『ドラゴンクエスト9 星空の守り人』は2009年に発売されたゲームであり、ドラクエのナンバリングタイトル史上初めて、携帯ゲーム機（ニンテンドーDS）で発売されたゲームでもあります（リメイク除く）。
そんなドラクエ9は売上本数がドラクエの中でもトップクラス！およそ430万本も売れています。やはりヒットの要因は携帯ゲーム機に変えたことなのでしょうか。セーブデータが1つしか作れないというところもミソだとは思いますが。
ドラクエ9の特徴は、主人公と仲間のデザインを自由にカスタマイズできる点や、マルチプレイにより友達と冒険をすることができるようになった点、町の人から頼まれる数多くのクエストなどが挙げられます。今となっては珍しくもなくなりましたが、ドラクエ9が先駆者なんですね。
しかし、ドラクエ9が人気作になったのはこれらの要素よりもさらに大きなシステムのおかげなのです。
それが、
「すれちがい通信による宝の地図の入手」！！
これに尽きます。
宝の地図とは、洞窟の場所が記載されている地図のことで、これを入手して冒険者は様々なダンジョンを探索するのです。
ダンジョン内の敵・ボスは非常に強いためクリア後の裏ダンジョン的役割を果たしています。また、地図は何百種類とあるため、クリア後も長くドラクエ9を楽しむことができるのです。
この宝の地図の入手方法は
1. ある特定のクエストをクリアする
2. 宝の地図のボスのドロップに期待する
3. すれちがい通信で誰かからもらう
の3点が主になります。
特筆すべきは3番目の「すれちがい通信」！
すれ違った相手に渡したい地図を選択し、外をうろうろ歩き回って新しい地図を、より強い地図を入手する！なんて画期的なんでしょう！外を歩ているだけで地図を入手できるなんて！
売上本数がトップクラスなだけあって、ひとたび群衆に紛れれば、あっという間に地図が集まります！
ちょっと待ってください。
田舎の人は？
群衆とかないのでは？
何も都会の方たちばかりがドラクエをするわけではありません。誰もが等しくドラクエをやる権利があるのです、たとえ田舎の人であっても。
ではこの田舎の人たちも都会の人と同じく、すれ違い通信で宝の地図を入手して楽しんでいたのでしょうか？
今回は田舎出身の方（匿名希望）にその旨を聞いてまいりました。
ドラクエ9の思い出は？
ではさっそくなのですが、ドラクエ9の思い出と言えばなにがありますか？
そうですね、携帯ゲーム機になったのでいつでもどこでもプレイできるようになってしまい、一日のプレイ時間が大幅に長くなってしまったことですかね。
なるほど。ゲーム内で印象に残っている事はなんですか？
主人公が最終決戦に向けてした決断ですね。私だったら、人間やめるかってことですから、それは無理ですよ。
たしかに。可愛らしい世界観でしたが、なかなかヘビィでしたよね。
宝の地図について
ドラクエ9の大きな目玉と言えば、宝の地図だと思いますが、けっこうやりこみましたか？
宝の地図はそんなにやりこんでいないですね。黒竜丸は何回か倒しましたけど、ストーリーがないとどうしても飽きてしまうので。大魔王の地図も、バラモスの地図しか持っていませんでしたし。
バラモスの地図だけですか？他には何も？
そうですね。バラモスのレベルをあげれば他の地図も手に入るとは聞いていたんですけど、そこまで熱中できなくて……。
すれ違い通信は使わなかったんですか？
……（沈黙）
すれ違い通信について
すれ違い通信を使えば、比較的簡単に手に入ると思いますが……。
すれ違う人がね……いないんですよ。
そうなんですか？
はい。田舎だったので、外を誰も歩いていないんです。せいぜい登下校する子供たちがいるくらいで。でも学校にゲームを持って行くなんてことしませんし。田舎では車が主な交通手段ですね、でもだからってDSを持ち込んだりはしないわけですよ。そもそもそういう発想がなかっただけなんですけどね。
都会ですと、帰宅ラッシュの時などは人がすごいので、絶好のすれ違いチャンスですが、そういうのもないということですか？
帰宅ラッシュというものがまずないですね。夜8時になれば本当に静かなものですよ。外を歩いていて、人とすれ違うという方が珍しかったです。
では誰ともすれ違い通信を行っていない？
そうなりますね。誰ともです。なのでリッカの宿屋のゲストを招く部屋はずっと初期状態です。あれ最終的にどんな風になるんですか？いや、やっぱりいいです。聞いたところで虚しくなるだけなので。
世間的評価について
ドラクエ9はすれ違い通信で入手できる宝の地図によって爆発的な人気を得ましたが、そのあたりはどう思いますか？
正直、まったくわからないです。すれ違いができなかった人たちのことを完全に無視しているなというか。結局都会が中心なのかという思いが大きいです。手に入れてしまえば誰もが平等に楽しめるというのがゲームの良さだと思っていたので。わがままかもしれませんが地域格差をもっと考えてほしかったですね。
すれ違いができなかったことで、今でも困っている事はありますか？
思い出を共有できないことですね。ドラクエ9の話になると、大体みんな宝の地図が面白かったという話になるんです。ニコニコしながら聞くしかないんですよ。ただ、田舎者同士で集まった時は逆に盛り上がりますね。誰ともすれ違わなかったよなーって。
では最後に、すれ違い通信について一言お願いします。
同じゲームをプレイしている人がこんなにいる！と実感できるのがすれ違いの良さだとは思いますが、田舎に住んでいるとそうはいきません。ただでさえ人が少ないのに、同じゲームをやっている人がいないのか？と寂しい思いをしてしまうからです。また、いざ都会に来る機会があっても、すでにそのゲームのブームが過ぎていればやはり意味がありません。臨場感も大切ですが、いつどこでプレイしても楽しいゲームというのも常に根底にあってほしいですね。
たしかにそうですね。本日はありがとうございました。
はい、お察しの方もいると思いますが、質問者も回答者もこれ筆者です。はい。
何年たっても自分が田舎出身であることを思い出させてくれるドラクエ9ありがとう！
ちなみに、ドラクエ11時点では都会に移り住んでいたので思う存分すれ違ってヨッチをもらっておりました。
都会最高！！
（文・やなぎアキ）
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