魔王軍の6人の軍団長の中でも卑劣で卑怯で、自らの手を汚さずに手柄だけ頂いていくいけ好かない野郎といえば、ザボエラです。
小柄で老齢な魔族で、初登場時から「こいつはどうあがいても嫌な奴」というオーラがプンプンです。カッコいいキャラクターぞろいの魔王軍において、なぜこいつが起用されたのか。魔王軍には見た目での採用はないのだなというある意味採用人事はちゃんとしているんだなというのが証明されるほどの醜さです。
そんなザボエラには息子がいます。
それが妖魔学士ザムザ。
父が率いる妖魔士団に所属しており、超魔生物の研究をしています。なかなか優秀なようで、彼の研究成果がザボエラに横取りされることもめずらしくなさそう。ほんとこの父親は……。
ん?父親……?
え!?
ザボエラって結婚してるの?!?!?
いえ、魔界に結婚という概念があるかはわかりませんが、でも息子がいるということはお相手がいるということですよね!?
ザボエラに!?あのザボエラに!?あのしわくちゃのザボエラに!?
でも待てよ……?ザボエラだって生まれたときからしわくちゃなわけがないんですよね。ザボエラにだってしわくちゃじゃなかった時代があるはずですよね。
ザムザだってかっこいいとまではいかないですけど、そこまで見目が悪いわけではないです。ならばザボエラも昔はかっこよかった?
そういえばザボエラって何歳なんでしょう?
ということで調べてみると、齢890歳と出てきました。長寿!寿命がどれくらいかはわかりませんが、なるほどそれならば老体であるのもある程度納得です。
ではザムザはいくつなのでしょう。それがわかれば、ザボエラがいくつのときにできた子供なのかがわかります。
ザムザの年齢は182歳だそうです。
わりと最近できた子供!!!
182年前というとめちゃくちゃ前な感じがしますが、現在890歳ということは大体700歳くらいにできた子供ということです。であるならば、長寿な尺度で考えるとわりと最近じゃないですか!?
高齢でできた子供じゃないですか!?すでに老化始まってからできた子供じゃないですか!?
もちろん700歳の頃は青年で、この182年で急激にじじい老人になってしまった可能性もありますが、だとしたら魔族の老化早すぎません?そりゃバーン様も老いを恐れるわ。
ちなみにダイ大の前日譚である獄炎ではザボエラは既に老人と化しています。獄炎はダイ大本編から10数年前の物語ですので、魔族の寿命を考えるとそれほど変化していないのはわかります。が、それならば182年で急激に老けるのもあまり納得感がありません。700歳の時点でそれなりに老いは始まっていると考えられます。
そんな、老いてきているザボエラに、お相手が!?
納得いかない~!あのザボエラにかよ~~!
でも魔族同士のそういったことってどういうものかわからないし、お相手がどういう魔族かもわからない状態でこの謎の嫉妬をするのもおかしいかもしれません。いや嫉妬は別にしていないんだけども。
なんていったって、ザボエラのお相手、つまりザムザの母親について、ザボエラはおろかザムザも語ろうとはしないのですから。
と思っていながら調べていると、ダイ大の原作者である三条陸先生がこのようなことを言っていたそうです。
ザボエラに匹敵する極悪な美女魔族
極悪な美女魔族。美女魔族。美女。
美女!?!???!??!?
なぜなのか!?
ザボエラに美女とはなぜなのか!?!?!???!!!
さらにその極悪美女魔族は、夫であるザボエラの命を狙って返り討ちにあったという想定をしていたようです。さすが役に立たなければたとえ息子でもゴミと呼ぶザボエラのお相手。その点はお似合いすぎる。あと夫であるってことは、やっぱり結婚はしてるんですね。
それにしても美女とは……。美女なんだ……。美女なのかぁ……。ザボエラなのに。
クロコダインには嫁さんいないのに……。
いや!でも待てよ!?
その美女魔族はザボエラに匹敵する極悪さなんですよね!?あのクロコダインすら利用し、マァムにも変身し、ミストバーンにぶちキレられるレベルのザボエラに匹敵する!
夫の命を狙って返り討ちにあっているくらいです!
つまり、
ザボエラは利用されたんだ!
ザボエラは見た目も性格もああですが、その実力はたしかなものです。魔王軍の一個師団を任されるほどですから。そんな男に取り入って、その子供を産むというのは極悪美女魔族として至極真っ当ではないでしょうか。力を持つものの子供を産み育て、その息子を利用して魔界でそれなりの地位を築く。そんなことを計画していてもおかしくありません。そしてその行為には当然愛なんてありません。そうです、そうに違いありません。
なぁんだ、ザボエラがモテていたわけじゃなかったんだ!!
まぁザボエラも奥さんのことを愛するような人柄じゃないですし、お互いがお互いを利用しようとしたんでしょうね。ザボエラはザボエラで、優秀な遺伝子が欲しいから美女を選んだとかありそうですし。選ぶような立場じゃないだろ!とも思いますが、それもザボエラの実力を考えればあり得そうです。ザムザの母親以外にも、ザボエラと子を成したい女魔族は多かったことでしょう。
しかし決して、決してザボエラがモテていたわけではないのです。そう、みんなザボエラを利用するため!
そこに愛はない!!
そんな二人の間に生まれ、どれだけ頑張っても褒めてもらえず、成果も奪われるザムザ、かわいそうすぎます。
ザムザ、来世は愛のもとに生を受けろよ……。
(文・やなぎアキ)
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