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【雑談】ドラクエ11発売からドラクエ12発売までに鳥山明先生とすぎやまこういち先生が亡くなった。

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鳥山明先生の訃報は漫画業界・アニメ業界などをも揺るがす、社会的なインパクトの大きな出来事でした。当然のようにドラゴンボールを読み、ドラゴンクエストをプレイしてきた私にとっても、感じたことのないタイプの衝撃がありました。

 

ゲーム業界としては、先日ゲーム&アニメ新プロジェクトが発表された『SAND LAND』もありますし、そもそもドラゴンボールのゲームも無数にあります。そして私たちの愛するドラゴンクエストも、鳥山明先生がキャラクターデザインで参加されている作品です。偉大な先生にとっても、代表的な活動のひとつだったと言えるでしょう。

 

2021年には、音楽でドラクエを支えてきたすぎやまこういち先生がご逝去。そして2024年には、キャラクターデザインでドラクエを盛り上げた鳥山明先生がご逝去。ドラクエというコンテンツは、その決定版とも言える力作『ドラクエ11 』の発売から、次回作である『ドラクエ12』までの間に、大きな柱を失ったことになります。喪失感…という言葉では済まされない、ということは、多くの方が感じられていると思います。

 

ドラクエ12の開発状況は不明ですが、御二方が直接携わったドラクエ作品としては、次作がラストであることは間違いないでしょう。

 

開発当初から携わってきた方々も高齢化の波が押し寄せていますから、いつしか『鳥山明先生のイラストをもとに開発していたデザイナーさん』や『すぎやまこういち先生の楽譜をもとに音源を作成していたサウンドさん』も、ドラクエ開発の現場を離れることになるはずです。

 

──私たちの愛したドラクエシリーズはなくなってしまうのではないか?

 

そういった不安を感じるファンの方もいるかもしれません。少なくとも私は、心のどこかにそうした気持ちがありました。

 

これまでですら、新登場のモンスターのデザインを見るたびに、うっすらと『このキャラクターは、鳥山明先生が直接デザインしたのだろうか』『優秀なスタッフが多いであろうバードスタジオで作られたものだろうか』というような気持ちがありました。少し考えたら、そのモンスターが好きなデザインかどうかだけを気にすれば良いのだと気がつくのですが、ご本人考案というプレミア感というのでしょうか、そういう言葉にしにくいものに思考と感情が引き寄せられてしまうのです。いつしか『このモンスターは、鳥山明先生が過去にデザインした、あのモンスターのパーツとあのモンスターのパーツを組み合わせているな』という穿った見方をしてしまうことが出てきました。

 

そんな私が、鳥山明先生とすぎやまこういち先生という、いわば『オリジナル』の喪失に、この先の不安を覚えるのは自然なことかもしれません。

 

このメロディは、このキャラクターは、偉大なる先人を追いかけ模倣したものなのではないか。あの先生たちでしか出せないものがあるはずだ。模倣したものは、オリジナルよりも価値が低いのではないか──。

 

しかし、私などよりも余程、鳥山明先生への理解が深いであろう尾田栄一郎先生の追悼文を読み、その気持ちがすっかり消えました。私のモヤモヤを消し去ってくれた文章を引用します。

 

《漫画家に限らず
あらゆる業界で活躍するクリエイター達の少年時代に
ドラゴンボール連載当時の興奮と感動が根付いているでしょう。
その存在は、大樹です。》

 

私たちのなかには、すぎやまこういち先生や鳥山明先生が、堀井雄二先生たちと作り上げたドラゴンクエストの興奮と感動が根付いているのです。

ドラクエそのものも、今や、大樹のような存在になっていると言えます。映画『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビットの冒険』を観るときにトールキンが直接監修していたかどうかを気にしなかったように、ドラクエという大樹を愛して受け継ぐクリエイターがいる限り、そこに新しい『本物のドラゴンクエスト』があるのです。

 

最初は小さな芽だったであろうひとつのゲームを、ここまで大きな大樹に育ててくださった先生方は偉大なクリエイターであり芸術家であったとしか言えません。

 

その大樹を愛するものとして、その大樹がさらに育ち、美しい花や実をつけていくのを、これからも見届けていきたいと思います。

 

最後に、ドラゴンクエスト公式サイト『ドラクエ・パラダイス』に掲載されていたドラゴンクエストチームの追悼文から、一文を引用させていただきます。

 

《鳥山明先生が生み出したキャラクターや世界観は、今後の「ドラゴンクエスト」でも息づいてまいります。》

 

鳥山明先生、すぎやまこういち先生、ありがとうございました。安らかにご永眠ください。

 

(文・深々シン)

 

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