前回までのあらすじ
やまたのおろちに頭を悩ますジパング。その長・ヒミコに会ってはみたものの、やけに邪険にされる。
どうにもきな臭い感じがする。
前回
第十四話 おかしい、そいつにおうぞ!
こっちが下手に出ていれば図に乗りやがって、ヒミコめ。せっかくモガマルがやまたのおろちを倒してくれるというのに、ここまで邪険にされちゃあ、いよいよ確定だ。
黙っている義理なんかない、おいモガマル!
実はな!かくかくしがじかかくかくしがじか。
まるでアラームのようなオレの(鳴き)声が洞窟にこだまする。
オレの言葉はヒミコやモガマルのしもべたちには理解できないだろう。堂々と内緒話ができるってものだ。この事実にオレたちが気づいてしまったことがヒミコにバレたら、何をされるかわからないからな。
大声でバラしにいったーーーー!!
さすがモガマル。期待を裏切らないな……。ヒミコもいきなり大声を出されてびっくりしただろうな。急にオバサン呼びされてさらにびっくりだろうな。
ご丁寧な説明ありがとう。そうオレはそもそも魔物だから、同じ魔物の匂いはすぐわかるんだ。
お?なんだその怪訝な顔は。ああそうか、お前のどこに鼻があるんだよってことか。細かいことは気にするな。ドラゴンボールのクリリンは鼻がないのかと思いきや、鼻血や鼻くそを出すことができるのと同じさ。
え?そうじゃなくて?なんで知ってたならもっと早くに言ってくれなかったんだって?確かにオレはヒミコに会ってすぐその正体に気づいたさ。その時点(12話)で言おうかと思ったが、ヒミコが矢継ぎ早に色々言ってくるものだからタイミングを見失ってたんだ。ということにしておこう。
衝撃の事実に驚くあまり、まさかのご本人に確認をとろうとするモガマル。素直か。
あとなんでちょっと怒ってるんだ、モガマルは。
なんだ、不気味に笑って……。随分と余裕じゃないか。
こいつ認めた!こいつ認めたぞ!!やっぱりヒミコはやまたのおろちだったんだ。村を襲っていたのも、いけにえを用意すればいいと言っていたのも、全部こいつの一人芝居だったんだ!
ヒミコさまを慕うジパングの人々の心につけこんで、なんてひどいことをするんだ!
正体を知られたとたん、野蛮だ。
もしかしたら、あのままヒミコの言う通り帰っていれば確実に命が助かっていたのだろうか。非情な魔物のくせして、見境なく旅人を襲うってわけでもないだな。
まぁ、モガマルの手にかかれば、やまたのおろちなんかチョチョイのチョイだけどな!あと3人のしもべも頑張れよ!
さすがにすごい迫力だな!だけど、ジパングのため、モガマルは戦うぞ!
次回予告
とうとう正体を現したヒミコ。恐ろしいやまたのおろちの猛攻に、果たしてモガマルたちは耐えられるのか!
とは言っても、戦闘シーンは相変わらず流さないんだけどな!!
次回、「決着!ジパングに平和を」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!
(文・やなぎアキ)
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