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【ダイの大冒険】終盤まで生き残っているだけあって活躍が多いザボエラ(でも好きじゃない)

大魔王バーン率いる魔王軍は六軍団に分かれ、それぞれ軍団長がいる。

 

百獣魔団のクロコダイン

妖魔士団のザボエラ

不死騎団のヒュンケル

氷炎魔団のフレイザード

魔影軍団のミストバーン

超竜軍団のバラン

 

軍団長なだけあって皆相応の実力者であり、それぞれにそれぞれの信念がある。敵ではあるが、人気キャラばかりだ。クロコダインやヒュンケルは考えを改めダイたちの仲間になるし、仲間にならないとはいえバランもまた立場を変えダイの道しるべになるなど、それぞれのストーリーも熱い。

フレイザードは極悪非道な性格をしているが、勝つためなら何でもするその姿勢と名言によって一定の人気を獲得していると思う。あとキャラデザもいいし。

 

が、ザボエラはどうだ。

小柄な体格の魔道士で、知略に長けたキャラクターではあるが、その陰湿で卑怯な性格からダイたちはおろか魔王軍からもやや嫌われ気味である。そして筆者である私もザボエラのことはそんなに好きではない。

クロコダインやフレイザードのように、派手にダイたちと戦うわけでもないためなんだか印象に残りづらいというのもある。

しかしザボエラは終盤まで軍団長として生き残る。ということは、結構な活躍をしているはず。

今一度ザボエラの活躍を振り返ってみようと思う。

 

※2020年アニメ版を基に書いています。一部アニメオリジナルが入ります。

 

 

クロコダインをそそのかしてブラスを人質に取る

ザボエラ最初の活躍は、ダイたちが百獣魔団のクロコダインと戦ったとき。

てっきり私は一つ一つの軍と戦って倒していくのだと思っていたので、クロコダインとの戦いにザボエラも絡んでくるのか!と驚いた。

正々堂々と戦おうとするクロコダインに対して言葉巧みにザボエラは誘導し、ダイが大切に思うブラスを人質とするよう進言したのだ。

結果的には、勇気を振り絞ったポップのマホカトールと、それに心打たれたクロコダインによってこの作戦は失敗した。

しかし、あと一歩のところで勇者ダイを倒せるところまで行っていたわけだ。

非常に卑怯な作戦ではあるが、この頃のダイたちには最も効果的な作戦ではあった。

そもそも、マホカトールに覆われたデルムリン島に侵入しブラスを誘拐している時点でただものではない。くさっても軍団長である。

 

バルジの島でのザラキ

フレイザードの作った結界呪法を守るために、バルジの島へと出撃するハドラー、ミストバーン、そしてザボエラ。

ザボエラは、ダイと一緒に戦っていたバダックさんに向かってザラキを唱える。

ザラキといえば即死呪文!ゲームで使うのはいいが、このようなストーリー上で使うのは卑怯と言わざるを得ない!ダイ大でのザラキの仕様は、気力が持っている間は死なないというもので、即死ではなかったわけだが、それでも死の呪文であることには変わりない。

正々堂々真っ向から戦わず、ザラキなどという恐ろしい呪文を使うザボエラ。卑怯で姑息な彼の性格をよく表している。

さらに逃げる際には部下にモシャスをかけ、自分だけさっさと戦線離脱する。

 

ザボエラの色仕掛け

バランとの戦いのあと、ひと時の休息をとるダイたち。

このときハドラーは度重なる失敗によりもうあとがなかった。バルジの島のとき同様残った魔王軍の戦力を差し向けてダイたちを倒そうとするが、ザボエラはそれを止める。

真っ向勝負ではなく策謀をもって暗殺すべきだと。お前が真っ向勝負したことなんかあるのかぁ!?

そして、夜の見張りに立つポップの前に、ザボエラはマァムの姿で現れた!マァムの姿でポップに迫るザボエラ。

この作戦もマトリフの手によって失敗に終わるのだが、あと一歩のところでポップを倒すことはできたのは間違いない。ここでポップを倒せていれば魔王軍は勝利していたに違いないだろう。己の勝ちのためならば、その年齢で敵に色仕掛けすることもいとわない。フレイザードよりも恐ろしい勝利への執着。プライドとかないんか?

