そういえば気にしたことがありませんでした。
不覚。
知っている方は当然のように知っていると思いますが、せっかくなので。
ドラクエのロゴ、特徴的ですよね。
石のような質感を持った重厚感のある一文字一文字に、末尾のTを剣で表現。何と言ってもあの奥行きのある並びが秀逸です。
ドラクエ1の頃から変わらないロゴ。これに各作品のモチーフとなるものが付随しているのがナンバリング作品のロゴの特長です。
文字の並びをなんとなくこの形にするだけで、ドラクエっぽさを出すことができ、「ドラクエ ロゴ」なんかで検索をかけるとドラクエ風タイトルの作り方を紹介したサイトなどがたくさんひっかかります。憧れであり、一度は作ってみたいロゴですね。
国民的RPGのロゴ且つ個性的なだけあって、これと同じような作りのロゴはRPGなのかなというのが瞬時にわかります。
スーパーファミコンのソフトに『けろけろけろっぴの冒険日記』という、サンリオのキャラであるけろけろけろっぴが主人公のRPGがあるのですが、これのタイトルロゴがめちゃくちゃドラクエです。というか、このゲームを紹介している動画があるのですが、それを見てこの記事を書いていることを白状します。
それだけ強烈なロゴなのです。
それだけ強烈なので、当然このロゴの考案者は有名なデザイナーのはず。でも私は全く知りませんでした。これまで気にしたことがなかったからでしょう。ただ、ドラクエのキャラクターデザインを担当している鳥山明氏ではないだろうことは何となく予想がつきました。鳥山氏のドラクエでの活躍については調べればいくらでも出てきますし、イラスト集も出ています。その中でロゴの話は一切出てこないので、多分違うだろうなと。
と言うことで早速調べてみました。
ドラクエのロゴを生み出したのは、榎本一夫氏。
知っている人は知っている、超有名デザイナーです。
へぇ~知らなかったなぁ~と私は思いましたが、榎本氏について調べていくと、へぇ~知ってるわぁ~となりました。
彼は、なんとあの桃太郎電鉄の貧乏神のモデルとなった人なのです。いえ、なのねん!ボンビー!今はデザインが変わっていますが、昔のデザインの方が好きです。
桃太郎電鉄のロゴを作ったのもこの方です。堀井雄二氏とは古くからの知り合いだそうです。レジェンドですね。
ドラクエのロゴを作ったときには、RPGがどういうものがわからず、映画みたいなゲームという説明を受けて、映画の70mmマークを基にデザインしたそうです。70mmフィルムというのは映画用のフィルムの規格で、それのマークですかね。簡単に言うと、でかいスクリーンの規格で撮った映画だぞ!ってことです、多分。
どのようなマークなのかは、「70mmマーク ドラクエ」などで調べてみてください。確かに、奥行きのあるデザインで、ワイドスクリーンらしさ、幅広さを表現しているロゴです。これをDRAGON QUESTにして、細部をいじっていったということですね。
映画みたいなゲームなんだな、と聞いて70mmマークを思いついて、そこからさらに細部をいじる。これがデザイナーの仕事か!と驚きました。私も仕事で仕方なくロゴを作ったことがあるのですが、本当にとっかかりがわからず頭を抱えたものです。デザイナーすごすぎる。
デザインを手がけたのは一作目のみで、2以降はこのロゴを流用し続けているということです。それが今でも使われているのはすごいですね。デザインに古臭さを感じないという点が一番すごいです。装飾マシマシのデザインってシンプルなものに比べると時代を感じさせそうですが、それがないんですよね。
ちなみにロゴは印税にはならなかったそうで、それが一番の衝撃でした。誰もが知っているロゴで、現在に続くまで使われ続けているものなのに!?そもそもそんな偉業を成し遂げたのに、その方の名前を知らなかった自分がいるのにも驚きです。まだまだ知らないことはある……。
ふとしたきっかけで調べたことですが、思いのほか色々なことが知れてよかったです。伝説的な作品に携わった人というのは、やはり伝説なんだなと思い知らされました。今後は今回得た知識をうんちくとして語っていきたいです。
ところで、ドラクエのスピンオフにも当然このロゴは使われているわけですが、去年発売されたドラクエトレジャーズにはなんと使われていません。
なんとなく全体的に奥行きがあって、末尾のTが剣にはなっていますが、ちょっと意外ですね。
他にそのような作品がないかちょっと調べてみたところ、ジョーカーシリーズもそうでした。他にもあるんでしょうか。
そして、何か法則があるのでしょうか?ご存じの方がいたらTwitterで教えてください。
(文・やなぎアキ)
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