人間の敵であるモンスター。しかし意思の疎通ができるものはいる。
魔王級のモンスターは当然できる。知能が高いからだろう。しかし他にも言葉をしゃべることができるモンスターは大勢いる。
しゃべることができるモンスターといえばスライム。「ぼくわるいスライムじゃないよ」でおなじみだ。
もちろん他にもいる。ドラクエ4のデスパレスにいるモンスターたちや、ドラクエ8の三角谷のモンスターなど。
大体フィールドにいるモンスターはしゃべることができるように思える。
しかし、当然全員ではない。
しゃべることができる代表格であるスライムも、個体によっては「ピキー」としか言わないものもいる。ドラクエ5のリメイクでは仲間会話システムが導入されたが、仲間になるスライムと会話しようにも、このピキピキタイプのスライムなのである。
また、PS版ドラクエ7にはモンスターパークという寄り道要素があり、ボスなどの例外を除けば全てのモンスターを手懐けてパークで自由に交流することができる。しかしそこにいるモンスターの大半は、しゃべることができない。
たとえ同じ種族であってもしゃべれるしゃべれないがあるわけではないようだ。
モンスターの種類によって喋れるかが決まっているのではなく、同じモンスターの中でも喋れるものとそうでないものがいるわけだ。
ではどんな違いがあるのだろうか。
言葉を知るものと知らないものがいるということは、その言葉を学んだか否かなのかもしれない。
たとえばしゃべることができるものは学があるのではなかろうか。
同じ魔王に仕えるものの中でも、言葉を勉強できたものとできなかったものがいるのかもしれない。
お前はどうせ戦うしかしないのだから、言葉なんて覚えなくていい、ということで戦闘部隊に入れられたものはしゃべることができない。
お前は城で事務系の仕事をしてほしいから言葉を話せた方が何かと便利だとということで、勉強の機会を与えられたものは、しゃべることができる。デスパレスに勤務しているものなどはこの手のモンスターだろう。フィールドに出て戦うのではなく、デスパレスにてデスピサロの命令を直に聞いたり会議に出席したりするためには、しゃべることができなければならないからだ。
しかしここでちょっと疑問に思うことがある。
スライムにそれ、わざわざさせるか???
スライムのような雑魚中の雑魚にわざわざ言葉を教える意味があるだろうか。雑用をやらせるにしても、スライムよりいい魔物がいるだろう。学習コストがかかりすぎる。
さらには、ドラクエ5の仲間スライムが言葉をしゃべらないことに疑念が生まれてしまう。主人公、言葉くらい教えてやってもいいじゃないか……。君だって、奴隷やっていたときにヘンリーあたりから文字を教えてもらったから文字が読めるようになったのだろう。世の中は助け合いだよ……。
学ぶ機会があったかどうかは一つの説があるかもしれないが、他にも何かあるかもしれない。
ここでオウムの話をしよう。
オウムもまた人間の言葉を話す。いや、正確には覚えた単語を言うだけだが、なぜそんなことができるのか。
それは彼らの舌や喉が人間の舌や喉に少し近いからだ。
つまり、しゃべることができるモンスターもそうなのではないか!?
同じ種族でも、舌と喉がすごい発達しているやつとしていないやつがいるのではないか!?
本当はみんなしゃべることができるくらいには知能があるんだけど、その口の中の構造の違いで実際にしゃべるしゃべらないが決まっているのでは!?
おおよそしゃべることができなさそうな、知能の低そうなボストロール(ドラクエ8)がなぜしゃべれたのかといえば、たしかにあの大きな舌をもってすればむしろしゃべらない方がおかしい!!(?)
そしてドラクエ5で仲間スライムがしゃべらないのは、仲間になってくれるスライムの口はしゃべることができる構造ではなかったのだ!
うわぁ~。
なんだかそれを想像するとちょっと気持ち悪いかもしれない。
スライムに口を開けさせると、舌とか喉が違うやつがいるわけだろう。こいつ、他と違う!となりそうだ。
多分、魔王軍にはモンスター選別所とかがあって、生まれたばかりのモンスター赤ちゃんの口を開いて、しゃべることができる・できないで分ける仕事があるんだろうな。ひよこのオスメスを分けるみたいに。
そういえば、ドラクエ4のロザリーヒルには、ロザリーと仲がいいスライムやイエティがいる。ロザリーヒルにはピサロが進化の秘法を使ったことによりしゃべることができるようになった動物たちがいたが、このイエティやスライムもそうかもしれない。特にスライムに関しては、一人ぼっちのロザリーのためにピサロがそこらの心優しいスライムに進化の秘法を使い、舌と喉を発達させたのかもしれない。
などと答えのない問に今日の向き合っていく。
どうせ飼うならしゃべることができるほうのスライムを飼いたいな……。
(文・深々シン)
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