ドラクエ9の主人公の師匠の師匠にして、ラスボスであるエルギオス。
元々は金髪の美しい天使だったが、人間に裏切られ囚われ拷問され続けるうちに愛すべき人間を心底恨むようになってしまったかわいそうな存在。
長い間囚われ続けたエルギオスからは慈しみに満ちたあの瞳の輝きは消え、人間たちへの憎悪だけがその顔に現れてしまったデザインになっている。
が、それでもまだ生前(?)の面影は残っている。
まだいい。まだ綺麗。服がぼろっぼろになり、純白の天使の羽が蝙蝠っぽい悪魔っぽい羽に半分浸食されているのもいい。堕天使だ。まごうことなき堕天使である。
天使のときには生えていなかった謎の角もいい。多分天使とは反対の存在である悪魔のデザインを意識しているのだろう。鬼かもしれないけど。
が、そこから変身したエルギオスの完全体。
これがちょっと気に食わない。
麗しい見た目から変身したラスボスと言えばデスピサロがあげらるが、デスピサロの変身した後の姿は別に嫌いではない。完全に違う生物になってやろうという思い切りの良さがあるからだ。
しかしエルギオス、お前は何だ。なんだその細い体は。メシちゃんと食ってる?
ドラクエのラスボスと言えば巨大であり巨体のはず。大きいというだけではなく、そのふくよかさこそがラスボスとしての威厳。体の幅だけ強さが増す。ラプソーンを見習ってくれ。
しかしエルギオス、お前は何だ。なんだその細い体は。カロリーとってる?
面影ゼロだし。
いえね、面影の話をするんだったらそりゃデスピサロもミルドラースとかもないんだけどね?
でも仮にも元天使であって、天使、憎しみを爆発させるとそんな姿になるの?っていう。進化の秘法でも使ったの?っていう。天使、ものすごく危ない生き物。
羽についている目、怖いし。飛影かよ。
あと顔が。顔がなんか怖い。ラスボスなんだから怖くていいのだが、体が細いせいで顔も細くて怖い。今までのラスボスと雰囲気が違う。あいつらなんだかんだ可愛い顔してるなって思える部分もあったし。でもエルギオスの顔はなんか怖い。鼻ないし。骸骨みたい。多分変身したときに体についていた肉とか皮がこそげ落ちたんだと思う。だから体が細いんだなぁ。これじゃあメシを食っても体を作れないよぉ。カロリーをとっても無駄だよぉ。ガッツが足りないよぉ。
こんな感じで歴代ボスから逸脱したデザインのラスボス・エルギオス。これは正式なナンバリングにもかかわらず携帯ゲーム機で発売したドラクエ9の挑戦的な姿勢のたまものだろう。
なんか嫌いだけど、そう考えると文句ばかりも言っていられない。
なんか嫌いだけど。
(文・鎖骨戦士ヤマネ)
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