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【雑談】「勇者様助けてください、魔物を退治してほしいのです!」的イベント

ステレオタイプのRPGには、勇者が町や村を訪れると「勇者様、今この村は魔物に苦しめられています!魔物は西の洞窟にいます!どうか助けてください!」みたいなことを言われて人助けをするイメージがなんとなくある。勇者は人助けをしながら、魔王を倒し、世界に平和を取り戻す。

 

ところでふと思った。

ドラクエは日本が誇る王道RPGだが、そういった「困ってるんで助けてください!」みたいなイベントはどんなものがあっただろうか?

人助けをするイベント自体はよくあるのだが、こちら側にも何か目的があって人助けすることはある。

たとえばドラクエ9の序盤、セントシュタインの黒騎士退治のイベント。セントシュタインの人々は困っているし、退治してほしいと依頼されるが、主人公側はというと人が感謝することで発生する星のオーラが欲しいという目的がある。これはちょっと表題の趣旨とは違う。ドラクエ10のバージョン1も、主にはキーエンブレムが欲しいためなので違うだろう。

また7なんかは、大陸を復活させるためという目的があるため過去のイベントのほとんどはこちら側の思惑故に人助けをしていると言ってもいい。

 

今回は、RPGのイメージであるTHE人助け!なイベントは何があるか考えてみたい。

純粋に人助けだ。ゲーム中の主人公たちが、「これをやれば、こんないいことがあるだろうな」という思惑を持たないものがいい。プレイヤーが持つのはある程度仕方がない。プレイヤーのメタ読みはゲーム中のキャラクターには関係のないものだからだ。

また定義として、こちらに明確に助けを求めてきているイベントがいい。何か悩みを聞かされて、人知れず解決に出向くというのは除外する。

さらに、「困っているので魔物退治をしてください!」という状況に限定しよう。アイテムを取ってくるのではなく、魔物退治だ。

 

 

ドラクエ2 ルプガナ

ルプガナについて町を探索する王子たち。ここから先は船がないと先に進めないんだな~とぼんやり思いながら町の奥に行くと、魔物に襲われている女性が!そして王子たちに助けを求める女性!

という、まさに「助けてください!魔物を倒してほしい!」というイベントである。「魔物は〇〇にいるから」という工程をすっとばしてすぐに戦闘に入るのだが、定義には一致する。さらに、この女性を助けたらどんないいことがあるんだろう、というのはこの時点では王子たちはわかるはずもない。

女性を無事に助けると、なんとその祖父がお礼に船を貸してくれるのだ。人助けをするといいものがもらえるんだな、といういい例である。これぞ王道RPG。

 

ドラクエ4 テンペ

旅に出たばかりのアリーナたちが最初に訪れる村だ。

ここでは魔物が若い娘を生贄として欲しており、多くの村人が犠牲になった。その魔物を退治してほしい、とただの旅人であるアリーナたちに依頼してくる。

これぞ、これぞ人助けのための魔物退治である。

一応魔物を退治しなければ先には進めないのだが、そんなことアリーナの知ったことではない。村人が魔物のせいで困っている!退治してあげるわ!というわけだ。

これでアリーナが突っ走って魔物を倒していればそれはそれで違うのだが、一応村長から「退治してくれる人いないかなぁ。あ、退治してくれる?ありがとう!」と言われるのでセーフ。

 

ドラクエ5 カボチ

これはもうTHE魔物退治で人助け!だ。作物を夜な夜な荒らす魔物を退治してほしい!と言われて、主人公はまもののすみかに向かう。

作物を荒らしていた魔物というのが、主人公の友達のキラーパンサーだったため結局は退治はしないのだが、依頼された時点では主人公たちはただ純粋に(謝礼も一応あるけど)魔物退治するか~という感じなので当てはまる。このイベント自体は必須イベントではなくストーリーには関わらないため、このような純粋な人助けイベントになったんだと思われる。

あと幼少期の妖精の国もそれっぽいが、厳密には「はるかぜのフルート」を取り返してほしいという依頼なのでやや微妙。

 

ドラクエ6 アークボルト

ムドーを倒した後の主人公は、もう一人の自分を探すことと、残っている魔物を退治するために旅を続ける。そのためか、他作品よりも人助けの機会が多い。

その中でも、魔物退治を依頼されるのはアークボルトが印象的だろう。

依頼される前にさんざん腕試しをさせられるので「勇者様助けてください!」という感じはしないが、困っているので魔物退治をしてほしいという状況に間違いはない。旅人の洞窟の通り抜けが出来ないから、退治してくれという点から、主人公たちにも思惑があるようにも思うが、ぼんやりとした目的で旅をしている彼らにしてみれば最重要事項でもないのがポイント。あくまで人助けだ。

もちろんご存知の通り魔物退治はできない。テリーに先を越されてしまう。

他にはフォーン城でミラルゴの討伐を依頼されるが、これもまた条件と一致する。お礼の水門の鍵がもらうまで分からない分。アークボルトよりもそれっぽいかもしれないが。ただ、ミラルゴのせいでフォーン城が困っているわけではなく、王の恋心を応援するための退治なのが悩ましいところ。

 

ドラクエ8 竜神族の里

ドラクエ8はドルマゲスを追う旅、そしてラプソーンを復活させないための旅だ。そのためか、大体のイベントがドルマゲスを追うため、ラプソーンを復活させないためという目的につながってくる。大本のストーリー性が強いほど、表題のような純粋な人助けのための魔物退治はなかなかストーリーに入れ込みにくいのかもしれない。

が、クリア後の裏ダンジョンは別だ。基本的にストーリーには関係ない。そしてドラクエ8は裏ダンジョンの先に竜神族の里がある。竜になる儀式をした竜神王によって今まさに死んでいく里だ。それを救うために竜神王を退治するよう主人公たちは依頼される。魔物退治とは違うが、主人公たちには特に目的もなく見返りも期待していないため、一応挙げてみた。

 

こう考えてみると、意外と魔物退治を依頼されることは少ない。村人たちは魔物の仕業と知らず、調べて見たら結果魔物のせいだったので倒した、ということはあるのだが、最初から魔物退治を依頼というのはめずらしいようだ。

ドラクエ3はかなり人助けイベントが多いのだが、そのほとんどが結果として魔物退治になっただけのものが多い。ジパングやサマンオサが思いついたのだが、あくまでも人々は国の長が魔物であることは知らないのだ。バハラタのカンダタの依頼も、退治ではなくさらわれたタニアを助けて欲しい、である。

「勇者様助けて!魔物を退治して!」は「勇者様助けて!根本原因が何かは分からないけど解決してほしいの!(結果として魔物が原因だった)」をぎゅっと縮小したものなのだろう。

 

ところで、ステレオタイプの王道RPGのイメージであるはずなのに、ドラクエ1にはそういったイベントがない。が、気づいた。

よく考えればストーリーそのものが、「勇者様助けてください、魔物を退治してほしいのです!」である。ステレオタイプのRPGのイメージそのものだ。

王から「おお勇者よ!魔王を倒してまいれ!」と言われるのと、一介の村人から「勇者様助けてください~」と言われるのではなんだかちょっと違うが、大きな意味では条件に当てはまる。さすが初代。スケールが違った。

 

見落としているイベントがあるかもしれないので、「これも当てはまるんじゃない?」というのがあればぜひTwitter(現X)にてよろしくお願いします。

 

(文・やなぎアキ)

 

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