ゲームの二周目というのは、大体勝手がわかっているため一周目ほど苦戦しなかったりする。それ相応の立ち回りをしていれば、まぁ躓くことはない。
そう思っていた……。
舐めプとは、舐めたプレイ。ゲーム用語。対戦ゲームなどで手加減してプレイすること。
相手が明らかに格下で、本気を出さなくても勝てるときに、弱い技しか出さなかったり、故意に対戦を長引かせたりする。
ドラクエ11Sをプレイするにあたって、イベントを見るためにガンガン先へ先へ進めていた。ボスとか正直余裕。状態異常何がきくかも把握しているし、雑魚戦も一々命令出すのは時間のロスなのでばっちりがんばれで戦わせる。
そんな快適な旅をしながらグロッタへ。
みんな大好きハンフリー登場。闘技場と同じく画面の前の私も沸き立つ。
準備とかするまでもない。余裕。どんな相手が出てくるか知ってるし。悪いがハンフリーなんてお飾りみたいなものですから。私がピンチのときにいい感じに上やくそう使ってくれればいいから。戦うのは私、OK?
案の定逃げ腰じゃないですかぁ。チャンピオンなんぞこんなもんですわぁ!
ぬるいぬるい!そんなれんけい技、蚊ほどのダメージしか受けませぇん。
こんな感じで難なく予選突破。ハンフリーは上やくそうマシーンとして頑張ってくれた。
続く決勝トーナメント。ビビアン&サイデリアお色気コンビも恐るるに足らない。ビビアンはすぐガス欠を起こす。ドラクエ4のときからまったく成長していないな。
ここでもハンフリーは上やくそうマシーンとして頑張ってくれた。ご苦労ご苦労。ハンフリーも運がいい。私と組めたからこそ、今優勝への花道を駆け上がれているんだよ、はっはっは。
これはざんざかトーナメントを上がってサクッと優勝してさっさとでっかい蜘蛛を倒しに行けるな!
そう思っていた。
続いての相手はレディ・マッシブとマスク・ザ・ハンサムの闘技場を舞う美しき仮面コンビ。
シルビ……レディ・マッシブの強さは承知しているが、準決勝でつまづくこともないだろう。これまでの対戦は難なく勝てているわけだし。
ここでなぜか急にやる気を出し始めたハンフリー選手。
そんな怪しいドリンクなんて飲まなくても私が勝利という階段を颯爽と上がってやるんだが。今まで通り上やくそうを使っていればよろしい。
ほらほら、サクッと倒しますよ、ハンフリーさん。
死んだ。
……え?まじ?負けたじゃん。
ハ、ハ、ハ……
ハンフリーの兄貴!!!
ハ、ハンフリーの兄貴が1対2という絶望的状況から引き分けに持ち込んでくれたおかげで、負けずに済んだようだ。
とはいえ、これはまぐれだろう。ハンフリーの火事場の馬鹿力。二度はないはず。次死んだら確実に負けてしまう……。
OK、舐めプは終わりだ。ここからは本気で行く。
あ、兄貴ィ!!!
次こそは、勝つ!防御も取り入れて、勝つ!
兄貴ィ~~~~!!!
ハンフリーの兄貴が3回も引き分けに持ち込んでくれた……。感謝しかない。ドリンクの効果、半端ねぇ。
ということで4回目にしてようやく勝利。あれ?PS4での初プレイ時は一回も負けなかったんだけどな?
まぁいい。兄貴の力と、本気を出した私がいれば決勝こそは難なく勝つことができるだろう。(本気を出しても二回ハンサムたちに負けた模様)
よぉし、決勝だぁ!!
兄貴、またしてもドリンクを飲む。
そのドリンクの件についてはまた別で問い詰めるとして、今は確実にドリンクの力が必要なので黙認。
いくぜぇ!!
もちろんですぜ兄貴ィ!!全力でいきますぜェ!!
兄貴ィ……(泣)
このあともう一回引き分けた。
※攻撃されるのが怖くなってなるべく相手から距離を取る伝説の勇者の図。
※完全にびびって腰を抜かしている伝説の勇者の図。
ハンフリーの兄貴のおかげで、決勝戦3回目にしてようやく勝利。ハンフリーの兄貴の強さがなかったらそもそも準決勝で敗退していた……。
以前は「なんでこいつ我がもの顔でガッツポーズしてんねんこら」と思ったが、これはガッツポーズするに値する。というか、私みたいな雑魚が横に並んでスイマセン。
兄貴ありがとう……。
だがこのあとしっかり不正と誘拐事件については追及させていただいた。
(文・やなぎアキ)
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