前回までのあらすじ
モガマルがモガモガ言っていると、王様に「本当に勇者オルテガの息子なのか?」と疑われてしまった。
本当は違うが、ルビス様のお仕置きを受けないためにも、王様に信じてもらわなくては。
前回
第六話 カンダタってやつに会えばいいんだな!
ルビス様からきつ~いお仕置きを受けちまったオレたちは、釈然としないながらもオルテガの息子ってことにしたが。
ど~しても王様が信じてくれない。
どれだけ口で言っても信じてくれないんじゃあしょうがない。そもそも、オルテガというのは多分人間だろうから、モガマルみたいな全身ピンクの毛むくじゃらがその息子を名乗っているのもおかしな話かもしれない。
王様の目は節穴か?「疑わしい」ではなく「絶対的確信を持って違うと言える、終身刑」くらい言ってもよさそうなものだ。それとも、ルビス様の力でオレたちが人間に見えるようにしてくれているのだろうか。
まぁとにかく、信じてもらわない事には始まらないんだよな。
お、なんだ?妙案があるのだろうか。はっ、まさか!!DNA鑑定か何かか?アリアハンは全国民のDNAを所持している完全管理国家なのか!?生まれてから死ぬまで管理されてしまうのか!?
大変だ、もし本当にDNA鑑定なんてことになったら、遺伝子レベルで王様をだます他ない!急いで本物の勇者の家に行き、遺伝子をごまかせそうなものを見つけ出すんだ!髪の毛とか、唾液とか、なんかそういうのだ!SF映画みたいだな。
お?なんだ?どうやらDNA鑑定ではなさそうだ。なんだって、遠くロマリアの国の王様の冠が、盗まれたのか?HAHAHA、まぬけだなぁ。しかしそんな遠くの国の情報、しかも弱みにもなり得る情報を握っているとは、王様もやりますなぁ。
はぁ、カンダタですか。敵は魔王バラモス!の次は、カンダタですか。
ええー、そのカンダタから冠を取り返さなきゃいけないのー。そんな遠い国のことについてわざわざ出しゃばることないと思うんだがな。
それともあれか?そのロマリアに恩を売ることで、国としてマウントをとろうって魂胆か?ああいやだいやだ、国同士のあれやこれやに巻き込まれるのはごめんだよ。
そもそも、それは勇者の証にはなるかもしれないけど、オルテガの息子である証拠にはならないんじゃないか?別にDNA鑑定しろってことではないけど、確証の得方がずさんすぎて不安になるわ。この王様大丈夫かね。
こんなバカげた依頼を受けるつもりかい、モガマル?
勢いつけてやる気満々だ。酒場で仲間なんて見つけなくてもいいと思うけどな。立派なしもべが3人もいることだし。
しかし、モガマルがこう言うならそういうことにしておこう。
ようやく冒険に出発できるな!ここまでこの「勇者追憶アトラクション」はずっとアリアハンの王の間どまりだったからな。低予算ホラー映画かと思うほどのセットの代わり映えのなさだった。ここからようやく、この世界のありとあらゆる場所に行けると思うと楽しみだ!!
次回予告
とうとう冒険へ出発したモガマル。さっそく盗賊・カンダタに会いに行く。
いつまでも冒険の下準備をしているわけにはいかないので、さくっとカンダタを倒して次に進みたいものだ。
次回、「カンダタ、いざ尋常に勝負!」!!
モガいてばかりじゃ、冒険王にはなれないぜ!!
(文・やなぎアキ)
次回
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