そいつが姿を現すと、死が顔を出す。
日本ではそんな死神ポジションに名探偵として活躍しているコナン君があげられる。これはもはや名探偵の宿命でもある。
コナン君に遭遇したら生きて帰れると思わない方がいい。それがたとえば、山奥の別荘だったりしたら、確実だ。
俗にいう死亡フラグを、たてたくもないのにガンガンたててしまうことになるだろう。そしてそのフラグが折られることはないのだ。
しかし、ドラクエのキャラであればそんなフラグ物ともしないはず。
今回は、推理物でありがちな死亡フラグを立てそうなキャラと、そのフラグをどうへし折るかを考えていこう。
こんなところいられない!と自室にこもる
マリベル
推理物の定番フラグ、山奥の別荘という隔絶された空間で犯人と一緒になんかいたくない、私は誰も信用しない!と自室にひきこもるやつ。十中八九犯人の次のターゲットである。自己中心的で、突発的な行動に出やすい男性、もしくは女性がこのフラグを立てやすい。
ということで、そんなドラクエキャラはマリベル。さっさと自室に行くマリベルを7主人公が慌てて追いかけるものの、相手にしてもらえないやつ。
当然、犯人ごときにやられるマリベル様ではないので、魔法で叩きのめしてフラグをへし折る。別荘の丸焼き。それともしっぺ返ししてやろうか。
やたら威張る
トロデ
お金か権威かを振りかざしてやたらと威張っているやつも大体犯人から恨みを買っている。「いいからその犯人とやらをさっさと捕まえて、ワシを早く家に帰せ!」といった感じ。
ドラクエキャラでやたらと偉そうなのはトロデ。というか本当に偉いのだからしょうがないか。わーわー言いつつも、本当は不安だから自室に一人で引きこもったりはしない。8主人公が常にそばにいる。
常に護衛がついているので、別荘の停電にまぎれて犯行に及ばれるだろう。しかし暗闇で見るトロデが思いのほか魔物すぎて犯人がびびって凶器を落としてしまう。魔物に変えてくれたドルマゲスありがとう。
オレはオレで勝手にやらせてもらう
テリー
自室にこもるのとは違って、アクティブにみんなの元から離れていくタイプの死亡フラグ。1人で行動するのはまじでフラグでしかないからやめとけって。「お前らでは頼りないが、慣れあうつもりもない」とか言って手掛かりを探すために一人森の中に入っていく。
そんな単独行動をするのはさすらいの剣士テリー。ミレーユが「テリー待って!」とか言うんだけど行っちゃう。テリーのような人がみんなと別荘にくるシチュエーションがもう意味わからないが。
1人で数多のモンスターを相手にしてきたテリーなので、ただの人間である犯人に負けるわけがない。そもそも、テリーに手を出そうものならドランゴが許しはしないので犯人はテリーを狙うのをやめなさい。
なんらかの証拠を見つける
ホンダラ
第一の事件が発生したあとに、なんらかの証拠を見つけてしまった人というのは大抵犯人にやられる。こういうのは大抵犯人の計画外なので、ここから解決の糸口が見つかったりする。何にせよ解決するまでうかつに証拠とかは見つけたくないものだ。
このアンラッキーフラグを立てるのはホンダラ。証拠を見つけるフラグは、「見つけたことを犯人に知られて……」パターンと「証拠をネタに犯人をゆすって返り討ち」パターンがあるが、ホンダラは後者。黙っておけばいいのに。
ホンダラは特に戦闘力もないし、トロデのように守ってくれる人もいないのでまさかの犯人側の勝利……となるわけもなく。ダークパレスで消息不明になったときのように、一度姿を消すが、物語の最後でひょっこり戻ってくる。ダークパレスからどうやってエスタード島に戻ってきたのかわからないように、どうやって犯人の手から逃れたのかは永遠に謎のままだ。これがホンダラの強さ。ホンダラの強運。
他にもコナンのフラグあるあるとしては「やたら悪人面」「探偵と聞いて急に冷汗をかき始める」などがある。どのフラグにどのキャラがしっくりくるか考えるだけでも結構楽しい。
ところでコナンと山奥の別荘といえば、初期のころの名作&トラウマ「山荘包帯男殺人事件」(単行本5巻)。今でこそラブコメ・キャラもの要素の強くなったコナンだが、この「山荘包帯男殺人事件」は金田一少年の事件簿ばりのトラウマを残してくる。多分コナンの中で一、二を争うほどのトラウマ回。あと鈴木園子初登場回でもある。ぜひ読んでみてほしい。できればこれと並ぶ(もしくはそれ以上の)トラウマ回である「図書館殺人事件」(単行本10巻)も読んでほしい、ぜひ。
(文・やなぎアキ)
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