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【モンスター】「襲いかかる→倒される→仲間になりたい」の心の動き、おかしくないですか?

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襲いかかる→倒される→仲間になりたいってどういう心境?

 

 

いえね、あまりにも当たり前になってしまったから受け入れていたけど、実際問題考えてみたらなかなか異様な光景なわけですよ。

 

バーン襲いかかる!バチコーンなぐられる!倒れる!「ふぅ倒したぜ」!!

 

ムクリ

 

仲間になりたそうにこちらを見ている!! 

 

え??

 

もう一度よく想像してみてください。

 

バーン襲いかかる!バコーンと魔法で焼き尽くされる!吹き飛ぶ!「ふぅ~倒した倒した」!!

 

ムクリ

 

傷つき、焼け焦げ、今だ身体からプスプスと煙が上がっている先ほど襲いかかってきたモンスターが、仲間になりたそうにこちらを見ている!!

 

ええ??

 

か、完全にマ〇ヒストのそれ。痛めつけられたことで何かに目覚めてしまっている。そのなにかというのが内に秘められた善き心だとでも?ほうなるほど、たしかに対として語られるサ〇ィストというのは、時折その残虐性を語られることもあるだろう。痛めつけることで快感を得るその心は、善とは言えない、悪寄りかもしれない。

 

ならばマ〇ヒズムは善き心なのか?Mは善き心を持っているのか?

 

ではもしMなモンスターが主人公以外に痛めつけられたら、目覚めて、仲間になりたそうにするのか?いやしない。主人公だからこそだ。誰でもいいわけではないのだ。SとMは常に対極なようでいて、そんな簡単には言い表すことができないものなのだ。

 

などと意味のない(本当に意味のない)ことを考えていたところ、ある漫画を思い出した。

 

パンプキン・シザーズ。

 

岩永亮太郎著の漫画だ。ある戦争を軸に、国の戦災復興に奔走する情報部の漫画だ。

 

その15巻で、このSとMについて非常に興味深い考察が語られていた。(普段は全然そんな感じではないわりとマジな部類の漫画なので勘違いしないでほしい)

 

SとMというのは、Slave&Masterである、というのだ。

 

つまり、主人とそれに従う者という主従関係こそがSMであると。

 

なんということだ、目から鱗だ。なるほど、いくら痛めつけられることが快感であっても、その相手は誰でもいいわけではないのだ、主人でないといけないのだ!YES!MY MASTER!SとMの逆転!

 

はっ!これは……!

 

モンスターと主人公の関係性も同じなのでは!?!?

 

彼らにはれっきとした主従関係がある!仲間とは言いつつも、モンスターたちは主人公の命令に従う!

 

主人公というMasterに思い切り倒されたことにより、モンスターはSlaveになる!

 

今まで人間に襲いかかるという、むしろMaster側だったモンスターがMからSになるのだ!これはもはやSonster。

 

SlaveとMasterという関係性。それがあるからモンスターは主人公が相手ではないと仲間にはならないし、しかも倒されるという過程を経てでしか仲間になれないのだ。例外については考えない。何にも例外はつきものだから。

 

そういえば魔物使いはモンスターズなどではモンスターマスターとも呼ばれる。やっぱりMasterだ!

 

Masterとしての素質あるものが魔物使いになれ、そのMasterのSlaveとなりたいものが起き上がって仲間になりたそうにこちらを見るわけだ。

 

主人公をMasterとして認められないものは、一向に仲間になってくれないのもわかる。SとMというのは絶対的ではなく相対的なのだ。SはSでもそのMasterは主人公ではなく魔王などの場合は、どうあがいても仲間になどなってはくれない。だから多分魔王も一回はモンスターたちを倒しているんだろうな。Master認定されるために。Slaveと言いつつ、Masterを選ぶ権利があるのはSの方なのだ。

 

 

 

こういう仕組みがあるからこそ襲いかかってきたモンスターが倒されたあと、起き上がって仲間になりたそうにこちらを見てくる心境の変化を上手く説明できるわけだ。

 

それっぽいことを言ってみたが、こちらの方がよほどそれっぽいことが書いてあるので、何言ってるんだこいつと思った方はこちらも読んでみてください。

 

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(文・やなぎアキ)

 

 

 

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