どうも、毎週アニメダイの大冒険の感想を書いています。
ダイ大は最初の方を漫画で一度読んだことがある程度のほぼ初見勢で、ヒュンケルの過去話が終わったくらいからは完全初見で楽しんでいます。
現在アニメではフレイザードと戦い始めたところなのですが、ここらで一旦ダイ大感想の総集編でも行おうと思います。
ダイ大は1989年、つまり30年以上前に連載が始まったかなり古い部類の漫画です。
30年前!?とビビり散らします。ちなみにハンターハンターは20年以上前にすでに連載が始まっています。それなのに単行本が36巻しか出ていないとはたまげたなぁ。
そして連載終了したのは1996年なので25年前です。もしかしたらこれを読んでいる読者の中には、まだ生まれていないという方もいるでしょう。
1989~1996年の漫画、さすがにこれを新しい漫画と呼ぶことはないでしょう。鳥獣戯画を漫画として常日頃から意識しているならともかく。
そんな懐かしの漫画の部類に入るダイの大冒険ですが、令和の今、アニメとして生まれ変わったこの作品を見ると、今でも通用するエッセンスが盛り込まれているなぁと感じます。
それはやはり、王道中の王道を行く少年漫画だからではないかと、初見の私は思うのです。
主人公は元気いっぱい正義感いっぱい!
ダイの大冒険の主人公の小さな勇者ダイ。
彼がまさに王道的主人公というキャラクターをしています。元気いっぱいな男の子で、憧れの勇者になるために日々修行している、デルムリン島のモンスターたちと友達で、友達や仲間を傷つけるやつは絶対に許さない心優しい少年。
これこれこれーーーい!
こういう主人公に共感できるか否かは人によりけりなのでそれはいいのですが、このTHE主人公というキャラクターがもはやすがすがしい!
こういう主人公が安心するんだ!そう!作品には一定の安心感も必要だと思うのです!
斬新な設定も必要です。しかし王道というのはそれはそれで、安心して見れるためストレスを感じることがあまりないというのも利点ではないかなと私は思うのです。
ちなみに、ダイが修行の途中大岩を斬る場面がありますが、主人公の成長のために岩を使うのもまた王道ですね。
ドラゴンボールでも悟空がとんでもない岩を押してましたし、幽遊白書でも幽助がとんでもない岩を霊丸でこなごなにしてましたし、最近だと鬼滅の刃でも炭治郎が岩をぶった切ってましたね。岩はすごい。
悩みながら成長する仲間
現在(フレイザード戦まで)ダイのパーティーは全部で3人います。主人公ダイと魔法使いポップと僧侶戦士マァム。3人ともアバンの使徒であり、正義感の強い子たちです。
しかし、ポップについては最初はそうとも限らず、せっかく魔法の才能があるのに、怖がりで臆病で不真面目で、強い相手を前にすると思わず逃げ出してしまうという、ダイに比べるとなんとも情けないキャラクターでした。
しかし、仲間を助けたいという思いの元勇気を振り絞ってクロコダインと対峙したことにより、大きな成長を果たします。
あ~~~~。王道だ。これもまた王道。
今までは冴えな感じだったのに、あるイベントを経てパワーアップする、これぞ王道。
ダイのような最初から正義感メラメラの勇者になるべくしてなったというキャラクターもまた良いのだが、こういう泥くさい感じのキャラクターもまた物語にいると読者ないしは視聴者が感動できるんですよね。
主人公のダイに比べると感性がもうちょっと一般人寄りで、そりゃモンスター怖いよね死んじゃうかもしれないのに戦うの怖いよね、という当たり前の感覚を思い出させてくれるのが素晴らしい。超人対超人の戦いもいいんですけど、でも彼らも人間なんだよなぁというのを思わせてくれるポップというキャラクターは、別に珍しくもないんですけどだからといってないがしろにしていいわけではない重要な存在なのです。
女だって戦います
今や女性が男性と同じように活躍する作品というのはめずらしくないです。性別に関係なく強いものは強い、戦えるやつは戦うものです。
