ドラクエ11で世界が崩壊したとき、たどり着いたイシの村は闇に閉ざされて本当に絶望のどん底といった具合でした。
闇に閉ざされていることもさながら、そこで暮らす人々の語る話が辛すぎて、こんなに暗い話をドラクエで聞くことになるとは……と思ったものです。
まずは馬の世話をしている女の子のもとへ。
の前に、近くにいた兵士の話を聞いてみます。
どうやら女の子は馬のお世話が上手なようです。こんな世界になってしまっては馬たちも落ち着かないでしょうに、それをおとなしくさせるなんてたしかにたまげてしまいます。
こんな世界でもいいニュースはあるんだなぁ。
お父ちゃんが馬の世話を教えてくれたと。そうですね、教え方がよかったんでしょう。受け継がれたんですね。
でもここで、じゃあそのお父ちゃんはどこに?とちょっと思います。
女の子に話を聞くと、どうやらデルカダールのお城にいたときに例の大樹崩壊が起きたようです。大きな爆発が起き、恐らくは魔物たちが大勢流れ込んできたのではないでしょうか。
…………つらい。
お父ちゃんが身を挺して娘を隠してくれたのでしょう。それから女の子はお父ちゃんに会っていないようです。いつか会えると信じて、女の子は馬の世話を続けます。
つらい。
次は川辺で一人座る女の子に話しかけます。
この子は家族も友達もみんないなくなってしまったようです。天涯孤独です。たった一人で座っていることしかできないのです。
つらい。
何をするでもなくただ茫然とするしかないんです。この状況で泣いていないということは、もうさんざん泣き散らしたあとで、それすらもできなくなるくらい気力がないんだろうなぁと想像できてしまいます。
つらい。
テントの中で寝っ転がっている男の子に次は話を聞きます。
かくれんぼが大好きということは、この子はデルカダール下層にいたかくれんぼの名人ジェットでしょう。
初めて会った時も友達とかくれんぼをしていましたが、大樹崩壊のときもしていたんですね。
つらい。
つらい。
探しているときはもうかくれんぼをしているような楽しい気持ではなかっただろうに……。ちょっとまじで本当につらい。
めちゃくちゃ泣いたし、なんなら今も泣いている。
あまりにも辛すぎるのでもうちょっと明るい話をしたいです。
ということで元気に走り回る子供たちのもとへ。
つらい。ひとりぼっち……。
おや、でもどうやら、あのマノロがこの女の子に声をかけてあげたようです。
べ、別の意味で泣ける……。
あのマノロが誰かを励ましているんだ……。
マノロの話も聞いてみることに。
ベンチで寝ているのがまずもうつらいです。
女の子は身寄りがないようです。「それってぜったいさびしいと思ってさ」の中に含まれる子供だからこそのやさしさが尊いです。
優しさで泣いてしまう。
誰かの生きる希望になれるなんて、立派に成長したものです、マノロ。
子どもの話ばかり聞いているので大人の話も聞きます。
なにやら縫物をしているお姉さんに、何を縫っているのか聞いてみることに。
うわ泣ける。
それが知りたかったら無事に帰ってきなさい、お姉さんとの約束よ、だなんて……。
下手したらフラグですよこれ。こんなことを言ってしまうということは、このお姉さんも大事な人をなくしたりしたということではないでしょうか。それなのに今できることを精いっぱいやっている姿にもまた泣けてしまいます。
さらに別のお姉さんにも話を聞いてみましょう。同じく縫物をしています。
踊り子さんだったんですね。ひどいけがをしちゃって、もう踊れないかもしれないだなんて……。お姉さんにとって踊りとは生きがいだったはずなのに!と勝手に推測してしまいまた悲しくなります。
つらい。前向きなのがなおのこと胸に刺さります。どうしてそんなに前向きに思えるのか、絶対このお姉さん、もう踊れないかもって知った時人知れず大号泣しているはず。それでも前を向いて生きないとだめだってなって、こんな風に、自分にはまだまだやれることあるんだよって……。もうほんとこれほんと、仲間と離れ離れになってちょっとくじけそうになっている勇者に、なんだか勇気をくれるような、そんな会話だと思います。
でもこんなことをお姉さんに言わせてしまった今の世界が本当につらい。
辛い辛い現実を目の当たりにさせた崩壊後のイシの村。
だからこそ、時を遡ることは大事なことだったのだと思います。
(文・やなぎアキ)
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