 

アニメ版ではここでザボエラの名言、「勝者とは強いもののことではありませぬ。たとえどんな手を使っても、最後まで生き残っていれば勝者と呼ばれるのです」が出る。この言葉通り、まだまだザボエラの活躍は続く。

 

息子をも利用するザボエラ

ザボエラは研究者としての一面も持つ。その研究の一つが、超魔生物を作り出すこと。

これは息子のザムザも手伝っており、彼は自らを超魔生物の実験体とした。すさまじい力を見せたザムザだが、マァムの閃華裂光拳、そしてダイのアバンストラッシュを受けて敗北。しかしこの戦闘データはザボエラに送られ、のちの超魔生物ハドラーへと受け継がれる。

実の息子であるザムザに対して優しさを見せるわけでもなく、役に立つ道具、そうでなければゴミとまで言っていた。息子の死すらも研究の役に立つとしか考えず、私はより一層彼に嫌悪感を抱くこととなった。

この時点では彼が一番醜悪であったと断言できる。いや、バーンやキルバーンも絶対的悪ではあったが、醜いという点ではザボエラがぶっちぎりのままだった。

 

バーンに取り入り地位を得る

ハドラーを超魔生物に改造したザボエラ。その後はすっかり影が薄くなったが、反旗を翻したハドラーからバーンを助けたとして、魔軍司令補佐の地位を得るザボエラ。ブロックがいなければハドラーはバーンに倒されていただろうことを考えると、確かな功績である。

まさしく、最後まで生き残って勝者になろうとする執念深さを感じる。

このとき、こいつまーーーーだ生きてるのか、まーーーーだ活躍しようとするのか、と驚いたものである。

ハドラーを超魔生物に改造した際に、彼の体内にある黒の核の存在にも気づいていたはずだが、ハドラーはいずれバーンのために死ぬのだから、自分が巻き添えを食わなければそれでいいと言ってのける。

これを聞いたミストバーン、静かに大激怒。非常に胸がすかっとした。

ザボエラはダイたちにも、魔王軍にも、そしておそらく読者・視聴者にも嫌われている存在なのだなと再認識。活躍の場が多くても、性格があれなので致し方なし。

その後死の大地にてミナカトールを阻止しようとするが失敗、というかむしろポップの覚醒の手助けをするという大活躍ぶり。これも仮に成功していれば、ダイたちのバーンパレスへの道が閉ざされていただろう。

そしてミストバーンに見捨てられ、人生のツケを払うときがきてしまったのだ。いくら生き残っていれば勝ちとは言っても、嫌われてしまってはおしまいなのである。

 

超魔ゾンビ

が、ここで終わるザボエラではない。ここまで生き残っているだけある。

彼はその場で死んでしまった幾多の魔物たち、そしてまだかろうじて息の合った魔物たちにとどめを刺し、その死体を合成し超魔ゾンビを作り上げた。ザボエラはそれに乗り込む形になり、つまりは自らの体は一切傷つけず敵を一方的にいたぶれるという理想の兵器となったのだ!最後まで極悪非道!最低!こいつ最低だ!

ミストバーンと互角にやりあったロン・ベルクの剣も通さず、当然クロコダインの怪力も通用せずと、無敵の強さを発揮しミナカトールの魔法陣を崩そうとする。

しかし、ロン・ベルクが封印していた最強の剣と技による超魔ゾンビは敗れ去る。ロン・ベルクという魔界最高の名工にして剣技の達人がいたことがザボエラにとっての不幸。彼がいなければ地上の戦士たちは全滅していたに違いない。

その後はクロコダインに命乞いをし、隙あらば亡き者にしようとしていたが、余裕で看過されようやく彼の生涯は幕を閉じた。

 

 

ザボエラの活躍が多すぎて思ったより長い記事になってしまった。

見ているときは

こいつむかつくなぁ!卑怯な手ばっかり使いやがって!そんなのにダイたちが負けたりするもんかよ!

と思っていたが、改めて考えてみると

・ポップがマホカトールを使えなければ完封勝利していたクロコダイン戦

・マトリフが現れなければ死に戻り直後のポップはハドラーに倒されていた色仕掛け作戦

・ブロックがいなければハドラーは死んでいたバーン戦

・メルルが飛び出さなければポップを倒せていたミナカトール防衛戦

・ロン・ベルクが人間側についていなければ全員倒して魔法陣も崩せた超魔ゾンビ

と、けっこう惜しいところまで来ているのである。だてに知略に長けた軍団長ではない。あとポップ関係多いな。さすが魔王軍に最も恐れられた人間。

 

どれもこれも、ザボエラには理解できない絆の強さによって阻まれている。部下を、仲間を蹴落としてでも生き残ろうとしたザボエラだからこその敗因と言える。

最後まで生き残った者が勝利であることには同意だが、生き残り方が大事なのだと彼を見て学んだ。どんな手を使ってでも、では生き残ったあとを保証できない。

 

ザボエラについて細かく書いたことにより、ちょっとだけ彼のことが好きに、なろうはずもなかった。

獄炎の魔王にもザボエラは登場し、相変わらずむかつくやつなのでぜひ読んでみて欲しい。

 

 

(文・やなぎアキ)

 

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