さすらいの剣士テリー、最強の剣士になるために世界中をさすらいまくって修行をしている。
ある日、モガマルたちはテリーたちと偶然出会うことになる。
モガマルたちがいつものようにモガモガ言いつつ楽しく旅をしていると、銀髪のアンニュイなイケメンがこちらにやってくるではないか。
急に現れてこちらを引き留める彼。なるほど、たしかに失礼だ。だがイケメンなので許した。モガマルはイケメンに弱いな、まったく。
しかしなぜ引き留めるのだろう。道に迷ったのかな?剣士って道に迷いやすそうだしな。そういうことなら紳士的に対応してやろう。
いや剣振り回して近づいてくんな!
紳士的に対応してやろうとか、甘く考えすぎていた。
めっちゃやばいやつ!やんちゃが過ぎる!修学旅行で木刀を手に入れた男子学生よりやんちゃが過ぎる!
そらモガマルも目が飛び出ますわ。
なんだぁ?第一声がそれかぁ?
強そうな連中を見つけたら、毎回剣を振り回して近づいてくるのか。剣の舞しながら近づいてくるのか。
んだ、てめぇ、こらぁ!!!
なめとんのかぁ!!
なめとるからこういう発言をするのかぁ……。
なめとんのだなぁ……。
そして先を急ごうとする剣士。いや失礼極まりない。
こっちだって先を急ぐ身だというのに、剣を振り回しながら近づいてきて、たいしたことなさそうだと言い捨てて、そのまま立ち去ろうとする。
こういうやつとは関わらない方がいい。行こうぜモガマル!
突っかかるモガマル。
強い、強いぞ。私だったら剣を振り回しながら来た剣士につっかかるとか絶対に出来ない。さっきみたいに、「先を急ぐんでな、ではごめん!」って立ち去られたらラッキー!って思うもん。
こんなやばいやつは、
「お前らみたいな大したことないやつらに名乗る名なんてねぇ」
とか言ってくるんだよ。
律儀。
ああ、ご丁寧にどうも。
闘いの王ってなんだ……?という疑問はさておき、わりとしっかりと自己紹介をしてくれる。
鬼の形相で怒っているモガマルもこれには……
ニッコリ。
簡素な自己紹介を済ませたモガマルはそのまま主人公こと私の自己紹介も済ませてくれる。
闘いの王だか何だか知らないが、冒険王だぞ、こちとらぁ!さっきはよくも大したことなさそうとか言ってくれちゃったなぁ!まぁそう見えたなら仕方ないけどぉ!
あっという間の前言撤回!
いや!冒頭の!あのなめ腐り具合どこいった!!
はん、大したことなさそうだなぁ~~~~~?こんなやつらに構っていたら剣の刃が腐り落ちて腐敗臭放つわ~。
ぐらいの勢いだったのに。
やはり王というものに、民衆はひれ伏すのだな……。
唐突な自分語り。
ストⅡとかに出たらいいと思う。
まだ続く自分語り。
「俺より強いやつに会いに行く」ってやつだな。
まだ続くのか、自分語り。ラップとかにして世に出せばいいのに。
それにしても、越えなければならない存在を目の前にしている、だって?
あ、それってもしかして~。
冒険王である僕らのことですかぁ?まぁ、冒険王こと僕らのことを倒せないようでは闘いの王なんてなれないですもんねぇ。
ここで出会ったのも何かの縁、いいでしょう、一戦交えましょう。
違ったわ。
うわ、めっちゃハズ。めっちゃハズいわ。すごい偉そうにしちゃったわ。
なんなのこの人。ずっと自分語りして、こっちはいらない恥をかいたし。デュラン?知らん知らん。勝手に倒してろ。
なんだってー。
あ、そこにつながるのか。自分1人じゃデュランを倒せそうもないから、一緒に戦ってくれそうな強そうな人を探していたんだね。
その結果僕らを見つけて、大したことなさそうだとか言って、挙句僕らに助けを求めているのね。
どう思う~、モガマル~。
お、そうだそうだ!
いつもいつでも強くなるために、旅をしているんだろう!
ド正論。
モガマル始まって以来のド正論。ニッコリ笑いながら正論を吐く人って怖い。
軽快な身のこなしのテリーであった。
(文・やなぎアキ)
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