わかりやすく痛みが想像できちゃうから。

と、アイタタタとやっていると、ノヴァの顔がみるみる老化していき、かわりに光り輝く剣が形成されていきます!これが、生命の剣!そうか、前回の予告で老化していたノヴァは、相手の攻撃を受けたからではなく、自らがその生命力をささげていたからなのか!ノヴァ、お前ってやつは!ばかやろう、そのままじゃお前が死んじまうぜ!

 

鬼気迫るノヴァを前に、ロン・ベルクは圧倒されます。

それでも彼はノヴァを止めます。お前は失敗する、と。

剣を使ってもザボエラを露出させるだけの威力はない、いますぐやめろ、と。

 

ロ、ロン・ベルクサン……!これは決して、ノヴァのやろうとしていることは無駄だからやめろという、今までのような気持ちからだけではないと思います。これほどまでの漢気を見せるノヴァを、本心から死なせたくないと思っているからの言葉じゃないでしょうか!ロン・ベルク、素直じゃないぜ……!

 

しかし、それで止まるノヴァではない!

生命の剣なら折れない、だから叩いて叩いて叩きまくって、わずかでも傷をつける、それができればいいのだと!そう、この命が尽きるまで!

それは、決して無駄死になんかではない!たとえ死のうと、その行動によって皆に何かを残せるはずだ、それこそがかつて勇者を名乗った自分にできる務めである、と。勇者という一言にハッとさせられるロン・ベルク。

 

勇気を与えるのが勇者

ノヴァは思い出します。ダイとの修行を。

ダイとの力の差をまざまざと見せつけられ、勇者を名乗った自分を恥じます。

しかしダイは、一番強い人一人だけが勇者という考えはおかしい、と言います。だからといって、どういう人が勇者なのかは彼自身も答えを出せません。彼は周囲に勇者勇者と言われてきて、その期待に応えてきたからこその勇者だと思います。力が強いから勇者になったのではありません。期待してくれている人たちがいて、その人たちのために戦ってきたからこその勇者ダイです。

そしてノヴァもまた、故郷では勇者と呼ばれています。ノヴァも故郷の人たちのために戦って、その人たちを救ってきたのです。

だから、ノヴァも勇者です。

ダイのまっすぐな気持ちを受け、ノヴァも自身が勇者であることについて力が湧いてきます。そして彼の中で、勇者とは何なのかの一つの答えが見いだせたのです。

 

真の勇者とは、自らではなくみんなに勇気を湧き起こさせてくれるものである、と。もし自分が倒れたとしても、自身の残したものによって後から続く者たちに勇気を与えられる、それができれば、自分にも勇者の代わりができるだろう、と。

ノヴァのたどり着いた勇者像は、そこにあったのです。自身の強さは関係なく、周りを強くするための行いができる、それこそが勇者であると考えたのです。

たしかにダイも、大魔王バーンとの決戦の前にして戦士たちを鼓舞しました。彼の存在が、皆に勇気を与えるのです。

 

勇者とはどういった存在なのか、それは人によって答えが変わってくると思います。苦しい時に皆を助けてくれる存在である場合もあるでしょう。ノヴァの言う通り皆に勇気を与える存在でもあるでしょう。でも大事なのは選ばれしただ一人の人がなるものではないということ。誰だって、勇者になれるのです。

マゾッホが以前、「勇者とは勇気あるもの」と言っていました。勇者の道はそこから始まります。力が強いとか、特別な力があるとかじゃないのです。きっと勇者とは、勇気を振り絞って行動することから始まり、いずれその勇気を今度は人々に湧かせることで一つの完成を迎えるのかもしれません。それが、ダイの大冒険においての一つの勇者像なのでしょう。

 

えっ、こんな「勇者とは!」っていう大事な話を、ダイたちメインメンバーの話ではなく、脇を固めるメンバーたちが行うんですか?そ、そうか、だからこそ勇者は誰だってなれるというテーマに行きつくんですね。これをダイたちがやったら、やっぱり勇者はダイなんだぜ!ってなっちゃいますもんね。ね、練られた構成……。

 

生命の剣を構え、ザボエラに斬りかかろうとするノヴァ!

猪突猛進で向かっていくその剣が刺さったのは……!!

 

ああ!やはりロン・ベルクだぁああああああ!!

 

もういい、と声をかけるロン・ベルク。あまりの衝撃に剣から手を離したノヴァには、みるみる生気が戻っていきます。

なぜこうまでしてロン・ベルクは彼を止めるのか。

 

それは、ロン・ベルクが勇者ノヴァのことを認めたから。認めたからこそ、無駄死にさせたくないと思ったから。馬鹿なやつだと無駄死にさせないのではなく、すごいやつだから無駄死にさせたくない。二人の関係性は確実に変わってきています。

魔族と人間、流れる血の色は違くても、命の価値は同じ。それならば、自分が命をかけるのが道理だろうとロン・ベルクは考え直したのです。

そう、超魔ゾンビを倒す力と武器などないと言っていたロン・ベルクでしたが、あくまでもそれは命をかけないでいた場合。ノヴァの命をかけたその行動に、ロン・ベルクはまさしく勇気をもらい、自身が長らく封印していた禁断の武器に手を伸ばすのでした。命をかけるほどの決意をしたならば、超魔ゾンビなど敵ではない、と。

 

ロン・ベルクの一撃

ロン・ベルクが解き放ったそれは、巨大な、巨大な……なんだ。顔っぽい岩です。

とりあえず急に出てきた兵器を攻撃するザボエラ。が、ザボエラの刃が今度は折れたー!!そしてその岩から出てきたのは、二本の剣!これこそが、ロン・ベルクが生み出し、そして封印していた究極の兵器!

