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【ダイの大冒険】ダイ大六十話感想!大事なのは肩書ではなく、なぜ戦うかだ。

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YouTubeにて、サムネでネタバレをしてくる動画が多々あり恐ろしくなってきたので、履歴を残さない設定にしました。

随分前に連載終了した作品とはいえ、現在放映しているのですからちょっとは配慮してほしいものです。

 

でも一番大事なのは自衛ですね!

 

各話感想

 

さぁ、めちゃくちゃ感動しそうな60話「ダイとポップ」いってみましょう!

 

命が惜しくなる

魔王軍に囚われてしまったヒュンケルとクロコダインは、死刑宣告をされてしまいます。

みんなに迷惑をかけるくらいなら死んだ方がましだとクロコダインは考えますが、ヒュンケルの脳裏にはまさかのエイミさんが泣く姿がよぎります。自分が死んでも問題ないと思っていたヒュンケルのために、アスペクト比を変えてまでして涙を流したエイミさん。ヒュンケルの中に、今までになかった思いが芽生えたようです。

鎖につながれた二人の元を訪れたのはミストバーン。

彼らが死んでしまうのは惜しいと考えたミストバーンは、ヒュンケルに自分の配下になるよう持ち掛けます。

ヒュンケルの回答は、まさかの「保留」。

一も二もなく断るだろうと思っていたクロコダインは、ヒュンケルの言葉に怒り狂います。そりゃそうでしょう。ここまできて、まさか寝返るのか!?と思ってしまいます。命が惜しいあまり、ダイたちを裏切るのかヒュンケル!

親友だと思っていた相手の裏切りに怒るクロコダインに、ヒュンケルは何が起きても自分を信じてくれ、と告げます。

ヒュンケルは、ただ命が惜しくなっただけではないのかもしれません、何か策があるのかも……?エイミさんの涙によって、命を無下に捨てるのではなく、できる限りのことをしてもがいてみようと思ったのでしょうか。アバン先生の、とにかくじたばたするという思いがここでもアバンの使徒に影響したのでしょうか。いさぎよく死ぬよりも、往生際悪く最後まで戦ってみる、その方が、人間らしいじゃないですか。

 

一方、無事みんなと合流したダイでしたが、大魔王バーンの強大な力にすっかりと戦意喪失した模様。父と共に戦っていくはずが、その父も己の中からいなくなってしまいました。

ダイは、フローラたちがヒュンケル・クロコダイン奪還のための作戦会議をしている様子を盗み見ます。

そこでは、みながダイに多大な期待を寄せていました。勇者がいれば、みんなが結束する。勇者がいれば、みんなも戦ってくれる。だって勇者は、みんなの希望なのだから。

ダイ自身、もう戦いたくないと思っているのに、周囲はそれを許してはくれません。大きな、大きすぎる期待をかけられていることを知り、ダイはその場から思わずルーラで逃げ出します。

今のダイにとって、みんなは自分を無理やり戦わせようとする理解のない人達であり、誰も理解者がいない孤独な状況に押しつぶされてしまったのです。

剣を失い、完璧に敗北し、さらには父をも永遠に失い、それほどのことが、この幼い少年の身に降りかかってきたのです。それでもなお戦えと、だって勇者なのだからと。ダイは立ち上がることが出来なくなってしまいました。

ああでも、誰が彼を責められるでしょうか。私たちはこの小さな肩にあまりにも重い期待を寄せすぎました。

 

ダイがどこにもいないことを知ったレオナたちは、必死に彼を探します。

フローラは、ダイ自身にも苦しみの正体がわからないのだろうと考えます。戦うことが恐ろしいのではなく、勇者としての期待に応えられないことが恐ろしいのだと。自分に勝てないようでは真の勇者とは言えない、と言うフローラにレオナは、彼は本物だと反発します。勇者だって、最初から完璧なわけじゃないのです。苦しんで、悩んで、時には逃げ出して、そういう紆余曲折があって、本当の勇者になれるのです。勇者は勇者と呼ばれたからなるものでなく、勇者として必要なものが自分に実ってからなるものなのです。だから、レオナはそれを信じています。

