今やドラクエの持ち物といえば、必ず袋があるためにほぼほぼ制限はないといえる。
同一アイテムを99個まで収納できる四次元袋のおかげで、目一杯やくそうを持ち込んでダンジョンに潜り込んだとしても宝箱の中身を問題なく手に入れることが出来る。
しかし、ドラクエ5まではふくろはなかった。
しかし預り所なるものがドラクエ3から登場し、ドラクエ1や2でもリメイクでは預り所が登場する。
アイテムを引き出す際に手数料がかかる作品もあるが、アイテムを投げ捨てるよりは幾分ましかもしれない。
とはいえ、やはりアイテム管理というのはシビアなものであった。
仲間が数人いれば、それだけアイテムの所持数が増えるので一人旅よりはましではある。回復呪文が使える仲間にやくそうをわざわざ持たせる意味がないので、必然的にアイテム枠が空きやすい。ダンジョンで手に入るアイテムを無駄なく取ることはやりやすいだろう。
そう、複数仲間がいたり、回復呪文が使えればアイテム枠というのは途端に自由度が上がる。ふくろが無くてもなんとかやりくりができる。
しかし、中にはシビアなアイテム事情により苦しむキャラクターがいる。
ドラクエ4第三章、武器屋トルネコである。
トルネコは一人で旅をする。
そして回復呪文は覚えない。
さらに苦しいのが、
敵のドロップアイテムが多いことだ。
トルネコの章は戦闘は大して難しくはなく、お金もたまりやすいため簡単に装備がそろう。とはいっても、やくそうの一つも持たずにダンジョンに潜り込む勇気は少なくとも私にはない。そうでなくとも、愛する妻からもらったべんとうを無駄使いするだなんてとんでもない。
そして、第三章の特徴として敵が武器防具をドロップすることがあげられる。いつアイテム欄を圧迫されるかわからないのだ。フィールド上で旅の商人に会えればまだラッキーだが、来てほしい時には来てくれず、ましてやダンジョン内には現れてはくれない。
また、第三章の特徴的なアイテム、鉄の金庫の存在もあげられる。これを手に入れるかどうかはプレイヤーの任意であり、別に手に入れなかったからといって何かがあるわけではない。
しかしこれを持っていると、万が一トルネコが死んでもお金が半減することはないのだ。
その代わり、持ち物欄が一つつぶされてしまう。
全滅するリスクが少ない第三章とはいえ、うっかりメラゴーストなどにやられることがないとはいえないため、ついつい手に入れてしまう。これが本当に邪魔になってくる。
そしてこのアイテム管理のシビアさは、第三章終盤の女神像の洞窟で本領が発揮される。
トルネコは店を手に入れるための資金作りとして、(大抵の場合)銀の女神像が眠るこの洞窟に潜る。
そこは洞窟なだけあって宝箱が多い。
中には、ホーリーランスやはがねのつるぎが入っている。トルネコは装備することができないものの、大金を要するこの章においてこういった装備品は重要である。なんとしてでも確保しておきたい。
しかし!トルネコが持てるアイテムは限られている!
うっかりやくそうを複数個や、キメラの翼なんて持ち込もうものならあっという間にアイテム欄の空きはなくなるだろう!
しかも!洞窟なのでわんさかわんさか敵とエンカウントする!
すると落とすわ落とすわはがねのつるぎやらてつのよろいやら!
今いらねぇよ!と言いたくもなる。
しかし今はいらなくても、店を手に入れた後は必要になってくるからおいそれと捨てられないのが悲しいところ。
ここでトルネコによっては、スコットとロレンスを雇っている場合があるだろう。5日間限定の仲間である。
複数の仲間!
これは!これは!
別にアイテムに関しては何の解決にもならないのである。
彼らはNPCなので、アイテムを持つことはできない。
しょせん金で雇われたやつらなので、こちらがいくら両手いっぱいにアイテムを抱えていたとしても決して手伝ってくれることはない(金で雇われていないNPCもアイテムを持ってはくれないけど)。
トルネコがアイテムを抱えている中、やくそうがひらりと落ちてもやつらは目もくれない。
あなたたちそんなに身軽ならやくそうくらい持ってくれてもいいんじゃないですか!!ちょっとポケットに入れるだけですよ!?
それは用心棒であるオレの仕事の範囲じゃねぇぜ。
大体やくそうなんて必要ないでしょう。私がホイミを使えるんですから。
ロレンスさんが戦闘中にラリホーやギラでMPを無駄遣いするから、やくそうを一応持っておく羽目になっているんじゃないですか!どうしてあなたはすぐにラリホーを唱えるんですか!?今あなたMPいくつ残ってます!?
2です。
ほら~~~~!!!
その重そうな金庫を捨ててしまえばいいんじゃないか?オレたちがいるんだから、全滅なんてしないだろう。
なんでか知らないけど、捨てられないんですよこれ!捨てようとすると、何か強烈な意志の力によってそれを阻まれるんです!
なにそれ、こわ。
DS版からはどの章でもふくろが使えるようになって本当に良かった。
ふくろがあるかないかで、同じ作品でも難易度がだいぶ変わってくるから面白い。
(文・やなぎアキ)
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