ドラクエ3やドラクエ5などの寄り道要素、すごろく。
数あるドラクエの寄り道要素の中でも、非常によくできていると思う。
カジノのように腰を据えて頭を使って行う必要もなく、ウマレースなどのように技術もいらない。
ただサイコロを振って自分を進めればいいだけ。途中戦闘や分岐はあるものの娯楽の範囲で楽しくできる。
が、そんな楽しいすごろくにも悪魔はいる。
落とし穴だ。
落とし穴だよ。
恨みのあまり二回書いてしまった。
大体ゴール前に配置されている。
そのマスに止まると穴が開き、もし階下もすごろく場であればそこまで戻されることになるが、大抵の場合はすごろく終了ゲームセットになるわけである。
一人で行うすごろくに、サイコロの回数以外の敗北条件が必要だろうということで配置されたマスなのだろうが、これが本当に腹が立つ。サイコロの回数がなくなってしまうことよりもよっぽど腹が立つ。
サイコロの回数がなくなることはある程度予測が立つが、落とし穴はまったくの意識外からの攻撃。
落とし穴が射程圏内にあるとき、たとえゴールも射程圏内にあったとしても考えることは、「いくつを出してしまうと落とし穴に落ちてしまうのか」そればかりである。
それくらいに落とし穴のというのはプレイヤーの思考を持って行く。
ゴール前に配置されていることが多いことも腹立たしい。たとえ運よく通り過ぎることができたとしても、ピッタリの目でゴールすることが出来なければ引き返してくることになる。その引き返し具合によっては、再び落とし穴の恐怖にさらされることになるのだ。非常に絶妙な配置なのである。もう少しでゴールできる!でも落とし穴にも落ちてしまいそう!これなのだ。
もう少しでゴールだというのに穴に落ちてしまったときの絶望感たるや。
しかしそこを通り抜けてゴールができれば豪華賞品が手に入る。そのために皆すごろくを頑張る。
さて、たとえ一度ゴールをしたからとって、二度とそのすごろく場を利用しなくなるかといえばそんなことはない。
すごろくはレアアイテムの宝庫であることが多い。マスに配置された宝箱やツボには、他では手に入りにくいアイテムが入っていることがあるし、よろず屋のマスでは通常お金で買うことが出来ないアイテムが売られていることもある。
また、ドラクエ5のすごろくには宝物庫というまさにお宝がいっぱいなマスがあり小さなメダルを乱獲できたりする。
むしろゴールすることは二の次であり、いかにそのマスに止まって多くのアイテムを手に入れるかが重要だ。というか一度ゴールすればもうそのすごろく場のゴールには用はない。
ゴールしなければいけないというプレッシャーからは解放される。
が、ここでもやはり落とし穴の恐怖はある。
アイテムを手に入れるべく意気揚々とサイコロを振って落とし穴に落ちたとき、その怒りはゴール前で落ちてしまったときに匹敵するといっても過言ではない。
むしろ、意味もなく足を引っ張ってくるという点でよりイライラしてしまうかもしれない。ゴール前で落ちてしまう深い悲しみではなく、無駄に時間がかかってしまうイライラである。
別にゴール目指しているわけじゃないんだから、落とす必要なくね????と思ってしまう。
特にまだセレブリティパスを持っていないときなんかだと最悪だ。妖精の国のすごろくあたりがそれに該当するだろう。あそこにも宝物庫のマスはある。
余っているとはいえ、今後のすごろく場のためにいくらかは残しておきたいすごろく券。それを落とし穴で無駄にされたときの怒り。
ゴールしたものは落とし穴を無効にできる、そういう特典があってしかるべきではなかろうか。そんなクレームを入れたくなるレベル。
ゴールを目指していた時はめざわりだった振り出しへ戻るマスは、まだ許してもいい。目指すべき場所はゴールよりももっと手前にあるからだ。なので継続させてくれるだけましである。むしろ通り過ぎてしまった宝箱を開けるチャンスとなることもあるだろう。
しかし落とし穴、てめーはダメだ。
絶対に誰も好きではないだろう落とし穴マス。あれがあるからゲーム性があるのかもしれないが、ゴールしたあとのアイテム回収でこそ真価を発揮してくるあいつが、私は恐ろしい。
あとほぼ確定で敵と遭遇する山のマスもゴール後は目障り。
(文・やなぎアキ)
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