 

ポップはダイを探している最中、落ち込むマァムを見かけます。ダイすらもいなくなってしまい、前回せっかく前向きになっていたマァムの心はそろそろ限界を迎えてしまったようです。

ポップはマァムの手を取り、全然心配ない、と彼女を励まします。

いつも真っ先に逃げてきた自分がいるんだから、大丈夫だと。ポップが臆病ゆえに逃げ出していた時なんて、もうずいぶん昔のことなのに、それでもそのことを引き合いに出す彼。彼にとってそれは戒めなのかもしれません。それを忘れないようにしていれば、もう二度と仲間を見捨てて逃げることはしないのです。魔法使いはパーティーの中でもクールでいなきゃいけません。冷静に見極め、時に仲間を導くのが、ポップの役割なんでしょう。

 

ポップは、ダイがルーラを使ったのではないかという考えに至ります。では行先は……?

 

 

ダイが行きついた先はテランでした。

そこでは、竜の神の像の前で、必死に祈る少年が。勇者が大魔王を倒してくれるよう、竜の神にお願いしていました。

しかし、その竜の神が、大魔王は神よりも強いと言っていました。ダイは、少年の期待に応えられない自分の無力さに泣きます。

そこに月明かりに照らされて現れたのは、ずっと一緒に旅をしてきた親友、ポップでした。

 

勇者という肩書

ダイが泣くのを、そばでただ待っていてくれるポップ。

ダイはなぜ自分がここにいるのがわかったのかポップに聞きます。するとポップは、自分はデルムリン島からずっと一緒に旅をしてきたのだから、お前に行けて俺に行けない場所はない、と笑います。

そう、ここまでの長い長い旅路で、たくさんの仲間が出来ましたが、いつだって一緒だったのはポップだけです。ポップは、ダイをずっとそばで見てきました。

 

勇者なのに戦いから逃げ出した自分を怒らないのか、とダイはポップに迫ります。ポップは、マァムを励ましたときと同じように笑います。大きな敵を前にして、逃げ出してしまう気持ちはポップが誰よりもわかっています。父も武器も失ったのに、よくやったんだと。

そう言われてもダイは自分が許せません。どれだけの力を持っていようとも、大魔王には歯が立たず、大事なものを守れない自分が。

レオナやアバン先生と出会い、みんなが勇者と呼んでくれ、だからこそみんなのために勇者としての期待に応えようといつも頑張ってきました。もっと幼かったころ憧れていた勇者は、みんなのために戦うヒーローだったのですから。

しかし、今こうして大魔王から逃げ出している自分は、勇者ではないとダイは思っています。なのにみんなが勇者である自分に期待している、勇者だと思い込んでいる、と。自分を勇者と信じ戦うみんなが死んでいくのが、ダイには耐えられないのです。

 

ダイの悲痛な叫びを聞き、ポップは言います。俺はお前がいなくても、もう一度大魔王と戦う、と。

ポップにとって大事なのは、誰のために戦うかではありません。ここまで戦ってこれたのは、自分が振り絞った少しの勇気のおかげ。その勇気ゆえの日々、その誇りのために、ポップは戦うのです。

アバン先生の仇を討つ、家族の平和を守る、そんな誰かのためだけの戦いなんかじゃなく、自分自身のために、戦いを投げちゃいけない。世界を守る、それもそうだけれど、一番大事なのは、これが、自分たちの戦いであるということ!だから、戦いをやめないのです。

そしてポップはダイが戦いに戻ってきてくれることを信じています。それは、彼が勇者だから、そんな理由ではなく、彼がダイだからです。ずっと一緒に旅をしてきた、ダイだからです。デルムリン島からここまで、ずっと一緒に戦ってきたダイだからなのです。

 

ダイ、勇者って言うのは、そういう肩書があるんじゃないだ。みんなが君を勇者と呼び、期待しているかもしれない。でも大事なのはそんな肩書じゃないんだ。君が君だから、みんなついてきてくれていたんだ。