しかし、もう少し古い時代になると女性は率先して直接的には戦わなかったり、男性側が女性と戦うことを拒んだりします(もちろん例外もあります)。
しかしダイの大冒険では、マァムは魔弾銃だけではなくハンマースピアを使ってガンガンに戦います。
そして、特筆すべきは、ヒュンケル戦でヒュンケルがマァムに対して女だという理由で戦うことを拒んだときのセリフです。
「バカにしないでよ。女だって命をかけて戦うわ。正義の戦いのためならなおさらよ」
これですね。これ。大事なのは「女だって~」よりも「バカにしないでよ」の部分です。山口百恵以来の衝撃です。女だからって剣を振ることをしないヒュンケルに対して怒っているんですよ。女だからという理由で戦場にあげてくれないヒュンケルに対して、戦士としての誇りを傷つけられたのではないかと思うのですよ。女だとか男だとか関係ない、正義の心に性別なんて関係ないんだと。今この場に立っているのは女ではなく戦士なんだぞと。それが「バカにしないでよ」に込められていると思うんですよ。まじでこのセリフ好きなんですよ。
そもそもドラクエは2の時点でメインパーティーに王女がいましたからね。
女が戦いの場から遠ざけられることを不本意に思って怒る展開自体はめずらしくないですが、すごく心に刺さりました。
ということを考えると、フレイザードの「戦場に男も女も関係ねェ」というのも、ある意味正しいと思います。その点はすごくまっとうな価値観をしています、フレイザード。冷たいかもしれないけど、間違ってないんですよ。ただ、マァムの言ったことと何が違うのかと言えば、それが正義の戦いのためなのかどうかでしょうか。これについては長くなるかもしれないのでいつか別記事で書きたいです。そもそもまだフレイザード戦途中なので、フレイザードの価値観とかよくわかってないですし。
敵にだって思うところはあったりなかったり
主人公と戦う敵というのは当然悪いやつです。
ダイの大冒険でも同じです。魔王軍は人々を苦しめる存在です。六軍王だって悪いやつらです。
しかし、敵だからって本当の悪なのか?と言われるとそんなことはないのがダイの大冒険。いや、ダイの大冒険に限らずわりとどんな漫画でもあります。どんな漫画にもあるからこそ、やっぱりダイの大冒険は面白いわけです。
武人としての誇りを持っていたはずなのに、勝ちに執着するあまり汚い手に出てしまったクロコダインの葛藤。そして最終的にはダイに手を貸すことになり、人間というものにあこがれを抱いていましたね。敵さんサイドにも思うところはあるのかと思わされます。
そして人間でありながら魔王軍の軍団長にのぼりつめたヒュンケルです。彼には人間を憎んでしまう辛い過去がありました。敵だからといって頭ごなしに否定してもいいものなのかを考えさせられるいいキャラだったと思います。だからこそ作中でダイたちもまた悩んでいましたしね。
とこのように、敵だからって心底悪いやつってわけでもないみたいだし、事情があるやつもいるんだな、一概に非難してはいけないんだ……。
と思った矢先に出てくるのがフレイザードですよ。
悪!悪!純正の悪!戦うのが好きなんじゃねぇ、勝つのが好きなんだよぉ!と言い放つフレイザードを見て、
あ、敵にも色々あって分かり合えたり同情できる部分もあるけど、まったく分かり合えないやつもいるんだな……。
とわからせてくれます。
敵にも事情があるんだよというのは、それこそ王道の展開ですが、それに寄らずに悪いやつもいるんだよと堂々と描いてくれるダイ大はまさに正統派少年漫画!
とかいってフレイザードにも何か悲しい事情があったらどうしよう、とドキドキワクワクしているところです。事情があってもなくてもどっちでもおいしいぞフレイザード。
まだまだダイ大全然わからない身ではありますが、それでもこれほどまでの魅力は作品から伝わってきます。
今後もアニメを楽しみに、新参も古参も盛り上がっていきましょう!
(文・やなぎアキ)
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