その名も星皇剣!

アニメを見ている段階では、聖王かと思っていました。魔族が作ったのに聖なるってのも変な話だなと思ったのですが、やっぱり違いましたね。一応技の名前に使われる漢字は調べてから書いています。

 

彼が100年以上かけて作った、彼専用の武器!一体どんな威力を見せてくれるのか!

二本の剣を構えたロン・ベルク。しかしここで引くわけがないザボエラ!拳を振り下ろすザボエラぁああああああ!

だがロン・ベルクの超絶軽やかな身のこなしにて全てをかわされる!

 

虚勢を張ろうとするザボエラでしたが、ロン・ベルクの気迫に押されます。あまりの破壊力に使い手であるロン・ベルクすらも恐れるその剣。この剣で一度でも攻撃をすれば、彼自身の体も危ういようです。だからこそ、あのミストバーンとの戦いでも使わなかった、それが星皇剣!恐らくは今後も使うつもりはなかったでしょう。しかし、ノヴァの行動が、ロン・ベルクに勇気を与えたからこそ、今自身を犠牲にしてでも使うことにしたのです!

さぁ放て!超魔ゾンビなどという命を冒涜したザボエラに、その一撃を喰らわせるのだ!

 

星皇十字剣!!

 

 

決まったぁぁあああああ!!超魔ゾンビの肉体が見事に十字に切られたぁぁあああああああああ!!

 

あの世でせいぜい自慢しろ。俺がくれてやった、その十字の餞別をな。

 

ロン・ベルクさんんんんんんんんんんんん!!

好きだァあああああああああああああああああああああああ!!!!

うわああああああああああああああああああああああ!!

 

という叫びの途中に、星皇剣が砕けたかと思えば、なんとロン・ベルクの両腕が破壊されるがごとくとてつもないダメージを帯びました!

なるほど、だからこそ彼はこの剣と技を使わなかったのですね。必ず両腕が使い物にならないほどのダメージを負ってしまうから……。

彼は200年ほど前にも一度同じことをしていたらしいです。それが、彼が武器を作るようになった理由。自身の力に追いつかない武器、それゆえに負うダメージ。だからこそ、自分の強さに耐えられるだけの剣を作ろうと、その結果できたのが星皇剣。しかしまだ未完成だったがゆえに今回も両腕がやられてしまったのです。ダイたちの武器を作るのに夢中で、自分の武器には手が回らなかったから……。ダイもまた、自分と同じように自身の力に追いつかない武器のもどかしさを抱えていたから、ついついかまってしまった結果です。

 

自分たちのために、危険とわかっていながらもあの剣を使ってくれたロン・ベルク。彼の話を聞き、ノヴァは涙を流します。しかしロン・ベルクは自分の行いに後悔はしていません。死なせたくないやつらを、この手で守れたのですから。ただ、この両腕では、彼らが生きている間はもう武器を作ることはできないでしょう……。

それを聞き、ノヴァは決意します。

 

僕のこの手を使ってください、あなたの傷が癒えるその日まで。

 

ノヴァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

スキダァアアアアアアアアアアア!!

アアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

ロン・ベルクの代わりに、自分が剣を完成させるから。尊敬できるあなたから、多くを学びたいから。

 

ノヴァの申し出を、酒瓶を開けてくれという言葉で受け入れるロン・ベルク。

ダイという勇者はアバンという師の元で心身共に強くなりました。今度はノヴァが、ロン・ベルクの元で強くなっていくことでしょう。

出会いはお互い印象が悪かった二人でしたが、戦いの中でお互いの心に秘めた熱い思い、戦う理由を知り、受け入れあうことができたのです。

孤高の勇者、孤高の職人だった二人が、これからどんな物語を見せてくれるのか、とても気になります。ロン・ベルクは長命な魔族なので、ノヴァと過ごす時間と言うのは彼にとってそれほど長くはないかもしれません。それでも、これから彼自身がノヴァから学べることもたくさんあると思います。それはきっと、彼の長い人生でかけがえのないものになるはず。ダイと出会えたことで、最高の師匠に出会えたノヴァと、最高の弟子に出会えたロン・ベルク。

長々と書きましたが、端的に言うと尊いです。ありがとうございました。

 

 

いやぁ、めっちゃいい回でした。ロン・ベルクの活躍のみならず、こんな素晴らしい終わりを見せてくれるとは。

ようやくノヴァのことが好きになれましたよ。絶対この二人、ファンの間で大人気ですよね。たまらないですね。

 

そして次回予告!!

めちゃくちゃびっくりしたんですけど!ヒムぅぅぅぅぅううううううう!?って声が出たくらいです。一体何が起きたんだ!?

なぁ!ダイ大、面白すぎるだろ!

 

 

 

え?ザボエラがまだ生きている?ア、ソウデスカ。

 

(文・やなぎアキ)

 

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