肩書が最初に来るんじゃない、君が来て、そして勇者になるんだ。

少なくとも、ポップもマァムもヒュンケルもレオナもクロコダインも、君だからついてきたんだよ。勇者だから何かじゃない。勇者じゃなくたって、ダイだから一緒に戦うんだ。

勇者だから頑張るんじゃない、君が頑張りたいから、頑張るんだ。その結果が、勇者なんだよ。その結果が、世界を救うということなんだよ。

 

ポップの心の内を聞き、ダイは再び決意を固めます。

なんのために戦うか、それは、もうわかっています。

 

以前、ダイは勇者は絶対に諦めない、と言いました。そうです、勇者とは諦めないもののことです。しかしダイは諦めかけてしまいました。では彼は勇者ではないのか?

違います。

諦めなかったものが勇者になるのです。

勇者だから諦めないんじゃない。諦めなかったから勇者なのです。

だから、ダイはまだ勇者になれます。今諦めず立ち上がったから。

 

 

五人目のアバンの使徒

ざわつくカール騎士団の前に現れたのは、強い意志をその瞳に宿したダイでした。

皆の前で、正直な気持ちを告白するダイ。自分はバーンよりも弱い、でもだからってバーンを放っておくことなんてできない、その気持ちは誰にも負けない。強い恐怖心の中で、それでも戦うと決意した少年に、戦士たちは強く鼓舞されます。絶対に勝つ自信なんてない、それでも、最後まで戦うのです。

軽口をたたきあうダイとポップ。この少年に、もう迷いはありません。

 

フローラはバーンパレスに乗り込むには、ミナカトールというマホカトールの上位呪文が必要だと考えました。バーンパレスの結界を、その呪文で無効化しようというわけです。

しかし、このミナカトールはあのアバン先生でも習得できなかった呪文です。

そんな強大な呪文を一体誰が……?やっぱりポップかな?

 

するとフローラは、それは5人目のアバンの使徒だというのです!アバンの使徒は、アバンのしるしを持った4人だけでは?幻のファイブマンですか!?

だ、だれ!?

するとすると、フローラはふところからアバンのしるしを取り出したのです!え???あなたが?うそ。え?

 

なんとアバンのしるしは聖なる力を高め邪をはじく力があるのです。今までの戦いの中で、アバン先生に守られていたことを知ったダイたち。このしるしがなければ、負けていたこともあったかもしれないと考えます。でも私は、アバン先生がここにいたら、「ノンノン、ぜ~んぶあなたたち自身の力で勝ち取った勝利ですよ~」とか言いそうだなぁと思いました。それも含めて、アバン先生が彼らに残したものは偉大です。

3人がアバン先生について話しているなか、レオナだけは浮かない顔をしています。彼女だけはアバンの使徒ではないのです。彼女だけは、いつもみんなと同じ土俵で戦えていません。彼女には彼女の戦い方があるのですが、やはりみんなの輪に入れないことは不安に思っていたのでしょう。

 

アバン先生はフローラに、お守りとしてアバンのしるしを渡していました。その後、卒業の証として弟子にアバンのしるしを与えるようになったというのです。

そのフローラのアバンのしるしを、彼女はレオナに託すことにしたのです、5人目のアバンの使徒として。そして、ミナカトールを習得してほしいと。

ただしそのためには恐ろしい試練を受けなければならないようです。

レオナは、突然の指名に驚きを隠せませんが、すぐさま受け入れます。

みんなと同じように戦うために、どれだけ厳しい試練が待ち受けようともミナカトールを習得すると決心します。

 

こうして、アバンの使徒は5人になりました。

回復役がいないのきついな~ってバーン戦で思っていたのでよかったです。これでマァムが攻撃に専念できますね!

しかしレオナは、自分はアバン先生からは何も教わっていないことを心配しています。するとフローラはアバン先生の話をしはじめました……。

 

 

今回は改めて勇者とは何かを考えさせられましたね。

ドラクエは勇者が主人公の物語も多いですが、中には今回のダイにように苦悩した勇者もいたでしょう。

でも忘れないでいたいのは、ゲームでも仲間たちは、勇者だから一緒に戦ってくれたのではなく、彼が彼だから一緒に戦っていたということですね。

 

(文・やなぎアキ)

 

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